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ケアマネジメントのあるべき姿を語り合おう /能本守康(「次世代ケアマネジメント研究会」理事長)

ヤングケアラーや障がい者の「65歳問題」など、少子高齢化に伴う社会構造の変化によって、介護を取り巻く状況は複雑さを増す。さらに、ケアマネジメントの現場には、AI(人工知能)に象徴される新たな技術革新の波も押し寄せている。昨年6月に発足した「次世代ケアマネジメント研究会」は、既存の制度の枠にとらわれず、ケアマネジメントのあるべき姿を語り合う場だ。研究会が生まれた背景などについて、能本守康理事長に聞いた。

能本守康理事長

―研究会が設立された経緯を教えてください。

3年ほど前、一般社団法人オレンジクロス理事の岡本茂雄さん、ケアタウン総合研究所代表の高室成幸さん、東京ケアマネジャー実践塾理事長の岡島潤子さんら、そうそうたるメンバーが月1回ほど集まって、都内で座談会を開いたのが始まりです。私は高室さんに誘われて、途中から参加するようになりました。

座談会のテーマは、ケアマネジメントのあるべき姿で、ケアマネジャーという職種のあり方ではありませんでした。こうしたテーマを扱っている組織は、意外とありません。例えば、職能団体の場合、「次の報酬改定をどうすればいいか」など、どちらかと言えば、近い未来について話し合います。これだけのメンバーが、内輪で話すのは「もったいない」という話になり、研究会を立ち上げることになりました。

―厚生労働省は、生産年齢人口が急速に減少する2040年に向けた検討を始めています。「次世代」というのは、いつ頃をイメージされているのですか。

さすがに22世紀のことは想定していませんが、2060年頃までは、まだまだ少子高齢化の影響が続くので、そこに向けて取り組んでいます。

私達が引退した後、子どもや孫の世代になった時に、ケアマネジメントの仕事は残っているのか、残っていたとして、魅力ある、目指したい仕事になっているのか、こういった視点も大切です。今後、制度からこぼれ落ちた人が増えた時、身近で支えてくれる人の存在が非常に大切です。その人たちをどう作っていくのか。それを形にして問い掛けるのも、研究会の大きな役割だと思っています。

ケアマネ以外の参加も可能

―どんな方が参加されているんですか。

ケアマネジメントに感心のある方だったら、どなたでも大歓迎です。ケアマネジャーの資格を持たなくても参加できます。初年度は100人以上の方に集まっていただきました。個人や企業など、所属はさまざまです。企業の研究開発者の方もいますが、やはり個人のケアマネジャーが一番多いですね。

先ほど申し上げたように、今ではなくて将来、次世代に向けて、ケアマネジメントをどう進化させていくべきかという視点を中心に議論しています。ケアマネジメントと聞くと、介護保険のことだけをイメージしがちですが、障がい福祉、貧困者やヤングケアラーの問題も含め、さまざまな角度から話し合っています。

理事には、ウェルモ(東京都港区)の木村亮太執行役員、ワイズマン(盛岡市)の南舘聡一郎社長、NTTデータ経営研究所(東京都千代田区)の米澤麻子アソシエイトパートナーにも入っていただいています。

人材育成は岡島さんの得意分野なので、全世代型のケアマネジャー教育についても話し合っています。「どんな知識が必要なのか」「現行の研修で足りているのか」といった細かな点に議論が及ぶこともあります。

ケアマネと相談支援の一本化を

―最近盛り上がっているテーマはありますか。

やっぱり、AIやICT(情報通信技術)といったテクノロジーですね。研究開発者が一体、何を考えているか教えてもらい、刺激を受けながら、それに向けて現場はどうしたらいいのか、地域はどうしたらいいのか、そういった話をしています。

議論が多岐にわたるので、3つの分科会を作りました。日本の制度や諸外国の事例など、広い視野でケアマネジメントを話し合うのが「マクロ分科会」で、これは岡本さんの主宰です。そして、都道府県や市区町村といった「地域」をテーマに扱うのが、高室さんが担当する「メゾ分科会」。さらに、将来のことを話し合うには当然、現状も把握しておかないといけませんので、「ミクロ分科会」も立ち上げました。これは、私が担当しています。

分科会は基本的に月1回、オンラインで話し合いをして、ある程度議論がまとまった段階で、外部にお披露目する「全体会」を年2回ほど、対面とオンラインによる「ハイブリッド形式」で開いています。

