

この先10年、選ばれ続けるケアマネになるために
※この記事は 2019年6月26日 に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。
ケアマネは、比べて選んで当たり前。そんな時代に
- 2019/06/26 09:00 配信
- この先10年、選ばれ続けるケアマネになるために
- 丸山法子
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「あなたにとってケアマネジャーは、どんな存在ですか?」。この質問を介護者に投げ掛けると、たいていの人は、深い感謝を伝えてくれます。例えば、こんなふうに。
「初めての介護に戸惑うばかりだったけど、プロからのアドバイスには、本当に助けられています」
「最期の時に至るまでは、不安と悲しみ、困惑や苦悩の連続でした。それでも、ケアマネさんの支援やアドバイスで乗り切ることができました。言葉にできないくらい感謝しています」
制度の行方など関係なく、支援したいという思いと初志と情熱を忘れない。そして「頼りになる家族」のような存在として、介護者を支える―。今の介護の現場には、そんなケアマネがたくさんいるのだと思います。
有料化の導入が利用者の目と意識をシビアにする!
ただし、ケアマネを取り巻く環境は、どんどん厳しくなっています。特に介護保険制度の改正に向けた議論は、まさに嵐のような激しさ。その内容が実現すれば、国からはプランがもたらした成果の大きさを問われ、利用者からは、懇切丁寧な説明と柔軟でオールマイティな対応力が求められる現場となるでしょう。
中でも注目されるのは、ケアプラン有料化が現実味を帯びていること。この制度改正が実現すれば、利用者がケアマネを選んで当たり前の時代になるといわれています。
既に、介護の情報に敏感な利用者はケアマネを比較し始めています。生活情報誌や経済誌にまで介護情報があふれ、ドラマや映画で介護が取り上げられ、いたるところで相談の機会が増えているのですから、ケアマネを比較できる知識を持った利用者がいてもなんの不思議もありません。今後、ケアマネを比較する利用者は、さらに増えるでしょう。
有料化の導入は、そうした利用者の目をよりシビアにさせるはず。なにしろ、タダだったものにお金がかかるようになるのです。「お値段以上のケアマネかどうか」という付加価値を求める消費者思考が強まったり、「ケアマネは選んで当たり前」という考えが広まったりしない方が不思議です。
忙し過ぎて話を聞けない「ブラック・ケアマネ」になってない?
ならば、選ばれるためにはどうしたらよいのでしょう―。それを考える前に、いまのケアマネの実情を、ちょっと見直してみたいと思います。
今、ケアマネに求められる役割は、本当に多いですね。その結果、現場のケアマネは、連携先とのコンタクトやサービス担当者会議の開催、パソコンへの入力作業など、日々の業務をこなしながら、多分野にわたる研修受講に出向き、スキルアップを目指しています。そんな毎日でもパーフェクトに仕事をこなそうとされるケアマネの皆様の努力には、本当に頭が下がります。
ただ、あまりに忙し過ぎる業務の影響で「より早く、より正確に」ばかりを求め、スキルとノウハウで武装したかのようなケアマネが増えた気がします。
例えば、にこやかで感じはいいし、アセスメントもモニタリングもてきぱきと進めるけど、いつも話を切り上げるタイミングを計っているようで、話しかけるスキがないような人とか。あるいは、調整会議での信念対立の戦いを見事に収めてしまう手腕はすごいけど、会議の運営が効率よすぎて、なんだか意見を練る時間も与えてくれない人とか。中には、効率と正確さを追い求めるあまり、一緒に仕事をする人の言葉に耳を貸す余裕をなくしたケアマネも…。
特に、「所長」「主任」「認定」など肩書や資格があるほど、まわりはなにも言わなくなっていきますから、「孤立したスキルマニアのケアマネ」となる危険が高まるようです。極端な例では、利用者や事業者から、話を聞いてくれない「ブラック・ケアマネ」扱いされる人も出てきたとも聞きます。
「AI」も使いこなし、ケアマネにしかできない価値の創造を
既に述べた通り、スキルとノウハウで武装した効率至上主義のケアマネが増えたのは、制度と社会の変化に適応した結果です。ケアマネ自身が悪いわけでは決してありません。
ただし、先に述べた激しい環境変化を乗り切るには、ケアマネは、さらに進化しなければなければならないでしょう。正確で緻密な「作業」はAIに任せ、その先に、今までの実績をどう今後につなぎ、価値を生み出していくか、考えていく必要があると思うのです。
例えば知人や友人が少ない独居の要介護高齢者と地域との有機的なつながりをつくるのは、その人を熟知しているケアマネにしかできない役割です。また幅広い観点で考えると、人を支える姿勢や流儀、作法など、働く若い世代や子どもたちへ見せて教える役割もあります。
求められるさらなる進化、選ぶべき道は?
今後のケアマネに求められる在り様としては、たぶん、次の2つがあると思います。あなたは、どの道を選びますか?
なんでも要望を聞き入れる、便利で役に立つケアマネになることで利用者に選ばれる、受け身的な存在でいたいのか。
それとも、ケアマネにしかできない価値を提案して「これならお金を支払う価値がある」と思ってもらえる、一目置かれる存在でいたいのか。
もう、答えは出ているかもしれませんね。
これまで培った実績を土台に、新たな価値を生み出し、この先10年も愛され、選ばれるケアマネになるために―。これから2回の寄稿で、ささやかながらお伝えしたいと思いました。

- 丸山法子
- 一般社団法人リエゾン地域福祉研究所 代表理事。人材育成、パーソナル・コーチングセッションなどの管理者研修、対人援助技術の勉強会、コミュニティづくりや地域福祉に関するセミナーなど年間100本以上の研修・セミナーを手掛ける。社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員、生涯学習開発財団認定マスターコーチ
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