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VOL.11「ケアマネ受験者数激減」の衝撃

2018/11/27 配信

前年の4割弱まで減った受験者数

今年10月に実施された介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)の受験者数が公表された。その数は、昨年の受験者数の4割弱。まさに衝撃的な数字だ。

受験者激減の背景にあるのは、受験資格の厳格化だ。

2014年、厚生労働省はケアマネジャーの専門性を高める目的から受験資格を変更した。具体的には介護福祉士や社会福祉士、看護師、医師といった法定資格の保有者や生活相談員、相談支援専門員などに対象を限定。その上で、いずれにも「通算して5年以上であり、かつ、当該業務に従事した日数が900日以上であること」を満たすよう求めている。

一方、「介護等の業務経験が10年以上」「実務者研修修了者や介護職員初任者研修修了者などで5年以上の業務経験」といった人は、対象外となった。

【参考】
介護支援専門員になるには

そして改正は、3年間の経過期間を経て今年から適用された。

この改正によって、ケアマネ試験の受験をあきらめた人は少ないないだろう。事実、私が所属する大学の卒業生でも「従来の制度であれば受験できたのに、今年は受験を見送らざるを得なかった」という人がいた。この人は、介護施設で介護職員として3年働いた後、自ら相談業務を希望。今は社会福祉士として働いている。従来の規定であれば、高齢者分野での経験年数が併せて5年以上であることから受験できたのだが、「社会福祉士であれば相談業務を5年」といったように、経験年数の要件も厳格化されたため、受験資格が得られなかった。

処遇や事務負担も「激減」に影響はしているが…

もちろん、受験資格の厳格化だけが受験者数減少の原因ではない。

例えば、介護職員処遇改善加算が何度か拡充されたことによって、介護職員とケアマネの年収格差が縮小し、「給与を上げるためにケアマネを目指す」という人が少なくなっていることも影響しているだろう。

さらに、ケアマネの事務負担の増大に伴い、利用者と時間を過ごすよりも事務処理に時間を費やさなければならなくなったという現実も、受験者数減少に影響しているのではないか。介護の現場では、人と接することにやりがいを感じる人が多い。それだけに「事務員のようにしか見えないケアマネになるより、介護職員として利用者と接していたほうが、やりがいがある」と考える人が増えても、何の不思議もない。

加えて、ケアマネが、権利意識が強い利用者や家族との交渉の矢面に立たなければならないことも、受験希望者の減少に拍車をかけているのかもしれない。

ただし、これらの問題は、何年も前から指摘されてきたことだ。やはり、今年の受験者数の急減は、受験資格の厳格化が主因と考えるべきだろう。

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結城 康博(ゆうき・やすひろ)
1969年、北海道生まれ。淑徳大学社会福祉学部卒、法政大学大学院修了(経済学修士、政治学博士)。介護職やケアマネジャー、地域包括支援センター職員として介護系の仕事に10年間従事。現在、淑徳大学教授(社会保障論、社会福祉学)。社会福祉士や介護福祉士、ケアマネジャーの資格も持つ。著書に『医療の値段―診療報酬と政治』『介護ー現場からの検証』『国民健康保険』『孤独死のリアル』『日本の介護システム―政策決定過程と現場ニーズの分析』などがある。

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