現場レポート
※この記事は 2011年8月2日 に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。
口腔機能向上加算実習に行ってきました(2)口腔機能の向上が全身の健康に
- 2011/08/02 09:00 配信
- 現場レポート
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誤嚥性肺炎の予防や、噛むことが認知症予防になるなど、介護の現場では口腔ケアの重要性が年々高まっています。口腔内を清潔に保つこと、口腔機能を保つことは生活の質に直結し、全身の健康につながるのです。
今回は、イリーゼ西大泉デイサービスセンターでの、日本医歯薬専門学校歯科衛生士科の3年生による口腔ケア実習、その後半をお届けします。
肥満防止から脳、がん予防まで、噛む効果は絶大
噛むことは、なぜいいのか?
その答えは、昼食前の講義で披露された「卑弥呼の歯がいいぜ(ひみこのはがいいぜ)」にありました。

ひ 肥満防止
み 味覚をクリアに
こ 言葉をはっきり
の 脳を鍛える
は 歯の病気を予防
が がんの予防
い 胃腸が快調
ぜ 全力投球で、全身の体力向上
(8020 推進財団ホームページより)

噛むことは、これだけの効用があるのです。まさに健康の源です。
山田さんは、「独居などで会話が少なくなり、さらに歯周病などで歯を喪失→入れ歯が合わな い・使えない→軟食傾向となると、口腔機能は急速に低下します。衛生面、機能面の両面からサポートされた健康的な口腔は、QOLの向上維持に不可欠です」と話します。
この「卑弥呼の歯がいいぜ(ひみこのはがいいぜ)」は、昼食前の口腔ケア体操のときに、ホワイトボードに大きく掲示され、一つずつ確認するように読み上げると、利用者さんは「うんうん」とうなずいたり、「そんな効果もあるのねえ」と驚いたりしながら、思わず何度も顎を上下させる人も。
その効果は絶大で、今回の実習でも、2回を終えた時点で、「先回は、食後にむせる人が2、3人いらっしゃいましたが、今日はむせる方は、いらっしゃらないです」と山田さん。食後にむせるということは、飲み込む力が単に低下してきているだけでなく、一口量が多い、あまり噛まずに飲み込むことに加え口唇閉鎖力の低下も含まれています。レクチャー、ゲーム、体操という一連のプログラムを行うことで、唇を閉じる力、飲み込む力の両方が鍛えられ、それが、入れ歯を使いこなすことになり、誤嚥の予防にも繋がるわけです。ムセた時は喀出、つまり先ほどのゲームなどで、呼吸が整えられ肺活量が少しずつ挙がることにより、しっかりとムセる、すなわち吐き出せれば健口的な食事となるわけです。

「口腔ケアは大事ということは多くの方がご存知だと思いますが、虫歯や歯周病の予防だけではありません。口腔機能が高まれば、それまでは食べることのできなかった食べ物も食べられるようになることで楽しみが増え、嚥下に関連する筋肉を鍛えることで安全に食事ができるようになります。また、全身の病気、機能低下の予防につながります。こうしたことを実現するためには、日頃の口腔ケア、機能向上トレーニングが大切です」(実習生)
口腔機能向上加算は、利用者の同意が得られない、利用者の自己負担額が上がるといった理由から、算定している通所介護事業所はまだそれほど多くありません。しかし、サービスを提供しているところでは、確実に良い効果が得られているようです。
口腔ケアの充実で、風邪予防 入れ歯もゼロに
長谷川介護サービス株式会社
イリーゼ西大泉デイサービスセンター
木原 洋 センター長
現在、80%以上の利用者さんが口腔機能向上加算を算定しています。「人様に口の中を見せたくない」ということが、一般的にはハードルになりがちですが、希望者にはこちらから提案するようにしているところ、多くの方が口腔機能向上サービスを受けられています。
私どものところでは、歯間ブラシ、舌ブラシ、入れ歯用ブラシをお一人ずつ用意しており、スタッフがお一人おひとり見て、ケアを行っています。毎回のことなので、お客様は「ここに来たら(口腔ケアを受けるのが)当たり前」と考えてくださっているようです。本当は、ご自宅でもやってくださったら、なお良いですね。
口腔ケアは嚥下機能を落とさないことが目的ですが、それだけではなく、風邪をひく方も少なくなりました。インフルエンザの流行時期にも稼動が落ちなかった要因の一つは、このことにあるのではないかと思います。
自分の歯を保ってもらう、なるべく入れ歯にしないということが、私たちが以前から抱えているテーマ。実際、山田先生に来ていただいて、本格的に口腔ケアを始めるようになってからは、入れ歯に変えた方は一人もいません。
こうした効果は、口腔ケアをやっている状況を実際に見てもらえれば理解を得られると思います。ケアマネジャーの方々にも、ぜひ、現場を見ていただきたいです。
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