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VOL.21新型コロナウイルス感染拡大!ケアマネが心掛けるべきこと

2020/03/02 配信

新型コロナウイルスの感染拡大が日本中を揺るがせている。国の新型コロナウイルス感染症対策本部は2月25日、基本方針を策定。さらに厚生労働省も次々と事務連絡を発出し、介護現場における具体的な対策を示している。対策の中には、都道府県が社会福祉施設に休業を要請することができるという内容もある。ここでいう社会福祉施設とは具体的には、デイサービスやショートステイなどが含まれる。つまり、感染拡大に従いデイサービスやショートステイなどが、いきなり閉鎖される恐れもあるのだ。

この状況において、ケアマネジャーが心掛けなければならないことを改めて考えたい。

突然の利用制限に備え、早めに訪問介護との連携強化を

まずやるべきは、利用者やその家族に、「手洗いの徹底」「充分な睡眠をとる」「栄養管理」「マスク着用をはじめとした咳エチケットの徹底」などの感染予防対策を促すことだ。

続いて重要なことはデイサービスやショートステイなどを利用できなくなる可能性があることを想定し、早めに対策を講じておくことだ。先に述べた通り、デイサービスなどが突然休業する恐れがあることに加え、事業所が運営していても、利用者の状態によってはサービスを使えないこともあるからだ。

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独り暮らしの高齢者や高齢の夫婦は、一時的でもサービスが利用できなくなれば深刻な影響を受ける。こうした利用者を抱えているケアマネは、すぐにでも万が一に備えた代替手段の準備に乗り出す必要があるだろう。

具体的な対応としては、短期的に訪問介護サービスを担ってくれる事業所を確保しておくことなどが考えられる。

先述した厚労省の事務連絡では、サービスの利用を断られた利用者に関する情報は、事業所・施設から担当する居宅介護支援事業所などに提供される。そして、情報提供を受けたケアマネが必要に応じ、代わりのサービスの提供を検討する、という手順になっている。

だが、利用を断られた段階で対応を検討するのでは、おそらく遅い。ヘルパー不足のため、新規の利用者の受け付けを控えている訪問介護事業所も少なくないからだ。突然の休業や利用拒否への備えは、早め早めにやっておくべきだ。ただし、緊急で訪問介護をお願いできることになったとしても、ヘルパーが利用者にウイルスを運んでしまう可能性も考慮し、その体調を見極める必要はある。そして、十分な感染防止策を講じた上で、訪問してもらわなければならない。ヘルパーだって感染してしまう可能性もあるのだから。

施設と連携、「ミドルステイ」の検討も

施設と連携しているケアマネであれば、利用者がサービスを使えなくなった場合に備え、数カ月の利用が可能な「ミドルステイ」(※編注)や、それに近い形での受け入れができないかを打診してみる手もある。

なお、ショートステイに関しては、30日を超えた利用はできないというルールがある。そのため、「29日間ショートステイを利用して、数日自宅に戻り、またショートステイを利用する」という使い方をする人もいる。特に施設に入りたくても入れない人で見られる使い方だが、「制度上の“壁”のため、高齢者が施設の出入りを繰り返し、さらに感染リスクを高めている」状況とも言える。

今は、なんとしても新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込まなければいけない非常時だ。できれば厚労省も、例外的に「30日ルール」を撤廃するなどの通知も出すことも検討してほしいものだ。

さらに緊密な医療との連携を!

当然ながら、医療関係者との連携も、強化しなければならない。

利用者に明確な主治医がいる場合、短時間でも連絡を取り、具体的対応のポイントなどをアドバイスしてもらうべきだろう。また基礎資格が医療系ではないケアマネの場合、連携している医療関係者に問い合わせ、改めて感染症対策のポイントを確認しておく方がよい。利用者や家族が新型コロナウイルスに関し、強く不安を訴えるようなら、医師などの専門職が自宅に訪問する「居宅療養管理指導」を提案することもあり得る。

最後に、新型コロナウイルスとの向き合い方について、私なりのアドバイスを贈りたい。

まだわからないことが多い新型コロナウイルスだが、それでもウイルスであることは間違いない。そして、同じくウイルスであるインフルエンザは、12月から3月に流行し、ゴールデンウィーク前には流行が終息する傾向がある。

新型コロナウイルスの感染拡大も、初夏を迎えるころまでには落ちつくのではないだろうか。さらに特効薬の開発も急ピッチで進められている。こうしたことも勘案しつつ、ケアマネは、実情を冷静に見極めながら利用者や家族を支えてほしい。

(※編注)数ヶ月程度の期間連続して施設に入居することの一般的な名称。自治体が事業として実施しているケースなどがある。ショートステイに比べて利用条件が制限される場合が多い。

結城 康博(ゆうき・やすひろ)
1969年、北海道生まれ。淑徳大学社会福祉学部卒、法政大学大学院修了(経済学修士、政治学博士)。介護職やケアマネジャー、地域包括支援センター職員として介護系の仕事に10年間従事。現在、淑徳大学教授(社会保障論、社会福祉学)。社会福祉士や介護福祉士、ケアマネジャーの資格も持つ。著書に岩波ブックレット『介護職がいなくなる』など、その他著書多数がある。

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