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21改定、オモテとウラ

様変わりしたデイサービス、ケアマネが押さえておくべきこと

2021年度の介護報酬改定は介護保険制度の在り方に大きな変化をもたらしました。しかし、大改革と呼べるような踏み込みには至っておらず、2024年度の診療報酬・介護報酬・障害福祉等サービス報酬のトリプル改定において、さらなる大きな変革が予測されます。今回の改定は、次なる大改革に向けた序章であり、大改革に繋がるエッセンスを読みとくことが重要です。そして、そのエッセンスが最も多く散りばめられたサービス分類が施設では特別養護老人ホームであり、在宅ではデイサービスでした。

今回の改定における変化の象徴でもあるデイサービスの改定ポイントと、ケアマネジャーが押さえておくべき点についてお伝え致します。

他に比べて大幅なプラス改定となったデイ

初めに、デイサービスの基本報酬単位の変化を確認します。規模別・時間区分別で数字は異なりますが、例えば、要介護2の7時間以上8時間未満の例で確認すると「地域密着型」では873単位から887単位(14単位増、1.6%増)、「通常規模型」では765単位から773単位(8単位増、1%増)、「大規模型Ⅰ」では733単位から740単位(7単位増、0.95%増)、「大規模型Ⅱ」では706単位から713単位(7単位増、1%増)となり、全体改定率プラス0.7%と比べても大きなプラス改定となりました。

デイサービスは過去2度の改定において厳しいマイナス改定でありましたが、ようやく改めて在宅事業における役割が再評価されたと言えます。

続いて、各種の加算を含めた詳細の見直し項目について確認していきます。全サービスで共通の12項目以外の、デイサービスに関連した見直しは22項目となりました。これは特養、老健、介護医療院に次ぐ、4番目の多さです。

このうち注目すべき見直しの1つが、「事業所規模別の報酬等に関する対応」でしょう。感染症や災害の影響による利用者数の減少に柔軟対応できるように、大規模型ではⅠとⅡの区分を月単位の実績に基づき見直すことが可能となりましたし、他の規模区分では、利用者数が前年対比で5%以上減少した場合、3カ月間基本報酬の3%の加算ができるようになりました。解釈や計算方法が複雑なため、特にケアマネは解釈要件を正しく理解していく必要があります。

特に多い「自立支援・重度化防止の推進」のための加算

また、各種の加算の中には、単位数がマイナスとなった加算もあれば、逆にプラスされた加算もあります。さらに新設された加算も多数存在します。

このうち今回改定における最注目の1つでもある「LIFE」に関連した加算としては「科学的介護推進加算」が新設されました。また「個別機能訓練加算」「口腔機能向上加算」には、「LIFE」連動による上位区分加算が新設され、「ADL維持等加算」「栄養アセスメント加算」の算定要件には「LIFE」に連動した内容が盛り込まれました。

その他の注目すべき加算についても、ほとんどが「自立支援・重度化防止の推進」の一環として位置づけられています。

その中でも、とりわけ影響の大きい「入浴介助加算」と「個別機能訓練加算」「ADL維持等加算」の見直し内容について確認していきたいと思います。

実は対象者が幅広い「入浴介助加算」

まず「入浴介助加算」ですが、これまでと同じ対応では50単位から、40単位と大きなマイナスとなりました。一方、自立支援への取り組みを行うことで算定可能となる上位区分の加算Ⅱ(55単位)が新設されました。

加算Ⅱの算定概要は次の通りです。

「利用者が自宅において、自身又は家族等の介助によって入浴を行うことができるよう、利用者の身体状況や、医師・理学療法士・作業療法士・介護福祉士・介護支援専門員等が訪問により把握した利用者宅の浴室の環境を踏まえた個別の入浴計画を作成し、同計画に基づき事業所において個別の入浴介助を行うこと」

この加算の特徴は、利用者の状態改善のみを目的とするのではなく、状態維持や重度化防止も含めた観点での自立支援を目的とている点でしょう。アセスメントをしっかりと行い、個別計画に基づく対応をした上で必要な条件さえ満たせば、自宅で入浴されない方や、入浴設備のない方の場合でも算定は可能です。もちろん、一律的な入浴介助での算定は不可となりますが、加算創設の目的を思えば、算定の対象者は幅広く捉えていく必要があります。詳細の解釈は【Q&A】を確認してください。

