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報酬返還を防げ!【徹底解説】 算定要件(4)運営基準編

報酬の返還にならないための算定要件の徹底解説、今回のテーマは「運営基準」です。2018年度の介護報酬改定に伴い、居宅介護支援の運営基準の中にいくつかの項目が追加されました。まずは、新規項目の中身をおさらいしておきましょう。

18年度改定で追加された運営基準

(1) 意見を求めた医師等へのケアプラン交付

医療系サービスをケアプランに位置づける場合、利用者の同意を得て主治の医師等の意見などを求める必要がありますが、それを踏まえてケアマネジャーが作成したケアプランについては、意見を求めた主治の医師等に交付しなければなりません。交付の方法は対面のほか、郵送やメール等でも可能です。

(2) 入院時の担当ケアマネの情報の伝達依頼

利用者が病院などに入院する際、担当のケアマネジャーの情報を伝えてもらうよう、利用者またはその家族に事前に協力を求めます。この依頼は、一般的には重要事項説明書への記載で事足ります。

(3) 集合住宅の居宅サービス利用で禁止規定

例えば集合住宅等で、利用者に選択の機会を与えることなく、特定の指定居宅サービス事業者の利用を入居条件とするようなことはあってはなりませんが、同様にケアプランに関しても、利用者の意思に反して、集合住宅と同一敷地内等の指定居宅サービス事業者のみを位置付けるような行為はあってはならないと、明確に規定されました。

(4) 主治の医師等への情報提供の義務付け

例えば、▽薬が大量に余っている、または複数回分を一度に服用している▽服用を拒絶している▽使い切らないうちに新たに薬が処方されている▽口臭や口腔内出血がある▽体重の増減が推測される見た目の変化がある▽食事量や食事回数に変化がある▽下痢や便秘が続いている▽皮膚の乾燥や湿疹等がある▽リハビリが必要と思われる状態であるにも関わらず提供されていない―といった利用者の心身や生活状況に関する情報のうち、主治の医師等の助言が必要だとケアマネジャーが判断したものについては、主治の医師等に提供しなければなりません。

18年度改定前からある運営基準

(1) 契約書

契約書は、介護保険の基準で求められている書類ではありませんが、実地指導では、トラブルの回避や裁判などにおける利用者保護の意味で、必ず契約書の取り交わしの内容が確認されます。契約内容が不適切であったり、利用者に著しく不利であったりする場合は、是正の指導がなされます。

(2) 運営規程

実地指導では、運営規程の内容が確実に行われているかどうかも確認されます。しかし、許認可時に一度役所の確認が済んでいるので、あまり深刻に考える必要はありません。職員数の記載については、日々の職員数に大きな変動があった場合を除き、変更の届け出は通常、毎年3月時点の実職員数を記載して行います。

(3) 重要事項説明書

ケアマネジャーは介護サービスの開始までに、重要事項説明書の内容について、利用者やその家族に説明して同意を得なければなりません。また併せて、重要事項説明書の控えを利用者に交付します。実地指導では、サービス開始日と同意日が前後していないかどうかなどがチェックされます。

記載内容に重要な変更があったり、介護報酬の改定で利用料が変わったりするたびに、重要事項説明書を新たに作成し、変更までに利用者・家族に再説明した上で、改めて同意を得る必要があります。また、控えの交付も併せて行います。

3年に1度の介護報酬改定(4月改定)では、改定の1カ月前の段階で利用料の変更に関する資料と同意書を作成して、利用者・家族から同意を得るやり方が一般的です。

(4) 個人情報の利用に関する同意書

自治体の許認可を得て介護サービスを提供する会社の職員には守秘義務が課されます。このため、業務上知り得た個人情報を他者へ漏らすと、処分の対象となります。一方、多職種が参加するサービス担当者会議では、利用者の個人情報を共有しなければならないので、サービス担当者会議に限って個人情報を共有して良いという同意書を交わします。

サービス担当者会議では、同居家族の個人情報も共有する必要があるため、自治体からは「家族の代表者の同意も必要」と指導されます。同意書のひな形にあらかじめ、家族の同意欄を設けておきましょう。ただし独居など、家族がいない利用者の場合は、家族欄への記名などは不要です。また、代理人が同意する場合は、代理人が本人欄に代筆した上で、代理人欄に自身の記名をするのが正しい記載方法です。

(5) 書面等による直接取得時の利用目的の明示

福祉関係事業者は、契約書、懸賞応募はがき、アンケート、インターネット上の入力画面などで、直接本人から個人情報を取得する場合、利用目的をあらかじめ明示する必要があります。

(6) 守秘義務

居宅介護支援事業所の職員は、業務上知り得た利用者またはその家族の秘密を保持する義務があります。退職後もそれを漏らすことがないよう同意を得るなど、事前に必要な措置を講じることが管理者に義務付けられています。

(7) 個別サービス計画の提出

居宅介護支援事業者とサービス提供事業者の意識の共有を図るため、ケアマネジャーは、ケアプランに位置付けた指定居宅サービス等事業者に対して、個別サービス計画の提出を求めることで、ケアプランとの個別サービス計画の連動性や整合性を確認しなければなりません。

(8) サービス提供の拒否の禁止

居宅介護支援事業所は正当な理由無く、サービスの提供を拒否することはできません。「正当な理由」とは、▽現在の職員数では物理的に対応できない▽利用申込者の所在地が、通常の営業地域の範囲外である▽利用者が他の居宅介護支援事業所にも申し込んでいる―などの場合をいいます。

(9) 掲示義務

居宅介護支援事業所は、事業所内の利用者が見やすい場所に、▽運営規程の概要▽職員の勤務の体制▽利用料その他のサービスの選択に関する重要事項(苦情処理の概要等を含む)―を掲示しなければなりません。

(10) 利益収受の禁止

利用者に特定のサービスを利用させる見返りとして、その事業者から金品その他財産上の利益の提供を受けることは禁止されています。

(11) 苦情処理

利用者やその家族からの苦情内容等の記録は、2年間保存する必要があります。

(12) 身分証の携行義務

ケアマネジャーは、介護支援専門員証などを常に携行して、初回訪問時や求められた時などに提示しなければなりません。

(13) 記録の整備

次の記録は、その完結の日(契約終了、契約解除及び施設への入所等で利用者へのサービスの提供が終了した日)から5年間保存しなければなりません。

  • 職員の勤務体制の記録
  • 居宅介護サービス計画費の請求の際、国民保険団体連合会に提出したものの写し

一方、指定居宅介護支援の提供に関する記録には、5年間保存するものと2年間保存するものがあります。

<5年間>

  1. 居宅サービス事業者との連絡調整に関する記録
  2. 利用者ごとの居宅介護支援台帳
  3. 居宅サービス計画
  4. アセスメント記録
  5. サービス担当者会議
  6. モニタリング記録

<2年間>

  1. 市区町村への通知に関する記録
  2. 苦情記録
  3. 事故記録
小濱道博
小濱介護経営事務所代表。北海道札幌市出身。全国で介護事業の経営支援、コンプライアンス支援を手掛ける。介護経営セミナーの講師実績は、北海道から沖縄まで全国で年間250件以上。個別相談、個別指導も全国で実施。全国の介護保険課、介護関連の各協会、社会福祉協議会、介護労働安定センター等主催の講演会での講師実績も多数。C-MAS介護事業経営研究会・最高顧問、CS-SR一般社団法人医療介護経営研究会専務理事なども兼ねる。

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