“ケアマネ芸人”、ノン老いる小林の介護・言いたい放題“ケアマネ芸人”、ノン老いる小林の介護・言いたい放題

“ケアマネ芸人”、ノン老いる小林の介護・言いたい放題

学生にケアマネの魅力発信って…厚労省さん、本気で言ってる?

厚生労働省ではなく、「幸生老道笑(こうせいろうどうしょう)」(幸せに生きる老いの道は笑いにあり!)を座右の銘にしている、“ケアマネ芸人”ことノン老いる小林です!

全国のケアマネジャーの皆さん、残暑が厳しい中、今日も本当にお疲れ様です!

皆さんが額に汗するのを横目に、厚労省さんがまたまたおかしなことをやろうとしています。

なななんと、来年度、ケアマネの魅力を発信する新たなPR事業を始めるんですって!
詳しくはこちらをご覧ください

厚労省さん、一体どこ見てるんですか?5800万円ものお金を使って、ケアマネのやりがいや魅力を学生さんらに発信って…。あきれるにもほどがあります!

ケアマネの現場は今、やりがいどころか悲鳴だらけなんです!魅力をPRする前に、給与と労働環境の改善が先でしょうがっ!

あ~もう、腹立つわ~。ということで今回は、厚労省のケアマネPR事業について言いたい放題しちゃいます!

「魅力」ではなく「疲弊発信」に

リーフレット?パンフレット?漫画?YouTube動画?これで魅力発信???

現場のケアマネは、利用者さんの生活と家族の事情に振り回され、書類地獄と給付管理に忙殺されながらも、夜な夜な胃薬を飲んでパソコンのキーをたたいてるんですよっ!

一体、どこに発信する魅力があるんですか???「疲弊発信」ですよっ。

仮に動画で「ケアマネの一日密着」なんてやったら、早朝の電話対応に始まり、午前中は訪問、午後は役所とのやり取り、夕方はサービス調整、夜は記録の山…。そして、「深夜に残業、翌朝また訪問」というテロップが入って、そのままエンドロールに突入です!

その動画を見た学生さんが、「よし、ケアマネやってみよう!」って思うと、本気で考えてます?

リーフレット、パンフレット、漫画、YouTube動画って、要するに「外注して、ハイ終わり」ですよね?業務を委託された広告代理店が喜ぶだけ。現場のケアマネには一銭たりとも還元されません。

その5800万円、全国のケアマネに1人1万円でも支給してくださいよ。その方がよっぽど「士気向上」につながりますからっ。それでどれだけのケアマネが、「もう少し頑張ろう」って思えるか…。お金の使い方が根本的にズレてます。

そもそも厚労省さん、「潜在ケアマネ」がどうして“潜在”しているのか、ご存じですか?

せっかく試験受かって資格取ったのに、現場で心身共に疲れ果て、辞めてしまったケアマネさんが山ほどいるんですよ。辞めた理由は、制度の欠陥、責任の重さ、給料の低さ、そして人手不足に耐えられなかったからです。決して、やりがい不足が原因じゃないんですよ。

それをパンフレットや漫画で「さあ戻っておいで」って…、保育園の呼びかけかよっ!

潜在ケアマネを復職させたいなら、まず報酬を引き上げる、書類の簡素化をする、そして、責任の所在を明確にする。それをせずして、「PR動画で魅力発信」って…、あきれ果てて、もう笑うしかないわっ!

一番腹立つ、「やりがい発信」

一番腹立つのが、「やりがい発信」ってフレーズ。やりがいなんて、こっちはとっくに感じてますよ。

利用者さんが「ありがとう」って言ってくれる瞬間、ご家族が「助かりました」って涙ぐむ瞬間、そこにやりがいはあります。でも、現場に入れば、「書類が遅れたら減算」「加算取れなければ収益減」「事故が起きたら責任追及」などなど、“脅し文句”のオンパレード…。

こんな現状で、「やりがいを学生に伝える」って言われてもねぇ~。まるでブラック企業が、「夢のある職場です!」って求人出すのと同じ。現場の声をねじ曲げて、若者をカモにするような真似はやめてください!

私たちケアマネが本当に望んでいるのは、立派なパンフレットでも、おしゃれなポスターでもありません。

望んでいるのは…
報酬を上げてほしい!
書類の負担を減らしてほしい!
人材確保を制度的に支援してほしい!
利用者本位の制度設計にしてほしい!

こうした当たり前の声を聞かずして、紙と動画でごまかそうとするから、怒りとあきれが倍増するんですっ!

“ノン老いる流”ケアマネPR

ケアマネの魅力を伝える一番の方法は、ご利用者の暮らしに寄り添う一瞬一瞬を、そのまま届けることです。

・一日の終わりの小さな言葉

「今日はよく眠れそうです。ありがとう」―。玄関先で見送る利用者さんの一言が、どれほどケアマネの心を温めているか。大変な業務の中、この一瞬があるから続けられる。これを映像にするだけで、言葉は要らないでしょう。

・ご家族の涙に寄り添う姿

「こんなに話を聞いてもらえたのは初めてです」―。介護で疲れきったご家族が、ケアマネとの面談の最後にふと流した涙…。この言葉を聞いた時、ケアマネは自分たちが存在する意味を知ります。そんな場面を知ってもらうことこそ、本当のPRではないでしょうか。

・人生を支える伴走者として

「最後まで家にいられたのは、ケアマネさんのおかげです」―。ある利用者さんが、亡くなられる前に静かにおっしゃいました。この言葉は、ケアマネの心に一生残ります。リーフレットの言葉よりも、はるかに“重いリアル”です。

・潜在ケアマネへの「おかえり」

潜在ケアマネの復職を心から願うのならば、こう呼びかけてください。「あなたが去ったのは弱さではなく、頑張りすぎた“証”。だから安心して戻ってきてください。あなたを待っているのは、書類の山ではなく、人々の笑顔です」と。きっと彼らの心に届くことでしょう。

・笑顔と涙の両方を伝える

ケアマネの仕事は、笑顔だけじゃありません。もちろん、涙もあります。でも、その涙の奥にある「ありがとう」の重みを伝えられたら、学生さんも潜在ケアマネもきっと、「やってみたい」と思ってくれるはずです。

本当のケアマネの「魅力発信」とは?

ケアマネのやりがいは、派手な広告の中にはありません。

ご利用者の笑顔、ご家族の安堵(あんど)、そして心にしみ入る「生きててよかった」の声…。それらを丁寧に伝えることこそが、人々の心に届く、本当の「魅力発信」ではないでしょうか。

終わりに一句。

ありがとう その一言で 明日も歩む

ノン老いるに会いたくなったら、ぜひ、東京・浅草の東洋館にお越しください。気軽に声をかけてくださいね!

ノン老いる小林
1964年静岡市生まれ。大学卒業後、高校の英語教師として働いていたが、40歳という人生の節目を間近に控えた38歳の時、介護保険制度の創設を好機と捉えて転職。その後、介護施設を中心に経営支援などを行う。2013年にケアマネジャー、19年に主任ケアマネジャー取得。現在、静岡市内で居宅介護支援事業所「ケアプランはるな」を運営する株式会社はるな代表取締役。介護技能実習評価試験評価者のほか、セーフティマネジメントなど介護研修の講師も務めている。東京演芸協会理事。出演情報は同協会のホームページ

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