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ケアマネジメントスキルアップ講座 VOL.25
制度の枠を超え 看取りまで寄り添う“第二のわが家”(後編)

制度の枠を超え 看取りまで寄り添う“第二のわが家”

病気や障がいなどで自宅での生活を続けることが困難になった方々が、家族のような介護スタッフの支えを受けながら、5~6人の少人数で一軒の家で共に暮らすホームホスピス®。“第二のわが家”ともいえるこの空間は、医療や介護、障害福祉といった制度の枠を超え、人生の最終段階まで住み慣れた地域で過ごすという地域包括ケアシステムの理念を体現しています。

2004年6月、宮崎市の一軒の民家から始まったホームホスピスは2023年1月31日現在、全国67カ所(22都府県)にまで広がっています。ホームホスピスが誕生した背景などについて、認証や運営のサポートを行う一般社団法人「全国ホームホスピス協会」の市原美穂理事長にお話を伺いました。

前編はこちら「「宮崎にホスピスを」 始まりは署名運動」

専業主婦から夫の診療所の“広報ライター”に

―ところで、市原さんはもともと、介護や医療のお仕事をされていたんですか。

全然違います。私は専業主婦だったんです。

1987年に、夫が宮崎市内に内科の無床診療所を開業しまして、そこから医療現場に携わるようになりました。

制度の枠を超え 看取りまで寄り添う“第二のわが家”

当時、外来の待合室にいるご家族とよく喋りました。診察を終えた患者さんが、ぽろっと別の症状でこぼされることがあります。「ちゃんと言った?言ってない?それは言わないといけんよ」となって、診察室に戻っていただくことも度々ありましたね(笑)。

―ホームホスピスの創設に関わったのは、何がきっかけだったんですか。

「専門職じゃない私の役割って何だろう?」とあれこれ考えた末、患者さんに渡すニュースレターを発行することにしました。診療所の広報紙みたいなものですね。

広報紙には、インタビュー欄がありますよね。それで、「医学概論」を確立させた故・中川米造先生(元大阪大学名誉教授)や大阪の淀川キリスト教病院でホスピス長をお務めになった柏木哲夫先生(現・相談役)、京都・西陣で地域医療に尽力された故・早川一光先生など、そうそうたる先生方からお話を伺って、ニュースレターで情報発信しました。

そんな中で出会ったのが、在宅ホスピス緩和ケアのパイオニアとして知られている川越厚先生と、奥様で当時聖路加国際大学の看護学部の教授だった博美さんでした。お二人からは、ものすごく影響を受けましたね。

川越先生は当時、在宅ホスピスを全国に広める活動をされていたので、「先生を呼んで講演会をしよう!」という話になって、そこで知り合った方たちと勉強会を立ち上げました。それが前述の「在宅ホスピスネットワーク宮崎」です。

―それにしても…すごい行動力ですね。

私は専門職でも何でもないから、怖いもの知らずというか、とにかく飛び込んでいましたね。うちの夫なんかは、「ようあんた、あんな先生のところに『こんにちは~』って行くなぁ」って言っていましたけど(笑)。当時お会いした先生方とは、お友達のようなお付き合いをさせていただきましたね。

私はある意味、プロじゃなかったから、制度の上で仕事をしたことがなかったから、「家を借りて一緒に住めばいいじゃない」って、気軽に言えたんだと思います。

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考えるべきは「その方の人生であり生活」

―市原さんはこれまで、まさに地域包括ケアシステムを先取りしてきたわけですが、今、課題だと感じていることはありますか。

ホームホスピスをつくった目的の1つは、制度を外れてじゃなくて、制度を超えて、ご本人にとって一番大切なことを考えて、やっていきましょうということでした。

制度の枠を超え 看取りまで寄り添う“第二のわが家”

私達が考えるべきなのは、その方の人生であり生活なんですね。もちろん、介護保険も医療保険も障害福祉も、さまざまな公的サービスは使いますが、日々の暮らしは制度で対応できない部分の方が多いですよね。だから、まずインフォーマルを使って、足りない部分をフォーマルで補うという発想が必要になってきます。

フォーマルって、何かをDoing、「する」ということでしょう。入浴介助をするとか、注射をするとか、お薬を出すとか。そして、その対価としてお金が支払われるわけですよ。

でも、家はBeing、「いる」が基本なんですね。もちろん、インフォーマルだけでは生活していけないので、足りないところはフォーマルが必要になりますが、それが業務になり、「ケアが逆転していませんか?」と思ってしまいます。

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ケアマネは「もっとヘルパーとコミュニケーションを」

―ターミナルケアの場面で、ケアマネジャーに期待することはありますか。

ターミナルになると、症状が急激に悪化するので、利用者さんがお亡くなりになっても、ケアマネさんに知らされないことが意外と多いですよね。でも、やっぱり最後の看取りの部分まで関わらないと、お仕事が完結しないと思います。「昨日亡くなりました」という連絡だけあっても、やり終えた気がしませんよね。

「かあさんの家」では、入居者の方の具合が悪くなったら、ほとんどの場合、ケアマネさんにも連絡します。特別指示書が出て、医療保険の訪問看護が毎日入るような状況になると、ケアマネさんにお願いすることはあまりないんですが、それでも看取りの時に来られて、ご家族をねぎらってくださいます。

制度の枠を超え 看取りまで寄り添う“第二のわが家”

ケアマネさんって、実質、ご家族と契約している方が多いですよね。でも、「かあさんの家」で生活を見ているのはヘルパーさんなので、ヘルパーさんに聞かないとわからない。だから、うちのヘルパーさんは、ケアマネさんと密に連絡を取り合って、状況に合わせてケアプランを変更しています。

もうすぐ亡くなるという時に、ご家族から「最後にお風呂に入れてあげたい」と言われることがあります。その時は、主治医に確認してから、ケアマネさんに連絡を取ります。お風呂に入って、数時間後に息を引き取られるのですが、ご家族は「最後に気持ち良く、きれいになって本当に良かった」と満足なさいます。

ケアマネさんには、もっとヘルパーさんとコミュニケーションを取って、その方が最期にどんなことを望んでいるのか、ぜひ知っていただきたいという思いがありますね。

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「制度超えた住まいとケアの有り様、発信したい」

―最後に、今後の展望を教えてください。

2年前に、ホームホスピスを作りたいと考えている方のための学校を始めました。まだホームホスピスがない地域がたくさんあるので、できれば、全ての都道府県に1つはできたらと思っています。国の制度を超えた住まいとケアの有り様を、外に向けて発信したいんです。そうすることで、「最期まで生き切ることを支え、家族が悔いのない看取りができるように支援する」という考え方が、地域全体に広がってほしいと思っています。

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