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要介護認定の判定結果に不服がある場合の対応に関する調査結果

9割のケアマネ、判定結果に納得できない経験「あり」

介護サービスがどれだけ必要かを表す要介護認定。その判定は、コンピュータによる一次判定と、調査員による認定調査、主治医意見書に基づき、介護認定審査会で最終的な判定が下されます。
しかし、時には判定基準が不明瞭だったり、本人の状態が適切に反映されていなかったりして、思いがけない判定結果が出ることもあるようです。
そのような思いがけない判定結果を受け取った場合、ケアマネジャーはどのような対応をしているのでしょうか。
ケアマネジメント・オンラインでは、2016年1月12日~1月15日、会員ケアマネを対象に調査を実施。要介護認定の新規・更新申請や区分変更の申請を代行できる立場にある691名から有効回答を得ました。

回答者の8割は「居宅介護支援事業所」勤務のケアマネ

回答したケアマネの8割は、「居宅介護支援事業所」に勤務していました。

9割のケアマネ、判定結果に納得できない経験「ある」

保険者が判定した要介護認定について、617名(89.3%)のケアマネが、納得できないと感じることが「ある」(よくある+ときどきある+たまにある)と回答しました。頻度の差はありますが、ほとんどのケアマネが判定に納得できない思いをした経験があることがわかりました。

判定結果に「納得できない」と感じるのはこんなケース

「納得できない」と感じるケースについて、具体的に聞いたところ、以下のようなケースが寄せられました。(一部抜粋)

  • 独居の方の介護度が軽く、家族が同居で訴えが多い方だと介護度が重くなる。独居の方の調査時に立会うも、ケアマネの訴えていることは反映されないことが多い。
  • 日常生活動作が自立、長谷川式の点数が25点でも、在宅が難しいから、家族が介護しないからという理由で支援ではなく要介護で認定される。
  • 認知症の周辺症状が反映されておらず、ADL判定で軽度判定が出ることがある。
  • 以前と状態は変わらないのに介護度が軽くなったり重くなったりしている。
  • まったく認知症がないのに主治医意見書に重度の認知症があると記載され、介護度が重くなった。
  • 末期がんの申請をするが、審査会までの期間に状態が大きく変化してしまう。審査会前は再調査を依頼することもあるが、そこからまた時間がかかるため、適したサービスが遅れてしまう。
  • 寝たきりで意思の疎通も困難、全てにおいて介助が必要な利用者が要介護4であった。同じ利用者の更新申請を1年後にかけたのだが、明らかに身体的にも向上して、多少の意思表示を表すようになったのだが結果は要介護5であった。包括支援センターの方に伺うと判定委員のメンバーによって変わるとのことであった。
  • 主治医意見書が、前年のものを提出されており、状況が現状と大きな乖離があった。認定調査でその乖離を聞き取り、記載されていたが、医師の意見が正確であると判断され、大幅に軽く認定結果が出た。
  • お元気な方で、ご家族の思い通りの結果が出なかったときの再申請で、「家族の意向による再申請」と備考に記入するよう言われ、その通り提出したら家族希望の介護判定となった。<
  • 入院中の認定調査。歩行はピックアップ使用で要見守り。排泄はピックアップ歩行では間に合わないことがほとんどで、車いすで介助され移動。紙パンツ使用し、下着・ズボンの上げ下げも一部介助が必要。自宅に帰ってからは夜間の排泄用にポータブルトイレが必要と、入院先のリハビリ担当から言われていました。結果は要介護1。認定調査票を見たところ、歩行自立・排泄自立。何を見ての調査なのかと思いました。

納得できない判定には、7割が「区分変更を申請」

判定に納得できない場合、どのような対応をとるか聞いたところ、最も多かったのは「区分変更を申請する」(438名、71.0%)で、「ご本人やご家族の判断に任せる」(307名、49.8%)を大きく上回ることがわかりました。
出た判定をそのまま受け入れるのではなく、納得できない場合には再び申請を行い、よりご利用者の状態に即した判定を受けようとしていることがうかがわれます。

妥当な判定でも、本人や家族が不満を訴えるケース、7割が「ある」

一方で、判定結果について、ケアマネは納得していても、本人や家族が納得せず、不満を訴えてくるといったケースもあるようです。回答したケアマネのうち、506名(73.3%)はそのようなケースを経験したことが「ある」(よくある+ときどきある+たまにある)と答えました。

