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介護アンケート

あなたはどこまで知っている?特発性正常圧水頭症(iNPH)に関する意識調査(3)

ケアマネジメントオンラインでは、1月下旬に「認知症を伴う病気に対するケアマネジャーの認識調査」として、特発性正常圧水頭症(iNPH)に関する意識調査を行いました。 高齢者に多い特発性正常圧水頭症(iNPH)は、歩行障害や尿失禁に加え、認知症の症状もあらわれることがわかっています。その原因は不明のところが多いものの、脳内の水を抜く(髄液の流れをよくする)ことで、症状が改善されることもわかっています。 前回、アンケートの集計結果を発表しましたが、今回は、皆様から寄せられたコメントの後半をお届けします。

【調査概要】
調査方法 : インターネットリサーチ
調査地域 : 全国
調査内容 : 認知症を伴う病気に対するケアマネジャーの認識調査
調査対象 : ケアマネジメント・オンライン会員25~77歳のケアマネジャー
有効回答数 : 475サンプル(男性:208ss・女性:267ss)
調査日時 : 平成23年1月26日(水)11:00 ~平成23年1月27日(木)17:00
調査主体 : 株式会社インターネットインフィニティー

設問:担当ケースのなかに、『特発性正常圧水頭症(iNPH)』(手術により改善しうる歩行障害・認知症)の疑いがあるご利用者様はいますか?
診断の難しさ・家族の消極性

認知症の診断自体が地域医では難しいこともあり、それ以上の診断を求めることが困難。また、専門機関は予約がとりにくく、受診までに月日を要する。(愛知県 女性)

該当する方はいると思いますが、受診や治療にあたって家族の理解を得ることが難しいと思います。(千葉県 女性)

基本的な認知症の診断さえ精神科医ができないので、期待できない。また、内科医も適当に薬を出していて、診断の根拠がはっきりしない。90ぐらいになってそのような症状が出ても老衰というのが本音。家族もこれ以上長生きしてもねえ、といわれることが多い。(東京都 女性)

詳細な診断を受けてもらいたいが、家族から「もうトシなので、これ以上細かく診てもらう必要もない」という家族が多く、うまくいかない。(埼玉県 男性)

認知症の正しい認識を持つ方は未だに少なく、早期に治療へ結び付ければ、まだまだ在宅生活維持が可能な場合もあるのに、「年のせい」「呆けて何もわからない」で片付けている様子をしばしば目にする。一方で、正常圧水頭症のテレビ番組後、きっとそれのせいだから、診てくれるところを教えてという問合せもあった。かかりつけ医との信頼関係が希薄なケースが多く、また医師側も年のせい、認知症は治らないから何も治療はしない、で済ませる様子もしばしばある。(兵庫県 男性)

なるべく介護者には専門医を受診するように説明していますが、初期の場合には「歳だから」で片付けられる介護者が非常に多くいらっしゃいます。CMは根気よく説明して行くことが必要とは思いますが、最終判断はやはり家族ですので、もっと認知症に関して啓発していかないとならないと感じます。(熊本県 女性)

認知症に一括りされ、細かな診断名を理解することはこの地域では難しい。(北海道 男性)

疑いがあると思っても、それを適格に診断できる、もしくはきちっと診察できる医者が少ない。(神奈川県 女性)

医者の中には簡単に認知症という診断だけで、細かい診断をしてくださる先生は少ないと感じます。私のような素人や家族がこういう症状があると伝えても、高齢だから、脳が萎縮しているからと済まされる場合がほとんどです。(香川県 女性)

歩行障害に関してはパーキンソンとの区別が難しいのと受診を勧めてもiNPHと医師が診断してくれるかどうかわからない。(北海道 女性)

数年担当している利用者がこの病気の診断を受けるまでに、3年以上かかっている。医師でも診断が難しい?のではないか?(岩手県 女性)

高齢の開業医医師では、認知症を加齢のためで済ませてしまうことも多く、対応に苦慮することがあります。(三重県 男性)

家族の中にはアルツハイマーや脳血管障害による認知症まで病院に行けば治ると期待する人がいて困ることがあります。(東京都 男性)

パーキンソン様の歩行障害があって医療機関を受診しても、抗パーキンソン薬の処方程度しかしてもらえない。また、認知症については、問診のみでアリセプトのみとか……主治医や医療機関への啓発が必要である。(熊本県 男性)

