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他人事ではない孤独死、ケアマネはどう向き合う?

ケアマネジャーをはじめ在宅介護に携わる専門職にとって、夏は高齢者の熱中症に警戒しなければならない季節である。

「都内・独居高齢者で孤独死」の85%が、クーラーなし

東京23区のデータによれば、昨年6月から9月の間に、熱中症で亡くなった人は135人で、そのうち122人が屋内で亡くなっている。=表1=

この122人中81人が独居だった。そして81人中69人の部屋にクーラーが設置されていなかった。つまり、屋内で亡くなられた独居の方の約85%がクーラーを所有していなかった。

このデータは、クーラーを持たない高齢者は熱中症による孤独死の危険性が高いことを明示している。それだけにケアマネは、自分の担当者の自宅にクーラーがあるかどうか、真っ先に確認しなければならない。

高齢者の中には、夜間に風邪をひくことを恐れ、あえてクーラーをつけずに過ごす人も少なくない。このような人に対しては、水分補給や窓あけ、首振り機能がついた扇風機の使用を提案するなど、充分な熱中症対策を促す必要があるだろう。

東京23区内では、「65歳以上1人暮らし」で亡くなった約5000人のうち、約8割の3900人が自宅で亡くなっている。=図1=

さらに先月、「2019 年国民生活基礎調査」が厚労省より公表されたが、要支援または要介護と認定された人の世帯構造をみると「核家族世帯」が40.3%で最も多く、次いで「単独世帯」が28.3%となっている。01年には「単独世帯」が15.7%であった。この18年間で倍近くまで増えたことになる。なお、「単独世帯」のうち、要介護3以上の人は約2割にとどまった。

コロナ禍において、孤独死を発見する人は…

在宅独居の要介護・要支援者が孤独死した時、保健・福祉職が発見することが珍しくない。=図2=

ケアマネやヘルパーが第一発見者となることも、十分にあり得るということだ。

特に、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化している現在、家族や隣人、知人が孤独死の第一発見者になる件数は、今よりも減ることが予想される。感染予防のため、人との接触を避ける風潮が広がっているからだ。さらに県境を越えるような長距離の移動を自粛する動きもあるため、遠距離介護も実施が難しい。「サロン」「地域の交流の場」「高齢者の集い」といった地域活動も、多くの地域で休止されている。

高齢者の中にも、感染を恐れて、買い物など以外は外出を控える人が増えている。毎週3回のデイサービスを、毎週1回に減らすなど、あえて利用控えをするケースも見受けられる。

こうした状況を踏まえれば、専門職の中でも、高齢者の自宅を直接訪問するケアマネやヘルパーの役割は、特に大きいと言える。ケアマネは熱中症が招きかねない孤独死の危機について、率先して担当する高齢者に発信していくべきであろう。

孤独死は公の問題として取り組むべき

ところで、行政の孤独死への対策は、一部を除いて後手に回っている感がある。中には「そもそも人の死は私的な事柄であって、積極的に行政が介入すべきではない」というスタンスの自治体もある。

しかし、独居世帯が急増している現状を思えば、孤独死は、個人や家族の「私的」な事柄ではなく、行政が取り組まなければならない「公的」な課題といえる。行政においても地域の見守り活動への支援や企業との連携など、積極的に人の死に対する予算や人材を投じていくことが求められるだろう。

いわば、「死の社会化」が必要なのだ。

コロナ禍の今こそ、「死の社会化」の推進を

最後に、新型コロナウイルスの感染拡大が続く今、私たち一人ひとりが、孤独死を他人事ではなく、誰にでも起こりうることだと認識しなければならない。そして、「死の社会化」を推し進めなければならない。どんな人だって、死んだ後に自分で墓に入ったり、遺品の整理をしたりすることはできないのだから。

結城康博
1969年、北海道生まれ。淑徳大学社会福祉学部卒、法政大学大学院修了(経済学修士、政治学博士)。介護職やケアマネジャー、地域包括支援センター職員として介護系の仕事に10年間従事。現在、淑徳大学教授(社会保障論、社会福祉学)。社会福祉士や介護福祉士、ケアマネジャーの資格も持つ。著書に岩波ブックレット『介護職がいなくなる』など、その他著書多数がある。

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