白木裕子の「実践! 仕事力の磨き方」 VOL.30
法定研修にも反映される「適切なケアマネジメント手法」、心がけるべきことは?(前編)
日本ケアマネジメント学会副理事長の白木裕子先生が、介護保険制度や社会情勢に対応するためのポイントや心構えを、わかりやすく伝授する「実践! 仕事力の磨き方」。第30回は、このほど確定した新たな法定研修を取り上げます。
法定研修、改正後も全体の時間数に変化なし
2024年4月からケアマネジャーの法定研修のカリキュラムが変更されます。新たな法定研修では、適切なケアマネジメント手法が積極的に導入されたほか、「高齢者の権利擁護・意思決定」や「地域共生社会の実現」に関する内容を充実させるため、対応する科目の時間数も増えました。ただ、別の科目の時間配分は調整されたため、カリキュラム全体の時間数は増えていません。
特に大きな変化といえるのが、「適切なケアマネジメント手法」が、かなり反映された点でしょう。そこで今回は、この「適切なケアマネジメント手法」と、どう向き合い、どう使いこなしていくのかを考えてみたいと思います。
「質を一定に保つ」ことがケアマネジメント手法の目的
「適切なケアマネジメント手法」は、ケアマネジメントの質を一定以上の水準に保つことを目的に作成されたものです。
この手法を活用すれば、支援内容やアセスメント項目の「抜け漏れ」を防げるだけでなく、他の職種との協働や役割分担を進めやすくなる上、ケアプランの見直し(状態の変化に応じた支援の見直しや追加の判断)がしやすくなる―とされています。
実際、とても丁寧に作り込んだ内容となっています。ただ、いくら優れた手法であっても、使いこなさなければ意味はありません。特に後進を指導したり、スーパーバイズしたりする主任ケアマネジャーは、きちんと体得しておく必要があります。この手法はケアマネジャーの実務研修にも主任ケアマネジャーの更新研修にも盛り込まれていますので、研修を受ける際には、しっかり体得するよう心がけましょう。ちなみに、この手法については解説動画もあります。併せて視聴すると、より体得しやすいかもしれません。
- 白木 裕子 氏のご紹介
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株式会社フジケア社長。介護保険開始当初からケアマネジャーとして活躍。2006年、株式会社フジケアに副社長兼事業部長として入社し、実質的な責任者として居宅サービスから有料老人ホームの運営まで様々な高齢者介護事業を手がけてきた。また、北九州市近隣のケアマネジャーの連絡会「ケアマネット21」会長や一般社団法人日本ケアマネジメント学会副理事長として、後進のケアマネジャー育成にも注力している。著書に『ケアマネジャー実践マニュアル(ケアマネジャー@ワーク)』など。
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