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福祉用具貸与の改正、ケアマネにものしかかる業務増

2018年度の介護報酬改定で最もドラスティックな変化にさらされたサービスの一つが福祉用具貸与だ。3000億円近い“市場規模”がありながら、利用者の半数以上が要介護2以下というこのサービスでは、今年10月から、次のような制度改正が導入される。

  • 各商品の貸与価格の全国平均値を公表する
  • 各商品に保険適用となる上限の価格(上限値)を設定する

これらの改正の対象となる福祉用具は、月平均100件以上の貸与件数がある商品だ。そして、この変化もケアマネジャーに新たな業務負担をもたらす。

これまで福祉用具の価格は事業者主導で決まっていた。事業者の「いい値」が、ほとんどそのまままかり通る世界だったのだ。それだけに、福祉用具の価格に関しては、ケアマネが認識し、注意すべきことはあまりなかった。

毎年変わる「全国平均価格」と「上限値」

しかし、この10月からは違う。少なくともケアマネは、利用者が使う福祉用具の平均貸与価格と上限値は、必ず把握しておかなければならない。しかも、全国平均貸与価格も上限値も一年に一度は、見直されることが決まっているから、ケアマネもその変化を毎年、把握しなければならない。

福祉用具を使う人は200万人近くいる。つまり、介護保険サービスを使う人の3人に1人は、このサービスを活用しているのだ。その上、1人で複数の器具を使う人も少なくはない。各商品の全国平均価格や上限値を把握し、毎年更新し続けることは、大多数のケアマネにとって相当な負担になるだろう。

制度変更を逆手に取り、福祉用具専門員との連携を

ところで、福祉用具貸与の変更については、ケアマネ以上の苦労を強いられる職種がある。福祉用具専門相談員だ。

福祉用具専門相談員とは、高齢者本人の希望や心身の状況を把握して、福祉用具を選定するうえで自立支援という立場からアドバイスしていく専門職だ。彼らの8.3割が指定講習会(40時間)の修了者で、保健師、看護師、理学療法士、社会福祉士などの有資格者は2割以下となっている。

今回の変更に伴い、福祉用具専門相談員には、次のような義務が課された。

  • 自ら設定した貸与価格とその商品の全国平均額の両方を利用者に説明する
  • 機能や価格帯の異なる複数の商品を提案する

いずれも、サービス利用の透明化と貸与価格のばらつきの抑制を目指した取り組みだが、これまで「言い値」がまかり通ってきた現場に、これだけの説明が義務付けられるのだから、その負担増はかなりのものだ。

とりわけ福祉用具専門相談員がしんどい思いをするのは、社のカタログに示された商品価格より、全国平均額が安かった時ではないか。また、機能や価格帯が異なる商品を紹介することも、決して楽な仕事ではない。

とにもかくにも、この10月以降、福祉用具専門相談員には、恐ろしく高い“ハードル”を課されることになる。そんな彼ら彼女らに課される義務が、実はもう一つある。

  • 利用者に交付する福祉用具貸与計画書をケアマネにも交付する

つまり、ケアマネへの情報提供も義務化されたわけだ。当然ながらケアマネは受け取った福祉用具貸与計画書をきちんと保管しておかなければならないが、それだけではもったいない。この変更を逆手に取り、福祉用具専門相談員との連携を密にするべきだ。

福祉用具専門相談員との連携が密になれば、利用者にあった用具の選択がより容易になる。さらに、福祉用具に関するさまざまな情報を入手しやすくなる。

かつてないほど“高いハードル”が課された福祉用具専門相談員は今、懸命の情報収集に取り組んでいるはずだ。そんな彼らと連携できれば、ケアマネにとっても有効な情報を得ることができるはずだ。

住宅改修、まずは国から提示される様式を注視

福祉用具貸与の商品価格と同様、事業者の「言い値」で価格が決まってきたのが住宅改修だ。

このサービスについては、今後の見直しで事前申請時に使う見積書類の様式(改修内容、材料費、施工費等の内訳が明確に把握できるもの)が国から示されることになっている。ケアマネはまず、その様式を注視しなければならない。

さらに今後、住宅改修を検討する利用者に対し、複数の住宅改修事業者から見積もりを取ることを勧める役割がケアマネに課される可能性が高い。この点についても、今後、国や自治体の通知を見る際に気を付けておくべきだろう。

結城康博
1969年、北海道生まれ。淑徳大学社会福祉学部卒、法政大学大学院修了(経済学修士、政治学博士)。介護職やケアマネジャー、地域包括支援センター職員として介護系の仕事に10年間従事。現在、淑徳大学教授(社会保障論、社会福祉学)。社会福祉士や介護福祉士、ケアマネジャーの資格も持つ。著書に岩波ブックレット『介護職がいなくなる』など、その他著書多数がある。

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