「コミュ障」でもケアマネやってます!
コミュニケーションが苦手-だからこそ、できることもある!
- 2023/03/20 09:00 配信
- 「コミュ障」でもケアマネやってます!
- かずぴ
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さまざまな立場の人と連携が求められるケアマネジャーは、高いコミュニケーション能力が求められる立場でもあります。でも、どんなにコミュ力が高いと自負するケアマネさんでも、人と接するのがつらいと思う時はあるはず。実はコミュニケーションが苦手という、かずぴさんが日々、利用者さんや他の専門職とのやり取りに四苦八苦しながらも、現場に立ち続けるための小さな工夫をユーモラスにつづります。
「緊張させない」という特技!
いまさらながら、コミュ障ゆえに恥の多いケアマネとして活動してまいりました。その具体例の一部を、これまで書かせていただいてきたわけですが、記事を書くたび、読み直すたび「よくもまあ、ケアマネを続けられているなあ、お主」と思ってしまいます。ほとんど、人●失格ならぬケアマネ失格ですよ。
そんな私が旦那と手を取り合って玉●上水に入水しないで済んでいるのは、コミュ障であることが、意外なくらいケアマネとしての活動に役に立っているからです。
…え…?強がり??いえいえ。コミュ障ゆえにご利用者に感謝されたことも少なからずあるのです。いや、本当に。
ご利用者やご家族の中には、「あなたがケアマネをした方が良いのでは?」と思えるほど、仕切るのが上手で饒舌な人がいますよね。それとは反対に人と関わることが苦手な方もいます。
というか、ご利用者やご家族の中にはケアマネに相談するときに、緊張したり、本当のことを話せなくなったりする方が少なくないようです。実際、私は何度も言われたことがあるんです。「ほかの人はちょっと話しづらくて。でも、何となく、あなたになら、何でも話せそうな気がしたんです」と。
なにしろ、サービス担当者会議の際、書類ではなくテーブルに印鑑押しちゃうようなケアマネですから、たいていの人は私と相対しても緊張なぞしないようです。まあ…狙って和ませているわけではない点が悔しいところではありますが。
コミュ障だからこそ相性がいい人とは?
もちろん、逆に私の行動にいらだってしまう方もたくさんいらっしゃいます。そうした方は「コミュ力ばっちりで仕切り上手な、しっかり者のケアマネさん」が担当すると、満足されるようです。一方、私は先にも述べたような「なんとなく、ケアマネに気後れしてしまう方」との相性がよいのです。
そして、この相性を間違うと、普通のご利用者やご家族が、ちょっと対応が難しい方に豹変してしまうこともあります。
私の事業所でも、そんなご家族がいました。ちょっぴりクレーマー気質で、猜疑心も強めな方で、同僚のケアマネは満足にコミュニケーションできませんでした。で、結局、私が担当したのですが、なぜか私とは、ばっちりマッチ。同僚では聞き出せないような内輪話や悩みまでお聞きできるようになったのです。
当初、事業所内では「なぜ?なぜ、かずぴさんだけ?」と、ちょっとした謎でした。私にとっても「?」でしたが、ある日、同僚とそのご家族への対応の振り返りをしている時、気づいたことがありました。
私、自分のダメさや弱さを、そのご家族にたっぷりしゃべっていたのです。あげくの果てには自分はケアマネに向いていないという愚痴まで言っていました。同僚は「恥ずかしくて言えないようなことを、よくもまあ…」と、あきれながらも、その吐露が相手の心に響いたのではないかと分析してくれました。「『自分の弱さまで開示すると相手も心を開きやすい』というコミュニケーションスキルが功を奏したようね」
これからも大切にしたい「宝物」
当たり前のことかもしれませんが、ケアマネさんの中には、話し上手な方もたくさんいます。雑談が上手だったり、研修中のグループワークにも臆することなく参加したりしていたり。私自身、そうした方を見ると、うらやましく、また、まぶしく感じてしまいます。
だけれども!今回、書かせていただいた通り、コミュ障であることがプラスとなることもあります。さらに、もう少しがんばって言わせてもらえば、「人の痛み」や「弱い心」といったことには、たくさん傷ついたり、やらかしたりしてきた人間の方が、気づきやすいという特性もあると思うのです。
同業のケアマネさんの中には、私と同じように、コミュニケーションに悩んでいる方もいると思います。でも、だからといって絶望することはありません。たくさん悩んできたからこそ、苦しんできたからこそ、気づけることや理解できることが確実にあります。
そうした気づきは、コミュ力がある人には、なかなか得ることができない「宝物」だと思うのです。今後も、この「宝物」を大切にし、さらにさらに前進して行こうと決意している次第です。

- かずぴ
- 旦那さんと亀と、とある地方在住。お酒と映画と音楽をこよなく愛する50代。グループホームにて介護職と施設ケアマネを経験。その後、居宅ケアマネに。居宅ケアマネとしては6年目。
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