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ケアマネなら知っておきたい!“介護食”の基礎知識ケアマネなら知っておきたい!“介護食”の基礎知識

ケアマネなら知っておきたい!“介護食”の基礎知識

皆様の質問に平井先生が回答!

今回は読者の皆様から寄せられた質問に平井先生が答える「特別編」をお送りします。

Q1:おかゆにとろみをつける話を聞きますが、効果としておかゆにとろみをつけることは有効なのでしょうか。おかゆ自体にとろみがあると思います。おかゆの粘度にもよるでしょうがいかがでしょうか。

おかゆにとろみは必要ないが…

おかゆをそのまま提供するのであれば、私もご質問者様と同意見です。炊き上がりから提供までの段階でおかゆの粘り気を調整すれば、とろみ剤を使う必要はないと思います。

介護食

おかゆにとろみを使う場面として考えられるのは、ブレンダー(ミキサー)で刻んで提供する時ですね。この調理器を使う場合、重湯をかなり残した状態でブレンダーにかけるのが普通ですが、時には、サラサラなおかゆができあがることも。そのため、最後にとろみ剤を追加し、粘度を調整することがあるのです。

時間がたつと硬くなるおかゆ

そのほかに注意すべき点があるとすれば、おかゆは時間が経つと硬くなる性質がある点でしょう。米が重湯を吸うために起こる現象ですが、盛り付けから実際に食べるまでに少しタイムラグがある場合、ちょうどよい硬さで盛り付けても、食べる時には硬くなり過ぎることもあります。

特に入居者が多い特別養護老人ホームなどではこういったことが起こりやすいですね。厨房ではタイムラグを計算して提供していますが、米の品種の変更や気温の変化などが影響し、想定より硬めのおかゆが届けられてしまうことも。厨房に新人スタッフが入ったことが影響することもあります。介護の施設などで硬さや粘度が対象者様に合わずに困っている場合は、栄養管理室にご相談下さい。厨房で調整できる場合があります。

とろみ剤より、ゼリーの素がよい場合も

ところで、ゆっくり食事を進めているうちに粘り気があったおかゆがサラサラになってしまうことがありませんか?これはおかゆの中の「でんぷん」がスプーンに残った唾液によって消化されてしまうために起こる現象です。

あまりにサラサラで危ないと思われるようなら、おかゆを小皿に分けて唾液に触れないようにしてください。これでほぼ解消されるはずです。あるいは、温かいままのおかゆをゼリー化できる「固形化補助食品」を用いて、ゼリー状にして提供するのも一案です。

私の個人的な意見としては、コストが許すのであれば、とろみ剤で硬さを調整するよりも、市販の「かゆゼリー」の素を使うことや、固形化補助食品でゼリー化することをお勧めします。特にブレンダーで刻んだおかゆは、どうしても「餅」のような粘性が出てしまいますが、ゼリー化すれば粘性が減ります。特に自宅でブレンダーにかけたおかゆを提供したい場合などには、市販の「かゆゼリー」の素を使うのがベストです。ブレンダーについてはQ4のご質問も参考になさってください。

介護食とろみ剤は水やお茶だけでなく、ジュースやみそ汁、牛乳にも活用することができる

Q2:牛乳専用のとろみ剤がありますが、普通のとろみ剤でも時間を置けば牛乳はとろみがつくのでしょうか。

牛乳でもみそ汁でも、とろみはつく
つきます。最近のとろみ剤は品質が向上しています。過去の記事でご紹介した「ひと手間」を惜しまなければ、きれいなとろみをつけることができます。みそ汁やジュースなどでも同様です。

Q3:きざみ食を提供していますが、焼き麩(ふ)や豆腐などは刻まなくても、そのまま口に入れれば崩れて誤嚥のリスクはないと考えてもいいものでしょうか。

介護食

きざみ食提供だけで誤嚥リスクの判断は難しい

きざみ食が適しているのは「通常の食事では心もとないが、まだ食事をする能力は、そこそこしっかり残っている状態」の方。言い換えるなら、きざみ食を食べている人の「食事する能力」は結構、幅広いのです。
ですので、「きざみ食が食べられる=焼き麩や豆腐なら誤嚥リスクはない」とは、言い切れません。不安を感じる場合は、嚥下専門の医師や言語聴覚士、管理栄養士などにご相談下さい。

