連携室の“ケアマネ”が教える病院との付き合い方連携室の“ケアマネ”が教える病院との付き合い方

連携室の“ケアマネ”が教える病院との付き合い方

※この記事は 2023年10月25日 に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

在宅の治療を支えるケアマネに必要なこと

前回は、ケアマネジャーから医療職に具体的に尋ねることで、退院後の在宅生活に必要な情報を引き出すとともに、介護側と同じ視点に立って考えてもらうことをご提案しました。

また併せて、身体機能や認知機能の変化にどのように向き合っていくか、あらかじめケアプランで示しておき、ご本人やご家族に気づいてもらうことで、緩やかに「暮らし直し」をご提案できること、さらに、そうしておくことによって、入院することになったとしても、その人らしく生きていける支援ができる、というお話もしました。

介護保険の認定に医師の意見書が必要なことからも、医療と介護は切っても切り離せません。最近では、抗がん剤の投与など、外来で治療を受けながら在宅生活をされる方も大変増えています。そのような方については、「適切に治療を継続できること」も、ケアプランにおける大切な視点です。

その場合、医学的な知識はもちろん必要ですが、ケアマネジャーや地域医療連携室のMSWは、「これから先の生活でどんなお困り事が起きるのかを予測するための知識」さえあれば十分だと思っています。

結局のところ、今行われている治療やその経過によって、ご利用者が「暮らし直し」をしないといけないのかが大切なのです。残念なことに、直接暮らしに関わったことのない医療者には、それをイメージすることができません。そこで、ケアマネジャーの出番となるわけです。

小さな変化のアセスメントを

暮らしは、その方が生きている限りずっと続きます。入院のように明確な期限があるわけではありません。だからこそ、「なんだか変だな」「いつもと違う」といった小さな変化を無視できないのです。

「薬がちゃんと飲めなくなってきた」「食事の量が減ってきた」「通所系サービスに行くのが億劫(おっくう)になってきている」といったちょっとした変化が、ご利用者やご家族との会話に出てきた際、それを「歳だから」で終わらせてはいないでしょうか。もう一歩進んで、病気と薬の両面からご利用者を見てみましょう。

例えば、心不全など心臓系の疾患をお持ちの方は、内服で体調を整えていることが多いと思います。そのような方が通所系サービスに行かなくなった場合、心臓に水がたまって息切れがしたり、足がむくんでいたりして、動くのが億劫になってきている可能性もあります。それを「歳だから」とおっしゃるご利用者に対して、「まだまだお若いですよ」と社交辞令で終わらせず、少しアセスメントしてみましょう。

例えば、しんどさの原因がお薬を飲まないことにあると、ご利用者が理解されていたら、ちゃんと飲んでくださるようになるかもしれませんね。でも、もし服薬しているのに症状があるのならば、医師との連携が必要になってくるでしょう。その場合、ぜひかかりつけ医の受診に同行していただき、ご利用者の最近のご様子を伝えてみてください。

医師は、担当のケアマネジャーが「どんなことを知っていて、どんなことを知らないのか」がわかりません。皆さんが普段何気なく聞き取っている情報は、医師にとって宝の山なのです。

「最近、お薬が十分飲めていないようなんです」「お薬でお腹いっぱいになっているみたいなんです」など、より具体的に質問すると、そのケアマネジャーが把握している情報が伝わり、医師は耳を傾けてくれるでしょう。より踏み込んだアドバイスが受けられるという、“うれしいギフト”もあるかもしれません。

薬の面からも「しんどい」を支える

最近では、在宅における薬剤師の活用も一般的になりつつあります。病院では、薬剤師が処方した薬に関する質問に答える専門の部署も増えています。また、調剤薬局の薬剤師については、「対人業務」に注力させるようとする国の政策の下、「ただ処方していれば良い」という時代ではなくなりました。

「対人業務」には、▽重複投薬や飲み合わせなど処方内容のチェック▽医師への疑義照会(処方についての疑問点を問い直すなど)▽服薬指導▽在宅訪問における薬剤管理▽副作用や服薬状況のフィードバック▽処方提案▽残薬の解消―などがあります。

患者一人ひとりに合わせた薬剤指導が必要となる中、万が一に備え、「ケアマネジャーとつながっておきたい」と考える薬剤師も増えてきています。主治医だけでなく、薬剤師とも連携することで、薬の面からも、ご利用者の「ちょっとしんどくなってきた」を支えることができると思います。

塚本知恵子
看護師免許取得後、兵庫医科大学病院(兵庫県西宮市)や淀川キリスト教病院(大阪市)などで、病棟の看護師や看護管理者の仕事に従事。2003年にケアマネジャーに転身し、約8年間、大阪府池田市内の居宅介護支援事業所で勤務。その後、同市内の市立池田病院などを経て、2019年から伊丹恒生脳神経外科病院(同県伊丹市)地域医療連携室長。現在、一般社団法人日本地域統合人材育成機構で医療・介護従事者を対象とした接遇講座などの講師も務めているほか、看護師のための「ナースのかたり場」を主宰し、専門職の教育支援なども行っている。

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