認知症各種の理解が欠けていて、直ぐにアリセプト処方が目につきます。医師の認識不足と家族の問題意識、時間と経費に於いて検査まで繋げられるレースは10%程度です。(栃木県 男性)

高齢者の場合、受診をしても他科への紹介を嫌がられる場合や、問診のみで「認知症」と診断されていることが多く、治る、或いは症状の緩和や進行を抑えられる可能性が見逃されているように感じる。(東京都 女性)

この設問にコメントしてくださった方のなかで、もっとも多かったのが、「診断が難しい」「家族を説得できない」というものでした。 これは、次の「ケアマネとしての限界」と共通する部分もありますが、どこにでも専門医がいるわけではなく、また、ある程度高齢になると「仕方がない」という諦めが優先するのは、「手術までして本当に治るのか」という疑問、「医師を探してまで検査する気力・体力があるのか」など、目の前に立ちはだかる数多くのハードルを考えると、仕方がないのかもしれません。それでも、「良くなるなら」「治したい」という本人や家族の一縷の望みを、ケアマネジャーが摘み取っていいはずはありません。もちろん医療界においても、診察のガイドラインが作成され、医師の情報共有が進んでいます。また病診連携の重要性が示され、「連携パス」が作成される地域が増えていることも期待がもてます。

ケアマネとしての限界

当てはまるケースの方がいたとしても、主治医に疑いがある旨を伝えるのは難しい。(北海道 男性)

仮に思っていても、医師の判断や診察に対してケアマネが診断名を口にするのは難いですね。(静岡県 男性)

地域環境により気楽に受診できる施設がない、ケアマネとしてもしや?と思っても診断が異なれば、そのままになってしまう歯がゆさを感じている。セカンドオピニオンの自由がない。(群馬県 女性)

現在手術予定。症状に該当する高齢者とその家族に、特発性正常圧水頭症の話はできるが、医師が認知症との診断をしている場合、実例をあげることしかできない。医師の診断を疑問視する助言は難しい。(神奈川県 女性)

CMが疑いを持って家族に専門医を訪れることを勧めても、高齢だからということやスムーズに受診ができるシステムがなくほとんど受診されないことが多い。年配のかかりつけ医などは認知症や緩和治療など興味のない方もいるため、家族が相談すると、「誰からそんなことを聞いたんだ」と責められることもある。(埼玉県 女性)

医師の診断がないのに、こちらから「特発性正常圧水頭症ではないかと思う」などとは、言えない。(千葉県 女性)

ケアマネはもしかして……とアンテナを張ることは大事だが、診断に関わることは医師のプライドにも関わるので、医師に対しては言えないのが現実だと思います。(岐阜県 女性)

ご本人が元医師であることから「自分の治療は自分で決める」ときかず入院・加療ができぬまま認知症が進行しています。家族も認識はしているものの、治療をお勧めしても本人が拒否するためできないと、そのまま受け入れています。どう対応すべきか苦慮しています。(東京都 女性)

これらのコメントからは、ケアマネジャーと医師との間に越えられない壁があることが伝わってきます。正しい情報を持っていて、疑われる症状に気づいていても、医師や家族に言えない……。そのもどかしさ、やるせなさは、ほとんどのケアマネジャーさんが経験していることではないでしょうか。
生活全般に関わっているケアマネだからこそ言えること、わかることがあることを、とくに医療職はもっと理解してもらいたいと願うばかりです。

【おわりに】

今回のアンケートは、特発性正常圧水頭症(iNPH)について知識を深めていただく目的で実施させていただきました。ところが結果は、半数以上のケアマネジャーがすでに特発性正常圧水頭症(iNPH)について情報を保有しており、また、実際に特発性正常圧水頭症(iNPH)の疑いがあるケース、該当ケースを扱っていました。
しかし、それゆえに「年のせいだから」と見過ごしがちな医療に対する失望やご家族との距離感など、さまざまな思いが表出した結果となりました。
医師自身の深い理解は当然のこととして、ケアマネジャーは「治る認知症」としてぜひ今後も記憶にとどめていただき、疑われるケースがある場合は、まずはご家族に「こういう病気がある」と提案してみてはどうでしょうか。

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