“テレワークケアマネ”の創り方
居宅におけるテレワークの課題(1)
- 2024/04/30 09:00 配信
- “テレワークケアマネ”の創り方
- 次田芳尚
-
今回は、“テレワークケアマネ”を実現するための課題についてシェアしていきたいと思っています。さまざまな課題がありますが、コミュニケーションの希薄化への課題と対応、そしてご利用者様のファイルの管理に絞り、2回にわたってお伝えします。
コミュニケーションの希薄化とその対策
<課題>
テレワークケアマネの事業所は、集合型の事業所とは違い、毎日リアルに集まることはありません。このため、コミュニケーション量が不足し、信頼関係の構築や維持が難しくなるという課題が現れてきました。結果として、精神面が不安定になるという状況まで起きてきました。
<解決策>
業務用チャットを利用する
オンライン・オフライン会議を定期的に取り入れる
1on1(1対1の面談)を実施する
1. 業務用チャットを利用する
日頃のコミュニケーションは、ほとんど業務用のチャットで行っています。その理由は、個人情報が絡むやり取りも会社側で管理できるためです。
弊社では、Google Workspaceのチャット機能を使って、タスク管理やドキュメント・ファイルの管理と一体的に運用しています。
チャットスペース(スレッド)は、プロジェクトごとに作成しています。業務絡みや相談事、臨時のものなど、さまざまなチャットスペースがありますが、できるだけ業務単位で作ることを心がけています。チャットスペース内で複数の業務内容についてやり取りしてしまうと、重要な話を見逃してしまうことがあります。伝えたい相手をメンション(名指し)することも大切です。
どんなチャットスペースを作っているのか、一部表にまとめてみましたので、参考にしてみてください。

※OPは業務オペレーション関連、PJはプロジェクトの略

※OP休暇申請の一例
チャットでは、いわゆる「ほう・れん・そう」を行っています。
ほう(報告)
日報をはじめとした、業務の報告を行います。ケアマネジャーは事前にスケジュールを立て、ご利用者様やサービス事業所と面談したり、会議を行ったりします。このため、スケジュールから日報を半自動で作成できるようなアプリケーションを利用しています。
れん(連絡)
ワークスペースの数が最も多く、業務ルールの変更、休暇の申請、ミーティングの予定連絡や調整など、内容は多岐にわたります。
そう(相談)
ケアマネジャーは日々、単独で動くことが多くあります。また、ケアマネジメントを行うにあたって、社会資源を探したり、課題の解決に向けた方法を調べたりすることもあります。こうした際、事業所内の他のケアマネジャーにチャットで相談できるようにしています。
2. オンライン・オフライン会議を定期的に取り入れる
チャットだけでも業務は遂行できますが、ビデオ会議やリアル会議を取り入れることで、コミュニケーションのバランスを取ることが非常に大事だと感じております。
チャットによるコミュニケーションの課題は、文書を書くのが苦手な方が置き去りとなり、その方の心が疲弊してしまうことです。思ったことをうまく伝えられず、結果として、業務の課題が残ってしまうこともあります。
いわゆるZ世代の職員は、スマートフォンが当たり前の世代ですので、LINEやInstagramなどを使ったコミュニケーションに慣れています。リアルに会わなくてもコミュニケーションが行えると言っても良いでしょう。しかし、ケアマネジャーとして活躍されている方々の多くは、ポケベルや携帯電話で育ってきた世代です。テキストのみのやり取りですと、孤独感を感じてしまう傾向にあります。
では、ビデオ会議だけで十分かというと、そうではありません。ビデオ会議の場合、ノンバーバル(非言語)の情報はなかなか伝わりにくいものです。
オンラインで繋がっていた方とリアルでお会いした際、「思っていた雰囲気と違う…」と思ったことはありませんか?この“違和感”を埋めるためにも、オフラインでのコミュニケーションが重要になってきます。
弊社では月に1回程度、リアルで会う機会を作っています。リラックスした雰囲気で話ができる喫茶店などを利用して会議を行っています。営業の計画からケアマネジメントを行う上での悩み、今後の受け持ち件数や取り組みたい課題など、リアルに会って話すことで、チャットとビデオ会議によるコミュニケーションの不足を補っています。
3. 1on1を実施する
上司と部下の関係は、時代と共に変化し、コンプライアンスを重視し、多様性を認める現代社会においてはより多様化しているといえるでしょう。従業員の精神面の健康を保つためにも、弊社では月に2度程度、1on1(1対1)による対話の時間を設け、コミュニケーションをより充実したものするよう心がけています。

- 次田芳尚
- 日本福祉教育専門学校卒業後、社会福祉法人が運営する在宅介護支援センターのソーシャルワーカーに。その初任給で当時最先端だったWindows 95搭載のパソコンを購入した。職場の業務改善プロジェクトへの参加をきっかけに、「ICT化」と「業務改善」が自身のライフワークに。老健の相談員などを経て35歳で独立し、コンサルタントとして事業所の支援をスタートさせる。2021年4月に株式会社279(つなぐ)を設立し、テレワーク型の居宅介護支援事業所の運営を開始。現在、同社代表取締役のほか、介護現場のIT活用を支援するNPO法人「タダカヨ」の理事なども務める。
スキルアップにつながる!おすすめ記事
このカテゴリの他の記事
こちらもおすすめ
ケアマネジメント・オンライン おすすめ情報
介護関連商品・サービスのご案内
ケアマネジメント・オンライン(CMO)とは
全国の現職ケアマネジャーの約半数が登録する、日本最大級のケアマネジャー向け専門情報サイトです。
ケアマネジメント・オンラインの特長
「介護保険最新情報」や「アセスメントシート」「重要事項説明書」など、ケアマネジャーの業務に直結した情報やツール、マニュアルなどを無料で提供しています。また、ケアマネジャーに関連するニュース記事や特集記事も無料で配信中。登録者同士が交流できる「掲示板」機能も充実。さらに介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)の過去問題と解答、解説も掲載しています。



