濃くて癖ツヨ、だから沼る「小多機のケアマネ」

ちょっと「ぶっ飛んだ」職員さんとめぐりあう喜び(前編)

小規模多機能型居宅介護、略して「小多機」。専従のケアマネジャーが配置されていることもあり、居宅介護支援事業所で働くケアマネには、ちょっと縁遠い存在でもあります。その現場に10年あまり立ち続けているうりさんが、小多機の濃くて癖ツヨな実情を、赤裸々に語ります!

見た目のギャップが大きすぎる「コボちゃん」

小多機のケアマネとして13年間さまざまなご利用者様・ご家族様に関わらせていただきましたが、同じだけ多くの職員さんともお仕事をさせていただいてきました。

ご利用者様・ご家族様も癖ツヨなら、対する職員さんもまたそれ以上に癖ツヨな方々が多いのが小多機の特徴です。その癖ツヨな職員さんの中でも一番思い出深いのが、「コボちゃん」です。コボちゃんとは、私が新人ケアマネとしてある事業所の立ち上げに関わった時からのおつきあいがある職員さん。医療系の短大を卒業し、地元の特別養護老人ホームで介護職をしていた方でした。

見た目は綾●はるか似の、おしとやかそうな美人さんというのに、その中身は、相当「ぶっ飛んで」いたコボちゃん。そもそも、その恰好からして、かなりのものでした。さすがに仕事中は、みなと同じような服装でしたが、温泉での職員旅行となると、もうちょっとでお尻が見えそうなミニでピチピチのスカートをはいた上、目元は黒く見えるくらいマスカラでばっちりの厚化粧でやってきたりしました。3度見してやっと、コボちゃんと理解できるほどの変わりっぷりです。あまりの厚化粧だったせいで、入浴後、部屋で見知らぬ可愛らしい女性を見つけて、どぎまぎしていると、実はそれがコボちゃんだったという、お約束なこともありました。

敬語も丁寧語も置き忘れた対応、なのに、ご利用者には…

コボちゃんが特にぶっ飛んでいたのは、ご利用者様に関わる時でした。どんな年長のご利用者様でも「おいちゃん、おはよ!今日、うち(自分のこと)とお風呂やざ(お風呂の係ですよ)。さ、行こっか」と、敬語も丁寧語も完全に置き忘れた、バリバリの地元言葉で話しかけていたのです。

それでも、どんなご利用者様からも、あっさりと受け入れられてしまうのがコボちゃんのすごいところ。何かと口うるさいご利用者様でも、コボちゃんのため口だと「ほんなら、あんたとお風呂行かなかんな」と、ニッコニコの笑顔で、すんなりと入浴に応じてくれるのでした。

中でもびっくりしたのは、ソファでご利用者様の横に体育座りで座り込み、ぴったりくっついている姿を見た時。さすがに、いくらなんでもそれはくっつきすぎ…と指導しようとした私ですが、まるで孫と接するように、無邪気に、うれしそうに微笑んで会話をされているご利用者様の様子を見ていると、どうしても、指導のための一言が出てきませんでした。

他の職員さんの中には、こんなコボちゃんの「態度」に「失礼じゃないんですか?!」と言う人もいました。それでも、彼女がご利用者様から生きる力を引き出している様を見ると、誰も何も言えなくなってしまうのでした。後編に続きます。

うりさん
「措置の時代」から介護業界で活動。ケアマネ歴は14年、そのうち13年間、小多機のケアマネとして活躍。座右の銘は「もまれてもまれてころがって、もっともっとまあるくなあれ」。

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