意外と違う、病院と施設の「きざみ食」

ちなみに「きざみ食」と言っても、それぞれの施設(病院、介護施設)で「きざみ方」が違います。

ざっくりした私の印象では大学病院などでは、調理師がまな板と包丁を使って玉ねぎを刻むような要領で刻んでいます。仕上がりは5mm角程度。それを「きざみ食」としています。一方、特別養護老人ホームなどではブレンダー(ミキサー)で一気に10人分以上を刻むため、2~3mm角程度に刻んで「きざみ食」と呼んでいることが多いようです。

さらに、大学病院などでは「極きざみ食」という名称で2~3mm角程度のきざみ食が、特別養護老人ホームなどでは「粗きざみ食」という名称で5mm角程度のきざみ食が提供されているということもあるようです。

ほかにも、それぞれの施設が対象者に合わせた大きさを考えてきざみ食を作っています。

そのため、提供されている「きざみ食」がどのような大きさであるかによっても、焼き麩や豆腐のリスクは変わってくるかもしれません。

介護食

食べる前にスプーンでつぶし、提供する方法も

ところで、介護士さんやナースから「全部、刻んでしまったら何を食べているのか分からない。そのまま食べられない人には、麩や豆腐は食べる時につぶして食べてもらうから、そのままの形で出してほしい」という提案をもらうこともあります。

確かに、焼き麩や豆腐、あるいはバナナはスプーンでつぶせます。そして、食べる時につぶす方が、召し上がる方の状態に合わせやすいというメリットもあります。実際、普通はブレンダー食(※後述)しか食べられないのに豆腐だけはそのままの形で食べたいという方もいたりするのです。対応できるかどうかは施設によると思いますが、相談してみる価値はあります。

自宅で介護する場合でも、食べる人の目の前でつぶす方法がもっとも喜ばれるように思います。ぜひ一度、お試しください。

余談ですが、きざみ食は「まとまりやすさ(凝集性)」にも注意が必要です。焼き麩や豆腐は口の中でばらけやすいので、提供する際には調理方法を工夫しましょう。

Q4:ブレンダー食とは、どのようなもので、どのような方に適しているのでしょうか。

ブレンダー食は、やわらかく調理した後、ブレンダーやミキサーなどで細かく砕き、硬さや粘度をとろみ剤で一定に調整して提供する食事のこと。「つぶし食」「ミキサー食」「ペースト食」とも呼ばれます。

「かみにくい人」だけでなく「嚥下が悪い人」にも

とろみ剤で硬さや粘度を調整するため、嚥下状態がよくない方向け・・・と思われている節がありますが、どちらかというと「かみにくい方」に適しています。

ただ、嚥下状態がよくない方にはまったく適さないかというと、そうではありません。嚥下状態がよくなくても、硬さや粘度を調整することで飲み込める方もいらっしゃるので、嚥下に問題がある場合でも、ブレンダー食が適しているケースもあります。

いずれの場合も、どのように提供すればいいのかな?と迷った場合には、嚥下専門の医師や言語聴覚士、管理栄養士などにご相談下さい。対象様にもっとも適した案を提示してくれるはずです。

平井千里
女子栄養大学大学院(博士課程)修了。名古屋女子大学助手、一宮女子短期大学専任講師を経て大学院へ進学。「メタボリックシンドロームと遺伝子多型」について研究。博士課程終了後、介護療養型病院を経て、現職では病院栄養士業務全般と糖尿病患者の栄養相談を行うかたわら、メタボリックシンドロームの対処方法を発信。総合情報サイトAll Aboutで「管理栄養士 /実践栄養」ガイドも務める。

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