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現場のためのマネジメント講座

ケアマネにこそ不可欠、働き方改革

あらゆる業界が本気で取り組まなければならなくなった働き方改革。ケアタウン総合研究所の高室成幸代表は、「介護業界、とりわけケアマネジャーこそ、一刻も早く働き方を変えなければならない。仕事と家庭、自分の時間のバランスを取りつつ、3~5年先を見定めた未来志向で改革を進めるべきです」と指摘します。高室代表に今のケアマネの働き方の課題や、改革を実現するためのポイントなどを紹介してもらいました。

当初の10年間は業務へのマネジメント意識が少なく、「行き当たりばったり」なケアマネが多かった

ケアマネさんは忙しい。介護や医療の現場で働く人なら、誰でも知っている常識です。実際に、ケアマネさんの働きぶりを見ると本当に忙しい様子が伝わってきます。

制度開始3年目の頃から、私はいつも疑問に感じていることがありました。ケアマネになったばかりの人も、3年目になりそろそろ仕事に慣れているはずの人も、同じようなことで同じように「忙しい」と嘆いていたのです。

あまりに不思議だったので、ケアマネさんに日々の業務の段取りを詳しく取材をしてみたことがありました。すると仕事に十分に慣れているはずのケアマネさんでも、訪問先や訪問の時間を当日になって決めるのが普通であることがわかりました。

ちょっと強い言葉を使うなら、業務に慣れてきたはずのケアマネさんでも、「行き当たりばったり」の姿勢で、日々の業務に取り組んでいたわけです。

「行き当たりばったり」ということは、その時、その日のうちに何とかしなければならないということ。それだけに、業務中はひどく忙しいし、緊張も強いられます。

ただ、こうした忙しさは、業務を適切にマネジメントできれば、すぐに解消できます。例えば、「前の週の金曜日には、次の週にどこに行くかを決めておく」とか、「来月、モニタリングの終わりに、翌月の訪問の日時を決めておく」とか、ちょっとした段取りをつけるだけで先々の予定が明確になり、ずいぶんと落ち着いて業務をこなせることになります。

業務のマネジメントは、他の業界では当たり前に行われていることです。ところがケアマネさんを初めとした介護の業界では、かなり普及した感はありますが、課題はまだまだあります。

つまり、業務のマネジメント意識と取り組みが定着していないことこそが、ケアマネのみなさんの忙しさを生む主な原因と言えるのです。

ケアマネジメントと業務のマネジメントの違い

それにしても、なぜ、ケアマネの仕事で、業務のマネジメント意識と取り組みが定着しないのでしょうか―。その点に着目して現場のケアマネのみなさんにヒアリングしてみたところ、あることに気づきました。

他業種の人材と比べると、ケアマネのみなさんの中に、業務のマネジメントを体験・体得している人が少ないという事実です。

そういうと、「私はご利用者のケアマネジメントはできている!だからマネジメントは大丈夫」なんて、誤解する人がいるかもしれません。

あえて説明しますが、利用者へのアセスメントやプランニング、月々のモニタリングなどのケアマネジメント業務は、相談支援という「直接援助」です。一方、サービス事業所や医療チームとの調整業務や日々の連携業務は「間接業務」であり、まったくの別物です。

もっともケアマネのみなさんが業務のマネジメントを体験・体得できていないことは、やむを得ない側面もあります。ケアマネジャーになる前職である介護福祉士やヘルパー、そして看護師にしても、マネジメントのスキルがほとんど求められないからです。実際、介護福祉士や看護師の仕事の多くは、「受けた指示を素早く正確にこなす」ことこそ求められますが、先を見据えた業務のマネジメントやチームをまとめるマネジメントスキルはあまり必要とされません。

さらに他の業界であれば、業務マネジメントの経験がない人がいたとしても、職場の上司から指示やアドアイスを得られますし、管理職となればマネジメントの研修が、かなり丁寧に行われます。ところが、ケアマネは誕生してわずか18年。しかも事業所のほとんどが2~5人の小所帯ですから、チームをまとめるより「仲良くやる」ことが重視されがちです。

私がお会いしたなかで「このケアマネジャーさんは仕事ができるぞ」と思う方にお話をうかがうと、他業界経験者で、ばっちりマネジメントを経験してきた人が結構いらっしゃいました、他業界ではなくても、生活相談員や生活支援員、訪問看護ステーションの管理者経験者もいらっしゃいました。

もちろん、他業界でマネジメントを経験した人でも、ケアマネジメントの仕事の本質を理解していなければ、その仕事ぶりは「利用者本位」より「事業者本位」「ケアマネ本位」となりがちですから注意が必要です。

ケアマネになるということは「転職する」ということ!

