【厚労省通知】保険料賦課額の減額等に係る取扱いについて(介護保険料減額更正請求事件)


2013/06/18 16:00 配信   | 行政ニュース

厚生労働省は6月14日、各都道府県介護保険主管部宛てに「保険料賦課額の減額等に係る取扱いについて」通知を行った(老介発0614第2号)。

介護保険料の賦課権に係る期間制限の取扱いについては、介護保険法(平成9年法律第123号)に規定がなく、「保険料滞納者に対する保険給付の制限等に係るQ&A vol.3」問15(全国介護保険担当課長会議(平成14年6月4日開催)資料No.2。参考1)に示されている。
このQ&Aは、保険料を新規に(増額して)賦課する場合の取扱いを示したものだが、減額して賦課する場合にも同様に2年の期間制限を適用する取扱いが多くの保険者で行われてきた。

そして先般、大阪高等裁判所の介護保険料減額更正請求事件の判決(平成23年(行コ)第30号)が確定したことを踏まえ、当面、以下のとおり取り扱うこととした。

1.保険料賦課額を減額する場合の取扱い
第1号被保険者の保険料賦課額については、地方税の課税標準の減額等が行われた場合には、介護保険法第200 条第1項に定める保険料を徴収する権利の消滅時効の2年を超えて、遡って保険料賦課額を減額できる。なお、地方税の課税標準又は税額を減少させる賦課決定は、地方税法第17 条の5第4項の規定により5年以内とされていることから、この場合は、5年程度遡った減額が想定されることとなる。

2.保険料賦課額を新規に又は増額して賦課する場合の取扱い保険料賦課額を新規に又は増額して賦課する場合については、上記のQ&Aのとおり、保険料を徴収する権利の時効の2年まで遡って行うことができる。


【参考1】
<保険料滞納者に対する保険給付の制限等に係るQ&A vol.3>
(賦課権の期間制限について)

(問15)
保険料の賦課権の期間制限は2年と解してよいか。また、賦課権の期間が2年であれば、2年以上遡って資格取得を行った場合には、2年以上前の保険料は賦課することができないが、給付額減額期間の算定の対象とはならないのか。

(回答)
保険料の徴収権は、2年の消滅時効が適用されるのに対し、徴収の前段階である賦課決定や更正については、法律上、期間についての定めがなされていないが、賦課権についても、消滅時効の期間等に鑑み、2年の期間制限によるものと解される。

したがって、賦課期日現在に被保険者である場合には第1納期日の翌日から、賦課期日時点で被保険者資格を取得していない場合には保険料を賦課することができるようになった日の翌日から、それぞれ2年以上経過した後は、当該年度の保険料についての賦課権が存在しないため、そもそも保険料徴収権が発生しておらず、給付額減額期間の算定の対象とはならない。

【参考2】
■確定した判決の概要
大阪高等裁判所平成23年8月30日判決
平成23年(行コ)第30号介護保険料減額更正請求控訴事件
控訴人(原審被告) 和歌山市
被控訴人(原審原告) 被保険者

1 事案の概要
本件は、被控訴人が、処分行政庁から、平成19年度の介護保険料を7万1400円とする賦課決定を受け、これを徴収されたが、平成21年7月に平成19年度の市民税が非課税になった結果、所定の介護保険料は2万8560円になったと主張して、控訴人に対し、行政事件訴訟法37条の2に基づいて、原告の平成19年度の介護保険料を2万8560円に減額更正する処分の義務付けを求めた事案である。

2 大阪高裁の判断(判決より抜粋)
「当裁判所も、処分行政庁が被控訴人に対し平成19年度の介護保険料を4万2840円に減額更正する処分をすべきであると判断するが、その理由は、原判決「事実及び理由」第3に記載のとおりであるから、これを引用する。
(1) なお、控訴人は、原判決が、増額更正決定について2年の期間制限を認めながら、減額更正について認めなかったのは、理論的一貫性を欠くと主張している。

確かに、更正決定を行う権限は、既に成立した保険料債権の額を確定するものであるのに対し、保険料の徴収権は、確定した保険料債務の履行を請求して収納を図るものであるから、両者の性質は異なる。しかし、更正決定を行う権限のうち、増額更正については、新たに保険料を賦課して徴収する一連の手続の前提をなし、増額更正処分とそれに基づく徴収権の行使とが相まって保険料請求権が実現されるという密接な関係にある以上、介護保険料の徴収権の消滅時効の起算点である「権利を行使することができる時」(介護保険法第200条1項、地方自治法236条2項、3項、民法66条1項)も前記増額更正処分が可能になったときから、当該部分に関する保険料請求権も行使し得る状態にあるというべきであるから、増額更正を行う権限と同一と考えるべきである。

したがって、その消滅時効が完成したならば、原判決も判示しているとおり、もはや増額更正部分に関する保険料の徴収手続を採ることができない以上、増額更正処分を行ったとしても、その目的を達することができないから、同処分については、除斥期間を定める明文の規定がなくとも、徴収権の消滅時効の完成によりそれに関する増額更正の権限も行使できなくなると解するのが相当である。

一方、減額更正処分は、原判決も判示するとおり、既に賦課された介護保険料の納付義務の一部を取り消す処分であるから、新たに徴収権の行使が必要になるものではなく、徴収権の消滅時効の完成により、その目的を達することができなくなるわけではない。また、減額更正処分により被保険者に発生する還付請求権は、前記処分により初めて行使することができるのであるから、その消滅時効も「権利を行使することができる時」(前掲各法条)である前記処分時から進行すると解すべきであって、この点も減額更正の権限の行使を妨げる事由とはならない。

したがって、増額更正処分と減額更正処分とは、処分の性質が異なる結果、徴収権との関係性の有無も異なるのであるから、控訴人の前記主張は理由がないというべきである。

さらに、控訴人は、法的安定の要請を主張しているが、和歌山市の介護保険料は市民税の課税の有無によってその額を決定する仕組みになっている以上(本件条例9条1項、本件政令39条1項)、本件のように、その算定の基礎となる市民税の課税の有無が変更された場合には、それに連動して介護保険料額も変更し得るとした方が、前記各法条の趣旨に沿うとも解される上、原判決も判示するとおり、地方税の減額更正は法定納期限の翌日から5年内に期間が制限されているから(地方税法17条の5第2項)、そのように解したとしても、無制限に遡って減額更正を義務付けられる事態は生じないと解されるので、この点に関する控訴人の主張も採用できない。」

◎厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/


ケアマネジャーのための専門サイト
【ケアマネジメントオンライン編集部 樋口】

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