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VOL.13ケアマネ合格者激減、その計り知れない影響

2019/01/21 配信

低い合格率と少ない合格者の背景には…

合格率は10.1%、合格者数は4990人。今年度の介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)の結果には、介護関係者は誰もが驚いたに違いない。

私の見解ではあるが、昨今の合格率の推移を見る限り、厚生労働省はケアマネジャーを新たに生み出すことにかなり消極的になったのではないか。

受験資格の厳格化で受験者数が減ることは、今年度の試験問題を作る前からはっきりと予測できた。なのに、今年の問題は合格率が10%台にやっと届くような内容だった。ちなみに、社会福祉士(おおよそ20~30%台で推移)や介護福祉士(おおよそ40~70%台で推移)、精神保健福祉士(おおよそ50~60%台で推移)など、他の福祉系資格と比較しても今年のケアマネ試験の合格率は異様に低かった。

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受験者減が確実視される中、合格率が伸び悩むような“一癖”ある問題を出した厚労省。やはり、新たに誕生するケアマネを絞り込もうとしているとしか思えない。

ちなみに、過去のケアマネ試験では、必ず1年で1万5000人を超えるケアマネが生まれていた。しかし、今年の合格者は1万5000人どころか5000人にも達しなかった。

「資格があってもケアマネにならない人」も多い?

さらに懸念されるのは、5000人にも満たない新人ケアマネのうち、現場に来てくれる人はどのくらいいるかということだ。言い換えるなら「資格を取ってもケアマネにはならない人」が案外多いのではないかということだ。

注目すべきは、今年度の資格者別合格者の構成だ。前年度と比べた場合、介護福祉士が20ポイント下がり、看護師や准准看護師、保健師、理学療法士、作業療法士といった医療系資格者の構成割合が倍増した。具体的には、社会福祉士を含めた福祉系合格者の構成割合は約8割から6割と減少し、医療系資格者が約1.5割から3割と増えた。

医療系資格者の割合が高まったこと自体に問題はない。医療との連携を思えば、むしろ歓迎すべきことかもしれない。ただ、大きな懸念がある。医療系資格者の場合、福祉系資格者に比べると、試験に合格してもケアマネとして働かない人が多いと予想される点だ。

例えば看護師や准看護師の場合、夜勤の手当もある病院や介護保険施設で働いた方が在宅ケマネよりかなり高い給与が得られる。しかもケアマネになってしまうと、患者と向き合うより書類や事務処理と格闘する時間が長くなり、仕事のやりがいを感じにくくなるというデメリットもある。

つまり、より高い給与をもらい、やりがいのある仕事を続けるために、基礎資格である医療系職種にとどまろうと考える人が多いのではないかと予測されるのだ。

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結城 康博(ゆうき・やすひろ)
1969年、北海道生まれ。淑徳大学社会福祉学部卒、法政大学大学院修了(経済学修士、政治学博士)。介護職やケアマネジャー、地域包括支援センター職員として介護系の仕事に10年間従事。現在、淑徳大学教授(社会保障論、社会福祉学)。社会福祉士や介護福祉士、ケアマネジャーの資格も持つ。著書に『医療の値段―診療報酬と政治』『介護ー現場からの検証』『国民健康保険』『孤独死のリアル』『日本の介護システム―政策決定過程と現場ニーズの分析』などがある。

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