【関連するQ&A】
【介護保険最新情報vol.974】「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.8)(令和3年4月26日)」の送付について

「個別機能訓練加算」、『LIFE』活用の新区分も

続いて「個別機能訓練加算」ですが、従来は身体機能向上を目的とする加算Ⅰと生活機能向上を目的とする加算Ⅱに分かれていましたが、今回の改定で、加算Ⅰと加算Ⅱが統合され新たな加算Ⅰとなりました。ただし、機能訓練指導員の配置要件は従来の加算Ⅰと加算Ⅱで異なるため、新たな加算Ⅰでは人員要件に応じて加算Ⅰイ(専従1名以上配置。配置時間の定めなし)と加算Ⅰロ(専従1名以上。サービス提供時間帯通じて配置)と2階建ての建付けとなりました。

機能訓練項目については「利用者の心身の状況に応じて身体機能及び生活機能の向上を目的とする機能訓練項目を柔軟に設定する」こととなります。訓練の対象者は「5人以下の小集団又は個別」、訓練の実施者は「機能訓練指導員が直接」となりました。また、今回新たに、『LIFE』へのデータ提出とフィードバック活用によって算定可能な加算Ⅱが新設されました。従来の加算Ⅰは1日46単位、加算Ⅱは1日56単位だったものが、新しい加算Ⅰイは1日56単位、加算Ⅰロは85単位となります。新たな加算Ⅱは1月20単位となり、従来の加算ⅠとⅡを算定していた事業所にはマイナス単位となります。

単位数が急増、ハードルも下がった「ADL維持等加算」

最後に「ADL維持等加算」についてです。2018年度の改定において介護保険制度における初めてのアウトカム評価を伴う加算として注目された加算ですが、2021年度の改定で単位数は加算Ⅰで月30単位、加算Ⅱで月60単位と、従前の10倍の単位数となりました。さらに細かく定められていた算定要件もほとんど全てが撤廃もしくは緩和されることとなり、算定に向けたハードルも大幅に低くなりました。

算定にあたっては、サービス利用を通じて、利用者のADLの維持・改善が求められます。ADLの評価スケールには「バーセルインデックス」が用いられており、食事・移乗・整容・トイレ・入浴・歩行・階段昇降・更衣・排便・排尿の全10項目で構成され、各項目を自立度に応じて評価します。ただし、クリームスキミングと言われる結果の出やすい利用者の選別防止策として、要介護認定を受けて12カ月以内の場合や、利用開始月のADL値に応じて調整点数が加味されることとなります。さらに、極端なデータを排除する観点から、改善値の上位と下位10%を除外した利用者の改善値に基づき、加算ⅠとⅡの算定要件が示されることとなりました。「バーセルインデックス」の評価にあたっては、一定の研修を受けた者が評価することを求められており、理学療法士や作業療法士による研修や、厚生労働省が示すマニュアルや測定動画に基づき研修を行うことで要件を満たせることとなります。

このように、「デイサービス」の今回改定は、「科学的介護」「自立支援・重度化防止」「アウトカム評価」といった新しい概念に基づく見直しが多数であり、今後の制度改革において他サービスでも同様の仕組みが導入される可能性が高く、在宅サービスにおけるトライアル的な役割を担っているとも見て取れます。ケアマネの皆様は「デイサービス」の変化をしっかりと見極め、新しい介護保険制度の在り方にいっそう理解を深めていく必要があると言えます。

斉藤正行
奈良県生駒市出身。立命館大学経営学部卒業後、飲食業のコンサルティング、事業再生等を手掛ける。2003年以降、グループホームやデイサービスを運営する企業で要職を歴任。2010年には日本介護ベンチャー協会を自ら設立し、代表理事に就任した。18年、全国介護事業者連盟の専務理事・事務局長に就任。20年には同連盟の理事長となった。

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