<新サービスの普及>ケアマネの周知・理解を得るのがカギ――セミナールポ(2)


2013/02/07 11:00 配信   | 業界ニュース

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社は、1月21日、シンポジウム「実践から見えてきた定期巡回・随時対応サービスの姿-地域包括ケアにおける中核的サービスとしての可能性」を東京で開催した。

シンポジウム第二部では、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の主任研究員である岩名礼介氏が、定期訪問・随時対応サービスに参入している事業者と未参入の事業者(指定訪問介護事業者、夜間訪問介護事業者)を対象に行なったアンケート結果を元に、サービスについて詳細に説明した。

「地域包括ケアの中核サービスとして期待されている定期巡回・随時対応サービスですが、参入のハードルが高いという意見も少なくなく、サービスの性質が十分に伝わっていないようです。そこで、アンケートでは、参入事業者・未参入事業者それぞれのサービスのイメージを明らかにすることを主眼に置き、さらには参入障壁についての質問も行ないました」と岩名氏。

アンケートは、参入事業所を「地域提供型」「集合住宅型」の2つに分けて集計。法令に基づく区分ではないが、サ高住などに事業所を設けてサービスを提供しているケースでは特徴に多少の違いがあるため、「集合住宅型」としたという。回答があった参入事業者39のうち、集合住宅型は7事業者だった。

まず、定期巡回・随時対応サービスの実態についてのアンケート結果の説明があった。そのなかから、特にサービスについて理解を深める助けになると思われるものを紹介する。

■利用者の半数が要介護1・2で単身世帯が目立つ
「このサービスは重度の利用者が多いという印象があるが、実際には地域提供型では利用者の5割が要介護1・2。住宅型も6割が要介護1・2です」。利用者の世帯類型では、地域提供型の43%が単身世帯で、集合住宅型は大半が単身世帯だった。
「では、単身世帯向きのサービスなのかというと必ずしもそうではなく、同居家族の介護に限界を感じていた人がサービスを利用し、『これなら在宅でやっていける』という感想も。ですから、初動の段階で単身者の利用が多いということです」と現時点でのデータであることが強調された。

■定期巡回と随時対応は補完関係にある
随時対応は「常にコールが鳴ってその都度呼び出され、大変なのでは」という見方がある。そこで、利用者1人あたり1カ月に何回コールがあったかを訊ねたところ、地域提供型で6.9回、実際に訪問したのは1.7回だった。
「随時対応は必ず訪問するということではなく、電話で話したら利用者さんが落ち着いた、服薬の指示をして終わりというケースも多い。このサービスの良さは、特定の時間にコールが多くなれば、定期の訪問をその時間帯に合わせることで、随時対応が発生しないようにすることができること。定期巡回と随時対応は補完関係にあると考えてください」

■ヘルパーの変更や訪問時間に抵抗を覚える人も
参入事業者に、利用者を定期巡回・随時対応サービスに誘い、利用に至らなかった理由について質問したところ、最も多かったのが「既存サービスから切り替えが難しかった」で半数以上を占めた。「ヒアリングでは従前のサービスに慣れていると随時がわずらわしい、事業所やヘルパーが変わるのがイヤという意見がありました」。また、訪問時間は数分から1時間まで幅があり、従来の訪問サービスが1時間近くなのと単純比較して抵抗感を持つ人もいるが、「利用者さんやサービスをつなぐケアマネの理解が進めば、抵抗感も減ると期待しています」。

■サービスの利用でADLが改善
サービスの利用の効果については、「これから事例を積み上げていくので、今の段階のもの」とことわりながら、以下の例が示された。
・ADLの改善があったという回答が複数。また、落ち着いた、安心したなどメンタル面でいい効果があったという声もあった。
・1日複数回訪問することで排泄ケアがきちんとできる。その都度トイレに誘導することが可能になり、自分で歩くことで筋力を取り戻すことにつながった。

次いで、参入事業者と未参入事業者それぞれがもつサービスのイメージについて説明がなされた。その一部を紹介する。

■夜間・深夜の対応に認識の差
参入事業者と未参入の事業者で、もっとも認識に違いがあったのが、夜間・深夜の対応で、未参入の事業者の70%が「夜間・深夜の対応が中心」だと思っているのに対し、参入事業者は95%がそう思わないと回答。「大半が日中の対応で、モデル事業でも夜10時から朝5時までの訪問は少ないことが明らかになっています。このサービスの実態がきちんと伝わっていないことの何よりの証拠です」。

■軽度の利用者は、水分補給や服薬管理に活用
未参入の事業者の70%が「軽度の利用者には不向き」と回答しているが、参入事業者の75%が「とくに不向きではない」と回答。実態調査でも要介護1・2の利用者が半分以上であることが明らかになっており、軽度の利用者は単身の人が多いが、水分補給や服薬管理などで活用し、「介護度を悪化させない効果があると言えます」。

このように、未参入・参入によってイメージに大きな違いがあり、「未参入事業者が持つイメージは実態とはかなり異なっていることが参入障壁につながっている」。

■参入事業者の8割以上が「ケマネの理解が課題」と回答
参入障壁についての質問では、未参入事業者は随時対応を行う職員の整備や、夜間・深夜の訪問体制の整備を参入障壁と考えている割合が高いことが明らかに。一方、参入事業者ではこれらを参入障壁としている割合は高くない。

参入・未参入ともに意見が一致したのが、看護師、連携する看護事業所の確保で、包括報酬を理解してもらうがむずかしいうという声が。「包括報酬の周知が課題ですが、参入を促進する中で政策的な対応も必要かもしれません」。

また、日々の運営での訪問看護事業所との連携は、「実際にやってみるとそれほど大変ではなかった」と答える参入事業者が多いのに対し、ケアマネの周知や理解は「やってみたら課題となった」との回答が8割以上を占め、参入の障壁になりうることが明らかになった。
「これはいろいろな側面があり、既存サービスとの切り替えも関係していると思います。あくまでもプランを立てるメインはケアマネで、ケアマネの理解がなければこのサービスは広まっていかない。今後もサービスについて理解を求め、利用を増やしていきたい」と岩名氏は語った。

――セミナールポ(3)へ続く

◎三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社

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【ケアマネジメントオンライン編集部 土倉】

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