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お笑い修行でケアマネジメント業務に変化も?!/小林彰宏(ケアマネジャー、芸人)【後編】

1年半に及んだお笑い修行を終え、地元・静岡に戻った小林彰宏さんは、「モニタリングに行った時、『利用者さんを笑顔にさせたい』という気持ちがわいてくるようになりました」と話す。他の介護サービス事業者と接する際も、「お笑いをベースとした明るい対応をするようになった」ことで来訪者が増えたという。笑いでケアマネジメント業務は変わるのか―。オンラインインタビューの後編では、お笑い修行の成果や今後の目標などについて聞いた。

小林さんは「ショーレースにも出たい」と意欲を語る(ご本人提供)
小林さんは「ショーレースにも出たい」と意欲を語る(ご本人提供)

目指すは「オンリーワンの介護芸人」

―1年半の学校生活を終えて、どのようなことを感じましたか。

とにかく、お笑いは難しいというのが、正直なところです。人を笑わせるためには、すごく難しい技術が必要だということを痛感しましたね。笑わせるためには、ちゃんとしたロジックがあるんだな、と。

人は偶然笑うのではなく、笑いにつながる会話とか雰囲気とか動きとか、点と点がつながった先に笑いがある。だから、点と点の間が途切れたり、ちょっとしたことで他の点に行ったりすると、いわゆる滑ってしまう。3分とか、短い時間でその点をつなげる技術というのは、しっかり勉強しないと、簡単に習得できるものではないということを、すごく学びましたね。

―「『介護に笑いを』では乗り越えられない“壁”」が、お笑いを勉強するきっかけになったとおっしゃっていましたが、それを打開するための手応えのようなものはつかめましたか。

冒頭でお話した通り、介護って幅がすごく広い。寝たきりのおじいちゃん、おばあちゃん、認知症のお父さん、お母さんを抱えながら、日々介護をしている家族がいる。その方を介護のつらさから少しでも解放することができれば、それだけでいい。それぞれ抱えているものが違うんだから、万人を満足させることは無理だ。お笑いを学んでから、そう考えるようになりました。

タイタンの学校に入った時、僕は「ナンバーワンを目指そう」と思っていました。介護とお笑いを本格的にやっている人はほとんどいない。レアでニッチな立ち位置だからこそ、「しっかり勉強してナンバーワンになって、他の介護施設からレクでお声がかかるぐらい有名になってやろう」という気持ちがあったんです。

でも、歌じゃないですけど、やっていくうちに「ナンバーワン」ではなく、「オンリーワン」でいいんだと、気持ちが変化していきました。リラックスして、笑いについて考えることができるようになったのかもしれませんね。

動画配信のきっかけは同期からの電話

―タイタンの学校を卒業してから、1年半近くが経ちました。新型コロナウイルスの影響で、人前でライブをやることもできなかったと思いますが、この間、どんな活動をしていたんですか。

実は、コロナが流行する前、長井秀和さんたちと5人でグループを作って、都内の介護施設でお笑い劇をやる計画を立てていたんです。介護施設のことは僕がわかっているので、僕が営業で回って、入居者のおじいちゃん、おばあちゃんたちに笑ってもらう時間を提供しましょうと、そんなことを考えていました。

ところが、「じゃあ、やっていきましょう!」となる矢先の昨年2月頃から、少しずつコロナの感染が広がり、4月には緊急事態宣言も出たので、ペンディングになってしまいました。それが一つ心残りというか、まだ終わったわけではないんですが、想定していた状況と変わってしまった点です。

一方で、コロナ禍の昨年9月から、ユーチューブで「WARAKAI(笑う介護)チャンネル」を始めました。きっかけは、同じ時期に卒業した女性カメラマンからの電話でした。

卒業から3カ月後ぐらいに連絡があって、「ノン老いるさんのネタを動画でアップして、介護のつらさを笑いに変える活動をやっていきませんか」というオファーを頂いたんです。僕は右も左もわからなかったんですけど、彼女は映画や動画なんかの編集もやっていて、撮影だけでなく、ディレクター役もやってくれるというので、昨年8月に最初の動画を撮って、翌月から発信することになりました。

お笑い効果?!来訪者も利用者も増加

―ケアマネジャーのお仕事は、ずっと続けていたんですね。

そうです。

―お笑いを勉強した前後で、ご自身の中に変化を感じたことはありますか。

ありますね。ケアマネ事業所って、デイサービスとか訪問介護とか、施設の相談員さんとかが営業に来るんですけど、その時に「芸人の端くれ」という気持ちがあるのか、笑わせにかかってしまうというか、その点が変わりましたね。

以前は、そんなことはしませんでしたけど、営業に来た初老の女性の方に、「あれっ?吉永小百合さんが来たかと思いました!」とか冗談を言って、会話をするようになりました。その結果どうなったかというと、この1年ぐらいで、事業所の来訪者が増えたんです。それと同時に利用者さんの数も増えていて、その一つの理由として、お笑いをベースとした明るい対応をするようになったことがあると思います。

―ケアマネ業務に関してはいかがですか。

ケアマネ業務も同じですね。モニタリングに行った時、「利用者さんを笑顔にさせたい」という気持ちがわいてくるようになりました。

以前は、決まりきった内容を聞いて、「わかりました。また来ますね。何かあったら電話ください」と言って帰っていたんですけど、傾聴の幅や深さというか、言葉のキャッチボールというんでしょうか、「このワードは突っ込みどころだとか」、そういう意識が働くようになりました。

利用者さんから、「あんた、変なこと言うね。おかしいよ」と言われても、「顔ですか?生まれつきですよ」なんて返したり(笑)。会話を笑いに変えるコミュニケーションができるようになって、学校に行って本当に良かったなと思っています。

―コロナの状況次第だとは思いますが、今後の活動について、現段階で何か考えていることはありますか。

人前で喋ったり、お笑いに慣れてきたりしていることもあると思うんですけど、段々欲が出てきて、ショーレースにも出たいな、と。実は、うちに来ていただいた60歳のケアマネさんがお笑いに興味を持っちゃって、「ペアを組んで、(若手漫才師の日本一を決める)『M-1グランプリ』の予選に出ましょう」という話になって、ネタまで考えていたんですけど、残念ながら、コロナの影響で出られなくなっちゃいました。

ピン芸人の頂点を決める「R-1グランプリ」には、2回エントリーしましたが、2回とも滑って1回戦で敗退しました(苦笑)。来年の「R-1グランプリ」の募集が11月頃から始まるので、コロナが落ち着いていたら、ぜひトライしたいと思います。

取材・構成/敦賀陽平

小林彰宏(こばやし・あきひろ)
1964年静岡市生まれ。大学卒業後、高校の英語教師として働いていたが、40歳という人生の節目を間近に控えた38歳の時、介護保険制度の創設を好機と捉えて転職。その後、介護施設を中心に経営支援などを行う。2013年にケアマネジャー、19年に主任ケアマネジャー取得。現在、静岡市内で居宅介護支援事業所「ケアプランはるな」を運営する株式会社はるな代表取締役。静岡県介護福祉士会監事。共著書に「これならわかる スッキリ図解 介護事故・トラブル」(翔泳社)がある。

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