ご利用者の生活に寄り添うケアマネジャーの皆様の中には、日々の小さなコミュニケーションにも心を砕き、配慮を忘れない方も少なくないでしょう。群馬で働くk-nakanoさんも、そんな方であるようです。

居宅介護支援の現場で活動するk-nakanoさんが、業務で地元の病院を訪れた時のことです。

「一度だけお会いしたことがあった方から声を掛けられました。退院したら担当する予定の方のご家族でした」

時間も迫っていたk-nakanoさんは、そのご家族と簡単に挨拶。何か言いたげな様子のご家族を後に、予定の業務に向かいしました。

そのご家族とk-nakanoさんが再会したのは、ご利用者が無事に退院された後のこと。その時、ご家族から思わぬことを聞かされたといいます。

「病院でご家族と私があったあの時、私が病室に顔を出してくれなかったことを、ご利用者は、とても寂しがっていたというのです」

入院中、ご利用者は、もうすぐ始まる「介護のある生活」に不安を抱えていたのかもしれません。幸い、退院後の介護サービスの導入はごく順調に進んだとか。ただ、その後が順調だった分、k-nakanoさんは、お見舞いに行けなかったことについて話す機会を持てていないといいます。

「あの時、病院でご家族に会ったあの瞬間。もう少し気持ちに余裕があれば…。病室に顔を出すことができていれば、ご利用者が抱えていた不安を少しでも軽くできたはずです。いつか機会を作ってきちんと謝りたいです」