ならば、ケアマネが業務のマネジメントスキルを体得するには、どのような工夫と取り組みが必要なのか―。

具体的な取り組みを考える前に、必要な心構えについて触れたいと思います。ケアマネになった段階で、基礎資格とは全く違う仕事に「転職」したという意識を持ち、新たに仕事の仕方を学んでほしいということです。

既に述べた通り、基礎資格である介護福祉士や看護師は、いずれも指示を受けて「直接援助」する業務です。ところがケアマネは違います。自分で考え判断し、他の専門職や事業所、地域資源と連携し、利用者(家族)を支援する「間接援助」が主な仕事です。

つまり、仕事の内容が全く違うのです。その点に気付かず、「直接援助」の意識のまま「間接援助」に取り組もうとするケアマネさんは、利用者(家族)との相談援助は好きでもケアチームのマネジメントはいつまでも行き当たりばったりで、忙しさはまったく変わらないという状況が続くことになります。

もう一つ、ぜひ意識してほしい心構えがあります。常に、業務の目的と意味を考え続けるということです。「なぜ、何のために、この仕事をするのか」を考え、どのように改善すればよいかをつねに意識してほしいのです。つまり効率化に向けた「手立ての改善」を心掛けることです。

勘違いしてほしくないのは、効率化とは「手を抜く」ということではありません。ムダやムリ、洩れを少なくして効率的に時間を使いこなすことです。それこそが、よりよい業務のマネジメントを実現するための第一歩です。

“1人親方”の意識を払しょくし、定期的な会議で話し合いの場をつくる

業務の効率化に向けた改善、というと、なんだかすごいことをやるように思えるかもしれませんが、小さな工夫でもいいんです。例えば、「ホワイトボードに外出先や帰社時間を書き込む、読んでほしい書類を貼っておく、すぐに情報共有したいことをメモ書きする」。これだって立派な業務改善です。

そして、業務を効率化する上でどうしても必要な取り組みが、話し合いの場をもうけること。つまり「会議」をすることです。居宅介護支援事業所の場合、3~5人のケアマネが所属しているのに、会議をしていない事業所が結構あったため、特定事業所加算の条件に「週1回以上の定例の会議」の実施が盛り込まれました。厚労省としても、まずそこから始めよう、となったのだと思います。

では会議が開かれにくいのはなぜか?まずは会議への苦手意識があります。それと多くのケアマネが「私の仕事は私が責任を持つ」という、“一人親方”の意識が強いためでしょう。お互いの業務には立ち入らない、という妙な「職人気質」は、実はかなり問題と考えます。

もちろん責任感が強いのは悪いことではありません。しかし、だからといって同じ事業所のメンバーなのに、お互いの仕事にはまったく関与せず、情報共有もしないというのは、やはり問題です。なぜなら利用者は居宅介護支援事業所と「契約」しているのであり、ケアマネジャー個人と契約しているわけではありません。ケアプランだって事業所の提案プランですから、会議で共有していないこと自体が問題なのです。そして仮に重大なミスや誤ったマネジメントが起こっていても、いつまでも表面化しないということも懸念されます。

そもそも担当ケアマネが入院したら、だれが変わりに担当をするのでしょうか?

同じ事業所に所属するケアマネ同士であれば、それぞれの利用者の状況やケアプランの内容は共有しておくことがとても重要です。新規のケースはもちろんのこと、更新ケースのケアプランは必ず目を通すことを基本とすべきです。そのためにも週1回の定例会議は有効ですし、原則とすべきです。

では、より有意義な話し合いをするためにはどうすべきか?一人ひとりのケアマネがマネジメントについて意識を持つ習慣づくりが必要でしょう。そのための現実的な方法としては、ケアマネ向けに書かれた業務のマネジメントに関する本やビジネス書などをまずは手に取って読んでみることでしょう。さらには、そうしたテーマの研修会に行く、インターネットでマネジメントにかかわるサイトを閲覧するのも有効ですね。

高室成幸
ケアタウン総合研究所代表。日本福祉大社会福祉学部卒。「地域包括ケアシステム構築と新しい福祉の人材育成」を掲げ、介護支援専門員、主任介護支援専門員、地域包括支援センター職員、施設の管理職、民生児童委員らを対象とした研修会で講師を務める。「わかりやすく、元気が湧いてくる講師」として知られる。
研修のテーマはケアマネジメント、介護予防ケアマネジメント、地域ケア会議、ケアプラン点検、ケアプラン作成にはじまり、メンタルマネジメント、施設マネジメントまで幅広い。著書に「新・ケアマネジメントの仕事術」 (中央法規刊)、「ケアマネ育成指導者用講義テキスト」(日総研刊)、「地域ケア会議コーディネートブック」(第一法規刊)、「本人を動機づける介護予防プラン作成ガイド」(日総研刊)、「ケアマネジャーの質問力」(中央法規刊)など著書多数。
公式サイト:ケアタウン総合研究所

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