あいまいな決着に「ローカルルールの懸念」相次ぐ


2019/03/06 20:30 配信   | 行政ニュース

あいまいさを残したまま社会保障審議会介護給付費分科会で了承された「介護職員等特定処遇改善加算」(以下、特定処遇改善加算)の具体的な要件案。同分科会の委員からは、そのあいまいさが、算定に関するローカルルールを生み、各事業所の運営や人材確保にも影響するのではないかと懸念する声が相次いだ。

この日、厚生労働省が示した特定処遇改善加算の要件の具体案のうち、特に委員が注目したのは、新規の事業所などに配慮した例外規定の案の内容だ。

特定処遇改善加算を算定した事業所では、勤続10年以上の介護福祉士など、経験や技能のある介護職員の中で、▽月8万円を増額する▽全産業平均(役職者を除く)の年収440万円以上に引き上げる―のいずれかを必ず実現しなければならない。ただし、厚労省が示した例外規定の案に合致する場合、その実現が必須ではなくなる見通しだ。

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厚労省が示した例外規定の案は次の通り。

小規模事業所などで加算額全体が少額である
・職員全体の賃金水準が低い事業所などで、直ちに一人の賃金を引き上げることが困難
・8万円などの賃金改善を行うに当たり、これまで以上に事業所内の階層・役職やそのための能力・処遇を明確化することが必要になるため、規程の整備や研修・実務経験の蓄積などに一定期間を要する

案には、「小規模事業所」や「賃金水準が低い」「一定期間」など、解釈次第で内容が変化する文言が複数盛り込まれている。

■「あいまいさ」を評価する意見も
この点について、河本滋史委員(健保連常務理事)や石本淳也委員(日本介護福祉士会会長)らは、ローカルルールの温床になりかねないと指摘。通知や疑義解釈などで、より詳細で具体的な内容を示すべきと訴えた。

一方、武久洋三委員(日本慢性期医療協会会長)は、厚労省があいまいな例外規定の案を示した点について、「事業所の裁量を認めている点はすばらしい」と評価した。


■職場環境の要件案、効果の検証求める声が続出
また、厚労省は、既存の介護職員処遇改善加算の「職場環境等要件」の「資質の向上」「労働環境・処遇の改善」「その他」の区分のそれぞれで、1つ以上の取り組みを行うことも、要件案として提示した。


(社会保障審議会介護給付費分科会)

この案について、委員はおおむね前向きに評価した。ただ、「(離職防止などで)エビデンスがある取り組みを要件とすべき」(東憲太郎委員・全国老人保健施設協会会長)など、より効果が得られる要件を設定すべきとする意見も出た。また、齊藤秀樹委員(全国老人クラブ連合会常務理事)や安藤伸樹委員(協会けんぽ理事長)は、職場環境等要件については、次の改定などで、段階的に厳格化していく必要があると指摘。さらに今回の設定が、人材確保や離職防止に効果を上げているのかどうかの検証が不可欠とする意見も複数の委員から出た。

そのほか、厚労省は特定処遇改善加算の具体的な要件案として、▽最も高い賃上げの対象となる「勤続10年以上の介護福祉士」の「勤続10年以上」については、同一法人のみの経験でなく、他法人や医療機関などでの経験も通算できる▽10年以上の勤続年数がない人でも、業務や技能などを勘案し、最も高い賃上げの対象にできる▽加算の配分は、法人単位での対応も可能とする―などを提示。委員は、その内容を大筋で了承した。


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【ケアマネジメントオンライン編集部 ただ正芳】

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