<社保審レポ(2)>各委員から意見―8,000円と予測される保険料負担はどうなる?


2013/01/25 15:00 配信   | 行政ニュース

厚生労働省は、1月21日、第42回社会保障審議会介護保険部会を開催した。2011年11月以来、1年2カ月ぶりの再開となり、この間の介護保険の動向や課題を踏まえ、各委員が意見・質問を述べた。

山本敏幸委員(民間介護事業推進委員会代表理事)は「サービスを提供する側として地域包括ケアを推進していきたいが、経営的に手を出しにくい。地域密着サービスの実現のために報酬改定など財政的な支援もお願いしたい」と述べ、「職員がせめてマイカーローンを組めるくらいの報酬にしたい」と処遇改善にも触れた。

河原四良委員(UAゼンセン日本介護クラフトユニオン顧問・政策主幹)は、「労働組合として介護現場の声を大切にしながら介護保険の充実、働く環境を整えていきたい」と決意を述べ、「働く人たちは介護職員だけではない。事務職、福祉用具貸与職、ケアマネと介護の現場では様々な人がチームで動いているので、介護従事者全体で考えてほしい」と注文した。

マンパワーの増強については、田中雅子氏(日本介護福祉会名誉会長)が「量的な問題が強調されているが、キャリアパスの構築など質の高い介護職員への評価も大切」と述べたほか、齋藤訓子委員(日本看護協会常任理事)が、「重度の要介護者の増加が予測される中、介護職員と同様に看護師の確保が必要だが、どのように実現するのか。訪問看護師は医療の方でも老健局でも見ていないので、谷間に落ちてしまうのではと危惧している」と述べた。

高杉敬久委員(日本医師会常任理事)は斎藤委員の意見を受け、「要介護度が上がれば医療度も上り、地域で在宅医療も看取りもしないといけない。訪問看護ステーションは絶対数が必要。在宅医療支援は医政局マターだが、医療と介護が連携するためにあわせて議論してほしい」と注文した。

伊藤彰久委員(日本労働組合総連合会生活福祉局長)も「人材の確保について何人もが問題意識を口にし、ほっとしている。どうやって人材を確保するのか現実に目をそむけず、介護の職員が能力をきちんと評価され、まともな暮らしができる処遇にしてほしい。介護職員があと100万人は必要と言っている以上、施策をロードマップで示す必要がある」

給付と負担についての意見も多く出た。

結城康博委員(淑徳大学総合福祉学部准教授)は、「給付と負担は今回の介護保険部会で大きな議論になるだろうが、今後高齢者が段階的に可処分所得が目減りすることを踏まえて議論すべき。介護サービスが充実することは、間接的に現役世代にもメリットあるということも考えるべきだ」と述べた。

土居丈朗委員(慶応義塾大学経済学部教授)は「2025年に介護保険料が月額8,000円台という予測があるように、保険料の上昇に国民がどう対応するか。保険料水準をにらみながら議論すべき。個人的には公費負担は増やすべきではないと思う。給付の重点化・効率化の議論は避けられない」と述べ、高齢者もさまざまで、所得が低くても資産をもつ人もいる。資産を勘案する道筋をつけるよう議論していくべきで、「そのためにはマイナンバーの成立が有効だ」と語った。

また、議論の進め方について、桝田和平委員(全国老人福祉施設協議会介護保険事業経営委員会委員長)が「これから議論が始まるわけだが、それぞれが意見を言う中で財政的な部分を無視した意見もあり、両論併記になりがち。これからの議論は、社会保障制度改革推進法2条、介護保険法第7条に焦点を当てた議論をすべき。そうしないと、負担の問題を考えたとき、国の財政は消費税が10%になってももたない。その前提で議論するのか、ある程度自由にするのかそのルールづくりをしてほしい」と述べた。

社会保障制度改革国民会議との関連を問う質問も複数の委員から出され、木村隆次委員(日本介護支援専門員協会会長)は、「国民会議で議論された細かいことが介護部会で議論されるのか、つまり国民会議の宿題をここで議論するのか。単独で課題を議論するのか知りたい」。
事務方より「国民会議自身がどこまで細かく議論するかは明確ではなく、平行しながら議論していくということ。国民会議は8月21日までなので、それまでは、そこでの議論を見ながら介護部会での審議になるのでは」との回答があった。

◎厚生労働省

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【ケアマネジメントオンライン編集部 土倉】

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