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ケアマネの“おむつ介護体験記”
ケアマネジャーはヘルパー出身者が多く、排泄介助の経験が豊富な方も珍しくありません。でも、それが自分の家族となると話は別です。家族介護の経験は、その後の仕事にどう生きているのでしょうか。父親の介護に携わった男性ケアマネジャーにお話を伺いました。
【プロフィール】
吉田耕一郎(よしだ・こういちろう)さん
老健で約10年間相談員の仕事に従事した後、介護支援専門員の資格を取得。その後、特養や居宅介護支援事業所などで経験を積んだ、ケアマネ歴18年のベテラン。
父親の介護で、おむつ交換の大変さを痛感
父の介護をしたのは2年前のことです。その前から、父は脳出血を発症していましたが、肺がんで病院に入院し、そのままほぼ寝たきりの状態に。退院時は要介護4でした。
父は当時、母と二人暮らし。高齢の母一人に父を任せることはできず、私と姉が交代で週2回ずつ、泊まりで父の介護をすることになったのですが…それからが大変でした。
私は、老健の相談員からケアマネジャーになったので、それまで介護用おむつとの接点はほとんどありませんでした。やってみると難しくて、テープの止め方やパッドの位置など、とにかく付けるのに苦労しました。ベッドに横たわる父のおむつを交換する際も、うまく取り外せず、無理やり引っ張っていたほどです。
やはり同じ男なので、とにかく父の下の世話をするのが嫌だったんです。特に夜間の尿の量が多くて困りました。もっと吸水性が高いおむつだったら、交換の回数も減ったかもしれませんが、別のおむつに変えようとは考えませんでした。ずっと、自分のパッドの当て方が悪いと思っていたので、「おむつが駄目だから変えよう」という発想にはならなかったのです。
退院時、病院の看護師から指導も受けていたのですが、あまり理解できていなかったようです。なんとなく自己流でやっているうちに、父を看取った感じでしょうか。ヘルパーに聞いたり、看護師から再度指導を受けたりする機会があれば良かったかもしれませんね。
父の介護を通して、おむつ交換の大変さは身に染みて感じました。この経験をしてから、より介護者の身になって、排泄介助などの相談に応じることができるようになったのかなと思います。
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