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ケアマネジャーこそ知っておきたい「身寄りがない人の終活」

いざというとき、身寄りがない人が頼るべき制度は?

家族や親族が近くにいない。また、近くに居ても疎遠で誰にも助けを求めることができない。そんな高齢者を担当したとき、どんな支援をしたらいいのか、またどの専門家に繋いだらいいのか―。相続コンサルタントのおざさみわさんが、ケアマネジャーこそが知っておきたい身寄りのない人の終活について、わかりやすく解説します!第2回は、終活に向け、備えるべきことを具体的に解説します。

前回の寄稿で、身寄りがない人が困難に直面するタイミングとして「突然の入院」「身体機能が低下」「認知症発症」を指摘しました。

その中でも、特に対応が難しい「突然の入院」について、少し具体的に考えてみましょう。身寄りのない人が突然入院した場合、医療機関は「身元保証人・身元引受人」の確保を求めます。では、「身元保証・身元引受人」の役割とは何でしょうか。

「身元保証人・身元引受人」とは何をする人?

医療機関が「身元保証・身元引受等」に求める機能や役割は、主に次のような事項(「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」より参照)とされています。

  • 緊急の連絡先に関すること
  • 入院計画書に関すること
  • 入院中に必要な物品の準備に関すること
  • 入院費等に関すること
  • 退院支援に関すること
  • (死亡時の)遺体・遺品の引き取り・葬儀に関すること

「身元保証人・身元引受人」とは、この上記の1~6の役割を担う個人または団体を指します。

もし、突然の入院に何も備えていなかったら、遠方にいる親戚や身近な友人に頼らざる得なくなってしまいます。そして、誰もこの役割を担ってくれなかった場合、「成年後見制度」の活用を検討するケースが多いようです。

2つのタイプがある「成年後見制度」

そこで「成年後見制度」について、掘り下げます。「成年後見制度」は認知症や精神障害などによって判断能力が不十分な人を保護し支援するための制度です。

「成年後見制度」は、「法定後見制度」と「任意後見制度」に大別できます。

「法定後見制度」

「法定後見制度」には、本人の判断能力の程度や本人の事情に応じて、「後見」「保佐」「補助」の3類型があり、それぞれ、後見人等に与えられる権限や職務の範囲が異なります。なお、判断能力の程度は医師の診断書などで判断します。

申立てができる人は、本人・配偶者・四親等内の親族等・市町村長・検察官などに限られます。家庭裁判所に選任申立てを提出し、後見人等を選任してもらうこととなります。多くの場合、申立てから開始までの期間は4か月以内となっています。

後見人になってほしい人として身内の名前を書くことはできますが、あくまでも裁判所が選任するため、面識のない専門職が選ばれることが多々あります。

「任意後見制度」

「任意後見制度」とは、本人が十分な判断能力があるうちに、将来に備えて、あらかじめ自ら選んだ代理人(任意後見人)に、財産管理や療養看護に関する事務を行ってもらえるように代理権を与える契約(任意後見契約)を、公証人の作成する公正証書で結んでおくというものです。

任意後見人を家族や知人にお願いする場合でも、口約束ではなく公正証書で作成し専門家に契約書の作成依頼を行ってください。

任意後見人を誰にするかは自分で選ぶことができます。まずは自分が信頼できる人(任意後見受任者といいます)を選びましょう。裁判所が認めれば誰でも任意後見人になれます。ただし、未成年や破産した人などは、任意後見人になれません。家族や知人などが難しいなら、専門家に依頼することも可能です。その場合、報酬も契約で取り決めることとなります。

また、「任意後見制度」の契約内容は、自分で決めることができます。

例えば、
「通帳を預かって管理してほしい」
「日常的な支払いもしてほしい」
「孫が就職したときや結婚、出産をした時にお祝いをあげたい」
「できる限り住み慣れた自宅で過ごせるように介護サービスを使ってほしい」
「認知症が進行したら希望している施設に入所させてほしい」
―など、財産管理の方法やサポートしてほしい内容を細かく書いておくことができます。

「任意後見制度」の契約を始めるには、まずは任意後見受任者や家族が家庭裁判所に任意後見監督人の選任の申立てを行わなければなりません。その後、任意後見監督人が選任されると契約が開始されます。

なお任意後見監督人とは、本人に不利益なことがないように任意後見人を監督する人のこと。弁護士や司法書士が選任されますが、この監督人にも月1万~2万円程度の報酬が掛かってしまうことがデメリットと言えます。

判断能力の衰えがなければ「任意後見制度」を使う必要はなく、あくまでも備えとなります。しかし、「任意後見制度」には、判断能力があるうちに自分の望む内容で信頼できる人と契約できるというメリットがあります。

第3回では、身寄りのない人をケアマネが支援するためのポイントについて、お伝えします!

おざさみわ
サービス提供責任者、ケアマネジャー、区役所介護保険課など23年の介護業界勤務経験がある相続コンサルタント。現在はケアマネジャーからの依頼により後見チームの一員として利用者の見守りもしている。介護と相続問題が相談できるコンサルタントとして活動中。愛称は「笑顔相続診断士・MIWA」。

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