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※この記事は 2022年1月25日 に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

「ケアマネをなめるな」 強い気持ちで戦え!/宮崎直樹(市議会議員、ケアマネジャー)【後編】

処遇改善の議論で、いつも蚊帳の外に置かれる居宅介護支援事業所のケアマネジャー。現場には、ある種の諦めムードが漂い、介護職に戻るケアマネも出始めている。ケアマネの処遇改善の実現に向け、宮崎直樹市議は「『ケアマネをなめるな!』という強い気持ちで戦う必要がある」と喝破する。地方議員にならない、一般のケアマネにできることはあるのか―。インタビューの後半では、政治との向き合い方についても聞いた。

宮崎直樹市議
宮崎直樹市議

会員2700人超 「ケアマネを紡ぐ会」とは?

―2015年秋に一般社団法人「ケアマネジャーを紡ぐ会」を立ち上げました。

会の事務局長を務めている太田耕一郎さん(株式会社コンサレッジ代表取締役)と飲んでいる時に、「ケアマネの仕事はストレスが多いから、ストレスを軽減するような研修でもやろう」という話になって、最初は何となく始まったんです。津曲さんに弟子入りはしていましたが、まだ選挙に出る前の話です。

ファックスDMで人を集めて、1年ぐらい、2人でいろんなところを回りました。関東を中心に月1、2回。始めのうちは、参加者はせいぜい1人や2人でしたけど、すごく喜んでくれて、「ケアマネのストレスの問題をどうにかしないといけない」と考えて、2015年9月に法人化しました。

―現在、2700人を超える会員がいますが、どのように集めたんですか。

来てくれた人に、「一緒にやらない?ボランティアみたいになっちゃうけど、手伝って」と声を掛けて。そうやってスタートしたら、いつのまにか3千人近くまで増えた感じです。

―会員から2人の地方議員が誕生したそうですね。

1人は、愛知県岡崎市でケアマネをしている前田麗子さんという女性です。彼女は会の運営をずっと手伝ってくれていて、自分は「介護職に地方議員になってほしい」と思っていたので、ずっと出馬するよう口説いていました。2020年秋の岡崎市議会議員選挙で、公示2週間前に出馬を決めたにもかかわらず、見事に当選しました。

もう1人は、船橋市議会議員で同じ会派の佐藤亜美さん。彼女は介護職で、うちの取締役も務めています。「介護職に地方議員になってほしい」と話すと、「宮崎さんだからなれるんですよね」と言う人がいる。でも、20人ほどの小さな事業所から、市議会議員が2人出ているわけですから、もう言い逃れはできないと思います。

―地方議員の仲間を増やそうとしているのでしょうか。「大阪維新の会」を立ち上げた橋下徹さんのように、大きな組織を作る考えはありますか。

仲間を増やしたいというよりも、介護職の地方議員が増えれば、必ず優秀な人が出てくるので、その人が県議会議員になったり、国会議員になったり、市長になったりしてほしいと思っています。

自分が橋下さんぐらい優秀だったら、大きなことも考えるんだろうけれど、残念ながらそうではないので。自分の役目は、ケアマネでも地方議員になれることを証明することぐらい。その役目は既に果たしたので、あとは、自分に代わる優秀な方が大きなことをやってくれればいいと思っています。

「地元の議員に話かけてほしい」

―ケアマネの処遇改善を実現するためには、一体何が必要なのでしょうか。

「ケアマネをなめるな!」という強い気持ちで戦う必要があると思います。医療費の世界は、パイの奪い合いがものすごく激しい。医師会と看護協会の力が強いから、薬剤師会が負ける形となり、薬価の引き下げで本体のプラス財源を確保せざるを得ないのが現状です。介護も、多数の団体がパイの分捕り合いをするわけですから、ただ「お金ください」と言っているだけでは駄目だと思います。

―地方議員ではない、一般のケアマネにできることはありますか。

皆さんは、議員のことを偉い人だと思っているかもしれませんが、そんなことはありません。地方議員は、市区町村が現場なので、住民の方との距離も近い。住民が声をかけてくれるのを待っているんです。だから、ぜひ地元の議員に話しかけに行ってください。介護保険の場合、保険者の裁量でできることも結構ありますから。

議員と接する際は、ぜひ自分が何者であるか名乗ってほしい。政治家も人間なので、自己紹介をちゃんとして、今時間があるかどうかの確認をした上で話してください。いきなり、「初めまして。ケアマネの給料を上げてください」と言う人はいないと思うでしょう?でも、そういうお願いの仕方をする人が本当に多いんです。お互い人間ですから、手順を踏んで関係を作ってほしいと思います。

―読者のケアマネに、何か言いたいことはありますか。

とにかく、諦めないでほしいですね。自分たちの処遇が一向に良くならない。“ケアマネ不要論”もある中、未来に悲観するケアマネも多いと思います。でも、諦めないでほしい。

誰かが何かしてくれるのを待つのではなくて、一人ひとりが声を上げていかないと、これからの時代、自分たちの職業を守れない気がするんです。だから、誰かが議員になって発言したら、みんなで応援してほしいと思います。

今も現役 会期中は朝と夜に訪問

―今もケアマネの仕事を続けているそうですね。

要介護が33件と予防が2件の35件。朝から晩まで、土曜も働いています。3月、6月、9月、12月は市議会の定例会があるので、やっぱり、利用者さんとご家族の理解、協力がないと難しいですね。

会期中は、10時から17時まで市議会にいないといけないので、朝の7時、8時、夜の19時、20時に訪問しています。そうやると、1日に4件訪問できる。本会議中は連絡が取れないので、緊急時は、他のケアマネさんに対応してもらっています。

―辞めようとは思わなかったんですか。

これでも半分に減らしてもらったんです。市議になる前は、60件ぐらい持っていましたから。

正直、辞めたいと思うこともありますけど、自分がケアマネを辞めたら、自分の存在意義がなくなる気がします。ケアマネって職人だから、現役で引っ張っていかないと、うちのケアマネが納得感を持って動いてくれないような気がするんですよね。「現場の人間じゃない」と言われそうで(苦笑)。

取材・構成/敦賀陽平

宮崎直樹(みやざき・なおき)
専門学校を卒業後、22歳の時に介護の世界へ。2012年11月、株式会社介護屋宮﨑を創業し、東京都江戸川区に居宅介護支援事業所「介護屋みらい」を開設。14年9月には船橋店を立ち上げる。19年4月の船橋市議会議員選で初当選し、現在1期目。「ケアマネの本質は対人援助。書類に追われて利用者・家族と向き合う時間を削るようなことがあってはならない」「公正・中立な立場でいたい」との思いから、各種団体・協会の講演で仕事のノウハウなどを伝えている。介護系雑誌、新聞などへの記事掲載、執筆多数。一般社団法人「ケアマネジャーを紡ぐ会」会長。44歳。

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