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夏期集中講座 20年度診療報酬改定のポイント夏期集中講座 20年度診療報酬改定のポイント

病院でケアマネ事業所立ち上げの動きも?!

2020/09/03 配信

「地域包括ケア元年」となった2012年は、医療と介護の同時改定が行われ、「地域包括ケアシステム」の構築に向け、【医療】【介護】【予防】【生活支援】【住まい】の5つの視点を踏まえた仕組みが新たに導入された。

「訪問」を始める病院が増えた背景

医療と介護の連携を充実させ、退院支援と在宅復帰を進めるには、急性期後の患者の受け入れをはじめとする地域包括ケアシステムを支える病棟が必要となる。この役割を担うべく、2014年度の診療報酬改定で新設されたのが「地域包括ケア病棟」だ。

「地域包括ケア病棟」は、診療報酬の点数が高い代わりに、原則60日までという入院期間が設定されている上、リハビリが必要な患者に対しては、1日2単位(40分)以上のリハビリを提供することが必須となっている。

さらに、高いランクの届け出を行うには、「在宅復帰率70%以上」という要件を満たさなければならない。入院患者をできるだけ早く地域に帰すよう促すためだが、特に慢性疾患を持つ高齢者は、すぐに再入院したり、通院等が難しいことが原因で介護施設に入所したりするケースも多い。退院後3カ月以内に同じ疾病で「地域包括ケア病棟」に再入院すると、治癒後に悪化したと見なされなければ、再入院が認められないこともある。

そこで2018年度の診療報酬改定に伴い、200床未満の中小病院が算定する「地域包括ケア病棟入院料1・3」については、▽訪問診療の提供が3カ月間で20回以上▽医療保険の訪問看護の提供が、訪問看護ステーションは3カ月間で500回以上、医療機関は3カ月間で100回以上▽介護保険の訪問看護、訪問リハ、訪問介護のいずれかを実施―などの実績要件のうち、少なくとも2つを満たすことが必須となった。

退院後、病院の外来への通院が困難になる患者を支えることが目的だが、その影響で2018年度以降、訪問診療や訪問看護、訪問リハビリを始める病院が増えてきていることは、居宅のケアマネジャーには知っておいていただきたい。

退院前カンファ開催を評価項目に追加

2020年度の診療報酬改定では、この実績要件が厳しくなり、訪問診療の提供回数は「3カ月間で30回以上」に増えた。さらに、医療保険の訪問リハビリの提供実績と、退院前カンファレンスの報酬となる「退院時共同指導料2」の算定回数(3カ月間で6回以上)が、実績要件として新たに加わり=表=、居宅のケアマネを含む在宅の関係職種との連携(退院前カンファレンス)が報酬上で評価された。

夏期集中講座 20年度診療報酬改定のポイント

今回の見直しは、医療と介護の連携の視点から、「地域包括ケア病棟」を持つ中小病院に対して、退院後の患者を「支える機能」の充実を促しているようにも見える。前述した通り、訪問診療を含む、医療と介護の訪問系サービスを始める病院は増えており、国もサービスの提供量を増やしたいと考えている。このため、実績要件は今後、さらに厳格化される可能性が高いだろう。

病院とウィンウィンの関係を目指せ

診療報酬における介護との連携の評価で、最も項目が多いのが、居宅のケアマネとの連携だ。このため、特に複数の事業を展開する病院グループの中で、今後、居宅介護支援事業所の立ち上げを検討する動きが活発化する可能性もある。

在宅医療や介護事業所等との連携を評価する診療報酬に関しては、「集中減算」のような制限がないため、そうした動きが増えれば、グループ内における入退院支援の取り組みが進むだろう。特に独立型の居宅ケアマネは、医療機関との信頼関係を構築する上で、“共存”も意識する必要があると言える。

前述した実績要件のうち、病院側が最も対応に苦慮しているのが、訪問診療の患者の確保だ。遠方に訪問する体制が整っていない病院にとっては、近隣の患者の確保がカギとなるが、外来受診だけで訪問診療のニーズをつかみ切るのは容易ではない。

このため、重要になってくるのがケアマネとの連携だ。ケアマネは、「通院に苦労している」という患者の内情を最も把握しやすい立場にいる。かかりつけの病院の医療ソーシャルワーカーらに相談し、訪問診療に切り替えることを提案していただくと、患者が助かるだけでなく、病院側も訪問診療の実績を作ることができる。まさにウィンウィンの関係だ。

「地域包括ケア病棟」は、重症度の基準が厳しい急性期病棟と比べ、入院の“ハードル”は低く設定されている。例えば、「低栄養で在宅療養が厳しくなってきた。病院で栄養状態を改善させたい」「独居のため、風邪や下痢でも在宅療養が難しい」などの理由でも入院可能だ。実は、こうした患者を積極的に受け入れるべく、在宅から直接入院した患者数も要件の一つとなっている。

居宅のケアマネは、連携先の病院の医療ソーシャルワーカーらと良好な関係を築き、入院の基準をあらかじめ確認しておくことだ。利用者の身に何かあった際、すぐに入院できるようにしておけば、利用者やその家族が安心するだけでなく、病院側の報酬アップにもつながる。日頃から、こうしたウィンウィンの関係を意識しておくことが大切だ。

酒井麻由美(さかい・まゆみ)

酒井麻由美(さかい・まゆみ)
株式会社リンクアップラボ代表取締役。急性期病院の医事課、医療・介護専門コンサルティング会社を経て、2018年12月にリンクアップラボ設立。医師会や病院団体、社会福祉協議会などで、年間100件以上のセミナー講師を務めるほか、「月刊保険診療」(医学通信社)や「デイの経営と運営」(QOLサービス)ほか、医療・介護経営雑誌で執筆多数。日本医業経営コンサルタント協会の認定コンサルタント(運営)。

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