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小濱道博の介護経営よもやま話小濱道博の介護経営よもやま話

小濱道博の介護経営よもやま話

“40件ルール”緩和、問われるケアマネの「対応力」

厚生労働省老健局で発生したクラスターの影響もあるのだろうか。今月5日以降、Q&A以外の介護報酬関連の通知がストップしている。Q&Aは、この原稿を書いている今月20日の段階でVol.6まで公表されているが、まだ通所介護の入浴介助加算などが残っている。4月も終盤にさしかかる中、主要な加算のQ&Aが出ていないのは異例のことだ。

先月26日に出たQ&AのVol.3では、居宅介護支援に関する項目がいくつか盛り込まれている。今回は、その内容の一部について解説したい。

居宅介護支援の基本報酬は、ケアマネジャーの取扱件数が40件以上になると、区分IIへ移行し、単位数はほぼ半減となる。いわゆる逓減制のことだが、今回の改定に伴い、このボーダラインが45件に引き上げとなった。

ただし、全ての事業所が対象ではなく、緩和の恩恵を受けるためには、ICT機器の活用か事務職員の配置のいずれかの要件を満たす必要がある。

ICT機器は「時間的な余裕を生む」

ICT機器の活用とは、スマートフォンやタブレット端末で業務を効率化したり、AI(人工知能)を活用してケアプランを作成したりすることを指す。これにより、ケアマネジャーの業務負担が軽減され、時間的な余裕が生まれるため、取扱件数の上限の引き上げが可能という考え方だ。

厚労省は、ICT機器の具体的な中身について、▽事業所内外や利用者の情報を共有できるチャット機能を持つアプリを備えたスマートフォン▽訪問記録を随時記載できる機能(音声入力も可)のあるソフトウェアを組み込んだタブレット端末―の2つを例示している。

想定される機能の具体例としては、▽利用者に係る情報共有を即時、かつ、同時に可能とする機能▽関係者との日程調整の機能▽ケアプランなどの情報をいつでも記録・閲覧できる機能―を挙げているが、ICT機器を活用する場合は、保険者に届出書(別紙10-5)を提出する必要があるため、同省は「個々の状況等に応じて個別具体的に判断される」としている。

ICT機器を使用する際は、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンズ」(個人情報保護委員会・厚労省)や「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」(同省)などを順守する必要があり、個人情報保護の観点からも、法人の所有物として万全のセキュリティー対策が求められる。

事務職員は「間接的なケアマネジメント業務」も

一方、事務職員の配置については、ケアマネが行う業務の負担軽減や効率化などにつながる人材でなければならない。

その勤務形態は常勤以外も可能で、居宅介護支援事業所内の配置だけでなく、法人内の総務部門や併設する訪問介護事業所など、同一法人内の配置も認められる。ただし、常勤換算でケアマネ1人当たり月24 時間以上の勤務が必要だ。1日8時間勤務だとすると3日間、ケアマネ3人の居宅介護支援事業所であれば、9日間の勤務に相当する。

事務職員が担う業務は、ケアマネが行う直接的なケアマネジメント業務だけでなく、間接的なケアマネジメント業務も対象だ。

厚労省は、「間接的なケアマネジメント業務」の具体例として、▽要介護認定調査関連書類関連業(書類の受領、打ち込み、複写、ファイリングなど)▽ケアプラン作成関連業務(関連書類の打ち込み、複写、ファイリングなど)▽給付管理関連業務(関連書類の打ち込み、複写、ファイリングなど)▽利用者や家族との連絡調整に関する業務▽事業所との連絡調整、書類発送などの業務▽保険者との連絡調整や手続きに関する業務▽給与計算に関する業務―を挙げている。

ICT対応に影落とす平均年齢の高さ

居宅介護支援の基本報酬に逓減制が導入されたのは、2009年度の介護報酬改定だった。それ以前は、取扱件数が40件以上になると、全件数の単位数が下がる仕組みとなっていた。このため、超過部分のみが対象となった同年度の改定以降、取扱件数が40件以上に増えても、大幅な減収はなくなった。

当時、取扱件数の増加によって、ケアプランの質が低下することを懸念する声が上がっていたが、あれから既に12年が経過している。

今回の逓減制の緩和に対しても、一部でケアプランの質を懸念する声があるが、多くの居宅介護支援事業所では改定前から、1人のケアマネが44件担当する実態があったのも確かだし、それは経営の安定化を考えると、やむを得なかったと言える。

介護人材の不足が悪化の一途をたどる中、近年、介護サービスの生産性の向上がうたわれ、業務の効率化と個人のレベルアップが求められている。その解決策として、国を挙げてICT化を進めているわけだが、居宅介護支援事業所の職員は、他の介護サービスと比べて平均年齢が高く、どこまでICT化に対応できるのかは課題が残る。

実際、スマートフォンやタブレット端末の操作に対する不安の声も多い。今後、AIを活用したケアプラン作成支援のソフトウェアが多くのベンダーから発売されるだろう。これらの活用を含め、現場サイドの「対応力」が問われている。

小濱道博
小濱介護経営事務所代表。北海道札幌市出身。全国で介護事業の経営支援、コンプライアンス支援を手掛ける。介護経営セミナーの講師実績は、北海道から沖縄まで全国で年間250件以上。個別相談、個別指導も全国で実施。全国の介護保険課、介護関連の各協会、社会福祉協議会、介護労働安定センター等主催の講演会での講師実績も多数。C-MAS介護事業経営研究会・最高顧問、CS-SR一般社団法人医療介護経営研究会専務理事なども兼ねる。

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