今、伝えたい「ありがとう」「ごめんなさい」
介護者の尊厳に寄り添えなかった未熟な自分を反省…謝りたい気持ちでいっぱい
- 2024/09/13 09:00 配信
- 今、伝えたい「ありがとう」「ごめんなさい」
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読者の伝えきれなかった想いを、ショートエッセイでつづる「今だから伝えたい『ありがとう』『ごめんなさい』」。愛知で活動するyopparaiさんには、「今、思い出しても申し訳なさでいっぱいになる」という経験があるといいます。
yopparaiさんがケアマネとして働きはじめて5年目。地元の名士を担当したことがありました。その方は、元町会議員で、家系も代々村長を輩出したほどの名家のご出身。さらに、介護者である妻も元士族という家系です。
yopparaiさんが担当し始めた時には、ご利用者は、かなり認知症が進行していました。「大声で怒ったり、近所の人を泥棒呼ばわりしたりするトラブルが続き、近隣の苦情から民生委員さんの説得で要介護申請があり、私が担当することになったのです」
介護者である妻は、夫の認知症を受け止め切れていませんでした。「『夫は認知症ではない』と言い張り、専門医師の受診も拒否しつづけていたのです」。ただ、その妻もご利用者が興奮すると手がつけられないようで、家から逃げ出すこともあったそうです。そこでまずは、レスパイト目的でデイサービスの開始を勧めました、ところが、その利用初日、ご利用者が送迎職員を殴ってしまったため、即座に利用禁止に。結局、妻のみの介護状態が続きました。
「当然ながら、奥様は疲れ切っていました。相談できる相手として娘がいるのですが『嫁に行った娘は先方の家を守る者。実家の騒動には巻き込まない』といい、私からの一切連絡を禁止されていたのです」。
それでも、ご利用者が夜間に妻を追い出すようなことが相次いだことから、yopparaiさんは近隣の親戚を通じ娘に連絡を取ってもらい、急遽、帰省してもらいました。そして娘を交えての話し合いの結果、ご利用者を精神科病院に入院してもらうことがまとまりました。
無事、ご利用者が入院した翌日、yopparaiさんは、改めてご利用者宅を訪れました。その時のご利用者の妻の言動が、yopparaiさんの胸に刺さりました。
「お父さん行っちゃった…淋しいよう」
あれだけ気丈な奥様が初めて私の前で涙を流し、弱音を口にされたのです。ご主人がいる時は、どんなに罵倒されても、家を追い出されても、泣き言も弱音も吐いたことがなかったのに。
入院が正解だったかはわかりません。ただ限界が来ていた現状を回避する一つの方法でした。それでも、ケアマネとしてもっと適切なアプローチができていたなら。介護者に寄り添い上手に背中が押せていたなら。
「私の未熟な支援の結果がこれかと…。申し訳なさでいっぱいになってしまいました。今でも、その時のことを思い起こすと、胸がつまります」
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