<第3回公開ケア会議レポ>担当ケアマネのプレゼンでようやく会議が機能


2013/03/07 09:00 配信   | 行政ニュース

2月22日(金)、東京・八重洲で第3回「公開ケア会議」が開催された。今回、会議参加者は前回よりさらに1人減り、司会の東内京一氏(和光市保健福祉部長)を含め、緒方有為子氏(株式会社北九州福祉サービス統括部長)、水村美穂子氏(青梅市地域包括支援センターすえひろセンター長)などの主任ケアマネや村井千香氏(日本作業療法士協会)、管理栄養士で主任ケアマネの青木文恵氏(株式会社日本生化学研究所取締役副社長)ら7名。

オブザーバーとしての参加は、北村三千代氏(株式会社シルバーホクソン)、福田弘子氏(日本介護支援専門員協会生涯学習委員会委員長)、吉島豊録氏(梅光学院大学子ども学部准教授)の3名だった。

会議の進行上、前回と大きく異なったのは、2つの事例のプレゼン者が実際にその利用者を担当しているケアマネジャーとサービス担当者であったこと。サービス担当者会議のメンバーがそのまま参加した格好である。これまでのように、主任ケアマネの委員がヒヤリングしてきた事例の内容を発表するやり方に比べ、利用者の実態がストレートに伝わったと言える。

■会議がスムーズに進行した要因は
今回も、事例検討用の資料は会議終了後回収された。事例の内容をまとめた「事例サマリーシート」のほか、事例検討用資料の内容は以下の通り(⑤⑥については、事例1のみ)。
1)課題整理表(案)
2)ケアプラン
3)アセスメント(生活支援度調査票<フェイスシート>、生活機能評価)
4)主治医意見書
5)定期巡回・随時対応型訪問介護看護計画書
6)通所介護計画書

全体として、今回の会議はこれまでに比べてスムーズに流れていたという印象。その要因としては、一つには事例担当者が直接プレゼンし、質問に対して明確に応えていたこと、また、じっくり時間をかけて参加者全員で事例の内容を把握したこと、もう一つには東内氏が進行方法を微修正したこと、参加者がケア会議のやり方に慣れてきたこと、そして、提出されたケアプランがよく考えられたプランだったことが挙げられる。

■20分かけて担当者からじっくりヒヤリング
1事例目はサービス付き高齢者住宅に居住する利用者。担当ケアマネジャーがプレゼンし、定期巡回・随時対応型訪問介護看護(以下、定期巡回)の担当者(管理者か計画作成担当者かは不明)と看護師、居宅療養管理指導の薬剤師、通所介護(以下、デイ)の理学療法士が同席した。2事例目は特別養護老人ホーム入所者。ケアマネジャーでもある施設長がプレゼンし、主任介護士が同席した。

会議の進行を、1事例目を例にとって紹介すると、まず事例の要点を担当ケアマネがプレゼン。その後、司会の東内氏が、「課題整理表から、ADL、IADLの現在の状況、そこから目標と連動した予後予測について説明してほしい」と促した。特に、予後予測については全項目の説明を求め、東内氏が考えるケア会議ではこの部分を重視していることがわかる。

プレゼンのあと、東内氏が「…といったことによって、○○(例:尿意)については…という状況になっている」というような言い方で、事例の要点を再整理し、予後予測が「維持」とされていることを紹介。維持していくためのサービスについて、「週間サービス計画表」をもとに、定期巡回のサービス内容について担当ケアマネに説明を促した。この説明は、朝は…をする、水分補給は○○ccなど、かなり具体的で詳細。

このあと東内氏は、ケアマネに対して、「居宅サービス計画書」をもとに短期目標を達成するためのサービス内容についての説明を求め、さらに、デイの担当者や薬剤師にもそれぞれの立場でとらえている現状と課題について説明を促した。ここまでにかけた時間は約20分。東内氏によれば、「今回は直接の担当者が来ているので、わざと長く説明を聞いた」とのことだった。

ここで東内氏は、課題整理表を受けて、居宅サービス計画書に課題として書かれている内容を改めて明示。「課題の設定」、「課題に対する短期目標の設定」、「目標達成するためのサービス」について、参加している委員に意見を求めた。

■スムーズな会議進行は練られたプランのおかげ?
過去2回の公開ケア会議では、東内氏はこの3つについて順番に意見を求めていた。そして、委員から出された意見に対し、「今は課題について。サービスのことはあと」など、しばしばストップをかけていた。しかし今回はまとめて意見を求めたことによって、会議はストップすることなくスムーズに流れた。

また、特に2事例目においては、ケアマネからのプレゼンを受けて、最初に東内氏がまとめて質問を展開。利用者の状況についての疑問点をできるだけ解消したところから、検討をスタートさせてことも会議進行がスムーズになった要因と言える。

加えて、やはりケアプランの出来に負うところも大きかったのではないか。課題の把握→目標の設定→目標を達成するためのサービスという流れがスムーズでないと、担当ケアマネの思考過程が見えにくい。そのため、なぜそれを課題にしたのか、なぜその課題からこの短期目標を設定したのか、なぜ目標達成のためのサービス内容がこれなのかと、あれこれ疑問が湧き、会議参加者は次々と質問しなくてはならなくなる。

今回の事例は参加者からも、「段階的によく考えられたプラン」、「チームケアがよくできている」など、高く評価されていた。プレゼン者は、おそらく優秀なベテランケアマネであり、しかも、こうした会議にも慣れていたのではないか。よく練られたケアプランであったことから、参加者から出された意見も、これまでとは違って的確なものが多かった。たとえば、とらえた課題から導き出せるより高い目標や、福祉用具の活用による生活機能向上の方法、機能の向上の先にある生活をイメージしてケアする視点など、ケアプラン、あるいはケアそのものをより発展させていくような内容だった。

3回目にしてようやく、公開ケア会議とはこういうものか、とイメージできる会議が見られた。しかしそれは、会議を的確にコーディネイトできる東内氏のような司会者、会議で何に注目し、何を質問し、何を指摘すべきかを心得ている参加者、そして、十分に練られたケアプランのプレゼンがあってこそ、ではないだろうか。

最後に、事務局を務める日本総合研究所から、今年度の公開ケア会議はこれで終了、とのアナウンスがあった。この3回の会議をもとに、ケアマネジメント向上会議でケアマネジメントの改善方策や、多職種協働による事例に基づいた評価・検証について検討されるはずだが、今回、ケアマネジメント向上会議の開催についてのアナウンスはなかった。今後どのように、ケアマネジメントのあり方についての検討が進められていくのか注目したい。

■関連記事
・<第1回公開ケア会議レポ1>目論見と違った? 多職種によるケアマネジメント向上会議
・<第2回公開ケア会議レポ>参加者の人数を減らしても深まらない議論


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【ケアマネジメントオンライン編集部 宮下】

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