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ケアタウン総合研究所・高室代表の現場のためのマネジメント講座 ケアタウン総合研究所・高室代表の現場のためのマネジメント講座

VOL.1ケアマネにこそ不可欠、働き方改革

2019/04/24 配信

ケアマネになるということは「転職する」ということ!

ならば、ケアマネが業務のマネジメントスキルを体得するには、どのような工夫と取り組みが必要なのか―。

具体的な取り組みを考える前に、必要な心構えについて触れたいと思います。ケアマネになった段階で、基礎資格とは全く違う仕事に「転職」したという意識を持ち、新たに仕事の仕方を学んでほしいということです。

既に述べた通り、基礎資格である介護福祉士や看護師は、いずれも指示を受けて「直接援助」する業務です。ところがケアマネは違います。自分で考え判断し、他の専門職や事業所、地域資源と連携し、利用者(家族)を支援する「間接援助」が主な仕事です。

つまり、仕事の内容が全く違うのです。その点に気付かず、「直接援助」の意識のまま「間接援助」に取り組もうとするケアマネさんは、利用者(家族)との相談援助は好きでもケアチームのマネジメントはいつまでも行き当たりばったりで、忙しさはまったく変わらないという状況が続くことになります。

もう一つ、ぜひ意識してほしい心構えがあります。常に、業務の目的と意味を考え続けるということです。「なぜ、何のために、この仕事をするのか」を考え、どのように改善すればよいかをつねに意識してほしいのです。つまり効率化に向けた「手立ての改善」を心掛けることです。

勘違いしてほしくないのは、効率化とは「手を抜く」ということではありません。ムダやムリ、洩れを少なくして効率的に時間を使いこなすことです。それこそが、よりよい業務のマネジメントを実現するための第一歩です。

“1人親方”の意識を払しょくし、定期的な会議で話し合いの場をつくる

業務の効率化に向けた改善、というと、なんだかすごいことをやるように思えるかもしれませんが、小さな工夫でもいいんです。例えば、「ホワイトボードに外出先や帰社時間を書き込む、読んでほしい書類を貼っておく、すぐに情報共有したいことをメモ書きする」。これだって立派な業務改善です。

そして、業務を効率化する上でどうしても必要な取り組みが、話し合いの場をもうけること。つまり「会議」をすることです。居宅介護支援事業所の場合、3~5人のケアマネが所属しているのに、会議をしていない事業所が結構あったため、特定事業所加算の条件に「週1回以上の定例の会議」の実施が盛り込まれました。厚労省としても、まずそこから始めよう、となったのだと思います。

では会議が開かれにくいのはなぜか?まずは会議への苦手意識があります。それと多くのケアマネが「私の仕事は私が責任を持つ」という、“一人親方”の意識が強いためでしょう。お互いの業務には立ち入らない、という妙な「職人気質」は、実はかなり問題と考えます。

もちろん責任感が強いのは悪いことではありません。しかし、だからといって同じ事業所のメンバーなのに、お互いの仕事にはまったく関与せず、情報共有もしないというのは、やはり問題です。なぜなら利用者は居宅介護支援事業所と「契約」しているのであり、ケアマネジャー個人と契約しているわけではありません。ケアプランだって事業所の提案プランですから、会議で共有していないこと自体が問題なのです。そして仮に重大なミスや誤ったマネジメントが起こっていても、いつまでも表面化しないということも懸念されます。

そもそも担当ケアマネが入院したら、だれが変わりに担当をするのでしょうか?

同じ事業所に所属するケアマネ同士であれば、それぞれの利用者の状況やケアプランの内容は共有しておくことがとても重要です。新規のケースはもちろんのこと、更新ケースのケアプランは必ず目を通すことを基本とすべきです。そのためにも週1回の定例会議は有効ですし、原則とすべきです。

では、より有意義な話し合いをするためにはどうすべきか?一人ひとりのケアマネがマネジメントについて意識を持つ習慣づくりが必要でしょう。そのための現実的な方法としては、ケアマネ向けに書かれた業務のマネジメントに関する本やビジネス書などをまずは手に取って読んでみることでしょう。さらには、そうしたテーマの研修会に行く、インターネットでマネジメントにかかわるサイトを閲覧するのも有効ですね。

高室成幸(たかむろ・しげゆき)

高室成幸(たかむろ・しげゆき)
ケアタウン総合研究所代表。日本福祉大社会福祉学部卒。「地域包括ケアシステム構築と新しい福祉の人材育成」を掲げ、介護支援専門員、主任介護支援専門員、地域包括支援センター職員、施設の管理職、民生児童委員らを対象とした研修会で講師を務める。「わかりやすく、元気が湧いてくる講師」として知られる。
研修のテーマはケアマネジメント、介護予防ケアマネジメント、地域ケア会議、ケアプラン点検、ケアプラン作成にはじまり、メンタルマネジメント、施設マネジメントまで幅広い。著書に「新・ケアマネジメントの仕事術」 (中央法規刊)、「ケアマネ育成指導者用講義テキスト」(日総研刊)、「地域ケア会議コーディネートブック」(第一法規刊)、「本人を動機づける介護予防プラン作成ガイド」(日総研刊)、「ケアマネジャーの質問力」(中央法規刊)など著書多数。
公式サイト:ケアタウン総合研究所

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