妥当な判定でも、2人に1人は「区分変更を申請」

判定が妥当でも、本人や家族が納得していない場合、ケアマネはどのような対応をとるのでしょうか。前問で「ある」と答えたケアマネにたずねたところ、最も多かった回答は「判定の妥当性を説明する」(340名、67.2%)で、次に多かったのは「区分変更を申請する」(238名、47.0%)でした。
ケアマネ自身は判定に納得していても、本人や家族が納得していない場合には、およそ2人に1人のケアマネが区分変更の申請を行っていることがわかりました。

介護認定審査会のあり方について、ケアマネの自由意見

介護認定審査会のあり方について、自由意見を寄せてもらったところ、次のような意見が聞かれました。

  • 審査会によっても差異がある。特記事項に落ちている内容をしっかりと反映してくれる審査会だとありがたいが、特記に目を向けてくれない審査会もある。
  • 本人を交えての聞き取り調査後は必ず家族やケアマネとの聞き取り調査も実行してほしい。
  • 審査会に出席している医師から、ひどい時は一人あたり30秒程度で審査を終える場合があると聞いた。そんな審査会なら、あっても意味がない。
  • きちんと申請を早く出しているのに審査会が遅れがちであるため、判定結果が更新月を越えてしまうことが度々ある。サービス計画書等の作成に困る。
  • 要支援と要介護1、2の認定が曖昧で、認知機能の低下の場合は介護になりやすいが、身体機能的に介助が必要な方に対してかなり厳しくなっている。介助を受けられない、一人暮らしの方などがかなり大変になっていると感じている。
  • 殆どの方が複数の病院を受診されており、主治医1か所のみの意見書では不十分だと思います。複数の病院から意見書を出して頂ければ良いと思います。


実際に審査会に参加されている方の意見もありました。今後の参考にしてみては。
  • 実際、審査会に参加しているが、全体的に一次判定を優先する審査になっているわりには、要支援2と要介護1の区分けを認知症の記載の有無と不安定要素の有無で判断する事に疑問を感じている。
  • 認定調査員としても業務を行う一方、介護認定審査会委員としても活動を行っています。状態像を見ながらも一次判定の結果や審査方法にも左右される為、自身の気持ちと結果を出す際のもどかしさあり。十分な聞き取りにて特記事項に介護の手間を上手く記載する事で改善を図る事もできるのではないでしょうか。審査会でも前回の結果も視野に入れながら判定しますが、上げる必要性を全体的に感じても特記事項を十分記載なくサラッと記入されているだけでは根拠もなく上げる事は不可能です。審査会は勿論のこと調査特記事項の記入方法も見直す必要があると思われます。
  • 認定審査会委員にも従事したが、厚生労働省は「一次判定を変更できない」としたくて仕方がないとしか感じられない。認定調査からは本来はもっと介護の手間がかかっているのではないかと推測することができても、審査マニュアル上「変更の根拠は特記事項または主治医意見書の記載項目に基づく」となっているので、そこに記載がないと何もできない。認定調査というものがそんなに優れているものだとは思えないので、もっと柔軟に取り扱えるようにしていかないといけない。また、巷では認定審査会が状況を読めないというような言われ方をしているが、審査会委員は、大多数が調査結果を査読して審査に臨んでいる。審査会の問題ではなく、審査会に対するルールの問題でしかない。
  • 書類だけでの判定であり一応公平性はあるものの調査員の観察力や記載の仕方で印象が大きく変わるのも事実。自分は認定審査員でもあるために特に感じられるのが意見書と調査員の特記事項の相違があまりにありすぎて主治医意見書は参考にならないことが多い。
  • 審査会に出席していたこともありますが、全国統一基準とは言えないと思います。審査会ごとでも医師の先生によって左右されることはままありました。ただ医師であるというだけで、審査会の包交が左右されるのはいかがなものかと思います。逆に福祉職の方が感情的になりすぎるきらいもありました。
  • 現在、認定審査会に参加していますが、匿名性も確保されており問題ないと思っています。ケアマネが認定の仕組みの詳細を理解していないことで、希望する認定結果が出ないことで区分変更申請を行うことが増えているように思います。前回より悪くなったから認定も上がるはずとの思い込みや、サービスをたくさん利用しないといけないのでこれくらいの認定がほしいとの希望がかなわないと審査会のせいにしているケアマネがいるように感じます。

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