―「ミクロ分科会」では、どんなことを話し合っているのですか。

今現場で何が起きているのか、居宅介護支援と施設のケアマネジメント、障がい福祉サービスの相談支援、それぞれのメリットとデメリットを洗い出し、将来に向けて具体的に何をすればいいのかを話し合っています。

障がい者が65歳で介護保険へ移行すると、原則、相談支援専門員からケアマネジャーへとバトンが渡ります。やはりケアマネジャーと相談支援専門員は、将来的に一本化した方がいいのではないかという議論もあります。

また、制度外の人たちがケアマネジメントを受けられなくなったら、例えば、自費のサービスとしてケアマネジメントを利用してもらう。そうした技術を持つケアマネジャーの育成が必要だといった意見も出ています。

ケアマネジャーと相談支援専門員を一本化した上で、「私は介護保険をやりたい」「こっちは障がい福祉の仕事をやる」「俺は自費の人たちを支援する」といった具合に、支援内容に合わせて仕事を選べるようにする。そうやって、ケアマネジャーの仕事の領域を広げるのです。そのためには、さまざまな知識を体系的に学べる教育機関が必要になるでしょう。

―今後、国に提言するお考えはありますか。

ゆくゆくはそうしたいと思っています。ただ、「現状を変えてほしい」というお願いではなく、「●●の実現に向けて検討してください」といった将来像を示すイメージです。具体的なビジョンの実現に向け、今を考える際の参考にしてほしい、と。まだできていないですが、これからやらなければならないと思っています。

「ケアマネジメントはもっと自由に」

―理事長ご自身は、今のケアマネジメントについてどのようにお考えですか。

私自身は、ケアマネジメントはもっと自由でいいと思っています。現場の自由な発想でやらないと、利用者さんに真の支援が行き届かないと考えているからです。ルールがあるということは、それだけ制約も多いということです。介護にしても障がい福祉にしても、「ルールがあるから動く」となると、純粋なケアマネジメントを阻害し、利用者さんは型にはまった支援しか受けられなくなります。

別に社会保障制度を批判しているわけではなくて、今のやり方で行う限り、ルールは必要だと思っています。そこで食べていく以上、それに合わせないといけない面もあるでしょう。

その上で私は、ケアマネジメントはもっと自由であるべきだと思っています。例えば、モニタリング1つ取っても、必要があれば毎日訪問したっていいわけですし、利用者さんのためになるのであれば、訪問しない月を作ったっていいはずです。その判断はケアマネジャーがすべきですし、それこそが真のケアマネジメントではないでしょうか。

―最後にPRを兼ねて、ケアマネジャーの読者にメッセージをお願いします。

全体会はオープンなので、どんなことをやっているのか、ぜひ一度、見ていただきたいですね。普段の業務中はあまり考えない、ケアマネジャー同士では話さないようなことを多角的に議論しているので、興味を持っていただけると思います。

もちろん、定期的に話を聞きに来てくださるだけでもいいんですが、ぜひ、あなた自身の意見を聞かせてください。私達が目指すのは、活発に意見を交わす場所です。私達も真剣に発言しているので、自分も意見を発信したいという方に集まってほしいですね。

全体会を聞いて興味を持った方は、分科会に入ってください。最先端の技術の話題は「マクロ分科会」、地域づくりや地域ケアマネジメントについては「メゾ分科会」、介護保険でも障がい福祉でもいいんですが、「将来、制度はこうした方が絶対にいい」といった“現場論”を話したければ、私が担当する「ミクロ分科会」に参加してください。

ケアマネジャー以外の介護従事者の方も大歓迎ですし、普通のサラリーマンの方でもオーケーです。日本のケアマネジメントについて考えたいという方がいれば、職種、年齢、性別は問いませんので、ぜひ一度、ご参加ください。

次世代ケアマネジメント研究会のホームページはこちら

取材・構成/敦賀陽平

能本守康(のもと・もりやす)
1964年茨城県水戸市生まれ。1988年青山学院大法学部卒、同年水戸信用金庫入庫。1993年株式会社ケアファクトリー設立。現在、同社代表取締役、有限会社共立看護婦家政婦紹介所取締役。日本介護支援専門員協会常任理事や茨城県介護支援専門員協会副会長など、職能団体などで多数の要職につく。著書に「初めて学ぶケアマネジメントテキスト」(中央法規出版)など。介護福祉士、主任介護支援専門員、相談支援専門員。

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