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小濱道博の介護経営よもやま話小濱道博の介護経営よもやま話

小濱道博の介護経営よもやま話

“ケアプラン有料化”も復活?次期改正を占う

国はすでに、2024年度の介護保険制度改正に着手している。今年度の介護保険法改正を含む「地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律」は昨年6月に成立したが、厚労省が示していた論点の大部分は先送りされ、“骨抜き”の制度改正のイメージが強い。

だが、それは3年後の次の制度改正に持ち越されたに過ぎず、無くなったわけでは決してない。事実、財務省の財政制度等審議会(財政審)が5月にまとめた建議(提言)でも、先送りされた論点が見事に“復活”している。

サービスの数で報酬減額の議論再燃も

建議では、▽利用者負担のさらなる見直しやケアマネジメントへの利用者負担の導入など、介護保険給付範囲の見直しを進める▽介護サービス事業者の事業報告書等の報告・公表を義務化し、経営状況の「見える化」を実現する▽介護・障害福祉の利用者のニーズを適切に把握した上で、地域の実態を踏まえて事業所を指定する―の3つの必要性が示された。

財務省は4月の財政審の分科会で、居宅介護支援費の「自己負担1割化」を論点として提示。これに対して、日本介護支援専門員協会は同月末に反対声明を発表した。いわゆる“ケアプラン有料化”が現実する可能性が高いことへの危機感の表れだろう。

建議では、介護ベッド1台のみのケアプランなどについて、介護報酬を減額することが示唆されており、この点も注意が必要だ。ケアプランに位置づけた介護サービスの数によって報酬を減らす仕組みの議論が再燃するかもしれない。

2割以上負担、対象を25%に引き上げ?

利用者の自己負担を原則2割とする論点も健在だ。政府はすでに、医療保険の後期高齢者の「自己負担2割化」を実現させており、次は介護保険での導入を目指すだろう。これは既定路線とも言える内容だ。

財務省は、一気に引き上げるのではなく、段階を踏んで、最終的に2割負担に持っていくシナリオを描いているようだ。次の制度改正では、自己負担2割以上の対象者を現行の20%から25%に引き上げることが想定される。

医療保険でも介護保険でも、想定されている自己負担2割の対象の分岐点は年収200万円だ。この基準が適用された場合、企業年金などの受給者の多くが該当すると見られる。

介護の「自己負担2割化」が実現すれば、介護も医療も、現在の倍の金額を支払うことになる。年金の受給額そのものは変わらないにもかかわらず、である。そうなれば、利用するサービスを選別して、今までと同額に支出を抑える利用者が出ることは間違いない。たとえ支払う金額が倍になっても、利用者に「使い続けたい」と思わせるサービスが提供できるかどうかが、今後重要になってくるだろう。

事業規模の拡大策で二極化が加速か

事業規模の拡大策も変わらぬ方向性だ。これは、故・池田省三氏の「介護保険論」(中央法規出版)が発刊された2011年以降、厚労省の考えが根本的に変わっていないことを物語っている。

池田氏は同書の中で、事業者の過半数は零細企業であり、キャリアアップシステムの構築は絶望的であると指摘。さらに、研修もままならないので専門性が低い一方、経営コストが高く、利益率の低下を招くことから、100人程度の事業者に再編することが必要だと結論づけた。

確かに、介護事業のビジネスモデルはスケールメリットの追求にあると言える。今年度の介護報酬改定では、国の介護保険のデータベース「LIFE」へのデータの提供が、新設の加算では必須となった。特に自立支援関連の加算は、「LIFE」を活用しないと算定できない方向性が見えてきている。

また入浴介助加算のように、一般の加算でも上位区分が設けられ、既存の要件を満たすだけでは減収となっている。池田氏は同書の中で、行政が指導を強化しなくても、質の低い事業所は利用者から見放され、自然淘汰されると記している。今後、同じサービス間で確実に二極化が加速するだろう。

次の報酬改定に向け、「心して準備を」

今回の建議の内容は、政府が6月にまとめた「骨太の方針」には明記されなかった。だが、それはコロナ禍が続く状況下で“自粛”したに過ぎない。

2024年度の介護保険法改正の審議は来年春から、厚労省の社会保障審議会介護保険部会で行われ、年末には方向性が決まる。そして再来年には、介護報酬改定の審議に移る。

次の介護報酬改定は、6年に1度の診療報酬との「ダブル改定」の年に当たり、大規模な制度改正が予想される。心して準備を進めなければならない。

小濱道博
小濱介護経営事務所代表。北海道札幌市出身。全国で介護事業の経営支援、コンプライアンス支援を手掛ける。介護経営セミナーの講師実績は、北海道から沖縄まで全国で年間250件以上。個別相談、個別指導も全国で実施。全国の介護保険課、介護関連の各協会、社会福祉協議会、介護労働安定センター等主催の講演会での講師実績も多数。C-MAS介護事業経営研究会・最高顧問、CS-SR一般社団法人医療介護経営研究会専務理事なども兼ねる。

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