<宅幼老所>高齢者や障害者、子どもを地域で支える「宅幼老所」の取り組みを公開――厚労省


2013/02/05 09:00 配信   | 行政ニュース

厚生労働省は、1月18日、高齢者や障害者、子どもを対象とした地域共生型サービス「宅幼老所」の取り組みをまとめ、公開した。

小規模で家庭的な雰囲気の中、高齢者、障害者や子どもなどに対し、一人ひとりの生活リズムに合わせて柔軟なサービスを行うのが「宅幼老所」。今回はその事例集をまとめたほか、各自治体のおもな国庫補助などについても記載している。 

厚労省保育課・幼保連携推進室の別の資料では、宅幼老所をはじめとする共生型サービスは、「地域包括ケアシステムの構築に資する取組の一例として、民家などを活用した小規模で家庭的な雰囲気の中で、高齢者や障害者、児童に一人ひとりの生活リズムに合わせて柔軟なサービスを提供する」と定義。
現行制度で、宅幼老所を指定通所介護事業所などで運営する場合、「介護保険給付に加え、所定の要件を満たせば障害者自立支援法の自立支援給付(基準該当生活介護など)や乳幼児の一時預かりに対する運営費の補助をそれぞれの制度から受けることも可能」と説明し、各都道府県に、これらの取り組みや各種支援制度の活用の周知と、地域の実情に応じた取り組みの普及促進を推奨している。

高齢者にとって子どもと触れ合うことは、自分の役割を見つけたり意欲が高まるなど、日常生活の改善が期待できるという。地域包括ケアを実現する取り組みのひとつとして、注目したい。

■宅幼老所(地域共生型サービス)の定義
小規模で家庭的な雰囲気の中、高齢者、障害者や子どもなどに対して、一人ひとりの生活リズムに合わせて柔軟なサービスを行う取り組み。通い(デイサービス)のみから、泊まり(ショートステイ)や訪問(ホームヘルプ)、住まい(グループホーム)などの提供も行い、サービス形態は地域のニーズに応じてさまざまに設定。

■宅幼老所の理念
誰もが地域でともに暮らす(共生)を重視し、選択の自由を尊重。

■事業の形態
小 規 模:例えば、利用定員10~20人程度
多 機 能:高齢者、障害者(児)、子どもなどを対象
地域密着:NPOなど多様な主体による参画(住民にとって身近な主体の参入)

■宅幼老所(地域共生型サービス)の効用
◎高齢者にとって
子どもと触れ合うことで、自分の役割を見つけ、意欲が高まる。それによって日常生活の改善や会話を促進
する。

[具体的な効果事例]
・味噌汁をふたつきのおわんで出したとき、認知症のお年寄りは自分のふたは取れなくても、人の役に立とうすることで隣の子どものふたなら取ることができた。
・乳幼児が机の角にぶつからないように、お年寄りが手で角を覆うしぐさをする。このようにお年寄りが生活のなかで頭を働かせたり、体を動かしたりすることが本当のリハビリになる。

◎児童にとって
お年寄りや障害者など他人への思いやりや優しさを身につける成育面の効果がある。

◎地域にとって
地域住民が持ちかけてくるさまざまな相談に応じるなど、地域の福祉拠点としての効果がある。

【宅幼老所(地域共生型サービス)の活用イメージ】
◎介護保険法(介護報酬)
・通所介護(デイサービス)
要介護状態となった高齢者が、可能な限りその居宅において日常生活を営めるよう、日常生活上の世話と機能訓練を提供する事業
・小規模多機能型居宅介護
要介護状態となった高齢者に、家庭的な環境と地域住民との交流の中で、通い・宿泊・訪問サービスを組み合わせ、日常生活上の世話と機能訓練を提供する事業
※障害者自立支援法(自立支援給付など)も対象

◎児童福祉法(事業費補助金など)
・一時預かり(地域密着Ⅱ型)
保護者の通院や社会参加活動、又は育児に伴う心理的・身体的負担の軽減のため、就学前児童を一時的に預かる事業
・保育所の分園
認可保育所の設置が困難な地域において中心保育所と一体的な運営を行う施設(定員は原則30人未満)
・家庭的保育事業
保育士又は研修により市町村が認めた家庭的保育者(保育ママ)が、自身の居宅等において少数の乳幼児を保育する事業
・地域型保育・子育て支援モデル事業
地方版子ども・子育て会議の設置及び小規模保育や地域子育て支援事業のほか放課後児童クラブ等を組み合わせた多機能な保育を実施する事業

これらを組み合わせ、地域住民の交流の場・さまざまな相談に応じる場として機能させる。

■紹介事例
◎行徳ケアハウス翔裕園・行徳デイサービス翔裕園・すえひろ保育園(千葉県市川市)
・事業内容
高齢者:軽費老人ホーム(ケアハウス)、通所介護
子ども・乳幼児:認可保育所、一時預かり

・開設の経緯
行徳ケアハウス翔裕園・行徳デイサービス翔裕園:地域の多世代に渡るふれあい・交流事業の推進。中学生と高齢者、幼児がともに活動する場の特性を活かし、運営面の創意工夫を通じて地域住民も参加する多様な交流をしている。
すえひろ保育園:市川市立第七中学校校舎立替とともに地域に足りない保育所と老人施設を、「ふれあい・交流」をテーマとして併設することになった。

・交流の概要:週に1回、保育園児と高齢者合同で朝の体操を行う。屋上農園の合同作業、保育園児のお遊戯の披露やランチを一緒に食べることも。

その他、ボーナビール二本松・二本松保育園(神奈川県相模原市)、デイケアハウスにぎやか(富山県富山市)、ふじ保育園・丹南デイサービスセンター(福井県鯖江市)など全12施設を紹介。

◎宅幼老所の取組
◎厚生労働省

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