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小濱道博の介護経営よもやま話 小濱道博の介護経営よもやま話

VOL.6居宅にも関連、負担軽減策のポイント解説

2020/02/27 配信

制度改正や介護報酬改定のたびに書類の種類が増え、事務負担が年々増している感が強い。事務負担の増加は、介護事業者のみならず、行政機関にとっても頭が痛い問題だ。その現状を見直すため、厚生労働省は昨年夏、社会保障審議会介護保険部会の下に「介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会」を設置し、改善に取り組んでいる。

昨年12月、専門委は中間取りまとめを公表した。その内容は、総じて行政手続きの簡素化に関する項目が多い印象を受ける。日頃の業務における計画や記録などの削減については今後に期待するとして、今回は、居宅介護支援にも関連すると思われる部分をピックアップしてご紹介したい。

1.押印

押印については、本連載の第3回でも取り上げた、京都府八幡市における印鑑の不正使用の問題が記憶に新しい。日本は印鑑文化が根強く残っており、何かにつけて押印を求められるのはそのためだ。

しかし、タブレット端末上でサービス提供記録を作成したり、パソコン上で書類を保管したりするなど、電子データ化が進む現代において、印鑑文化は、国が進める業務のICT化の弊害にもなっている。

中間取りまとめでは、指定申請と報酬請求に関する文書の押印について、以下の内容を広く周知するとしている。

① 申請者が提出する介護報酬等の請求関連申請については、押印を求める。具体的には、原則として、指定(更新)申請書、誓約書、介護給付費算定に係る体制等に関する届出書の3点のみを対象として、押印は正本1部に限る。

② 付表や添付書類への押印は原則不要とする。

③ 押印した文書をPDF化し、電子メール等により送付することも可とする。

なお、オンラインでの電子署名など、その他の本人確認手続きの可能性については、今後のICTなどの活用と併せて検討する必要があるとしている。

これは、現時点における押印に関する国の基準と考えて良いだろう。ただ、広く周知するとされているだけで、すぐに全国の自治体で実施されるとは言い難い。実務を行うに当たっては、所轄の役所に確認する必要がある。

2.原本証明

新規許認可や指定更新などの申請手続きを行う際、自治体から管理者や従業者の資格証などの原本証明を求められる場合がある。しかし、厚労省がアンケート調査を行ったところ、報酬請求に関する文書について、7割超の自治体では原本証明を求めていないことが確認された。

このため中間取りまとめでは、「原本証明がなくとも事務に支障はないと考えられる」と結論付け、原則として添付書類への原本証明は求めないこととし、今後、その旨を周知するとしている。ただ、依然として原本証明を求める自治体も存在することから、こちらについても、所轄の役所に確認しながら手続きを行う必要があるだろう。

3.書類の提出方法の簡素化

新規許認可や指定更新、変更届などの申請書類は、事業所の担当者が役所に出向いて提出することが求められる。

手続きの内容によっては、事前協議などで直接役所の担当者とやり取りする場面も出てくる。特に新規許認可の際は、事業所の実態や信用を確認することも重要な判断基準となるため、面談の機会を設ける必要もあるだろう。

次ページ>>4.今後1~2年以内の取り組み

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小濱道博(こはま・みちひろ)

小濱道博(こはま・みちひろ)
小濱介護経営事務所代表。北海道札幌市出身。全国で介護事業の経営支援、コンプライアンス支援を手掛ける。介護経営セミナーの講師実績は、北海道から沖縄まで全国で年間250件以上。個別相談、個別指導も全国で実施。全国の介護保険課、介護関連の各協会、社会福祉協議会、介護労働安定センター等主催の講演会での講師実績も多数。C-MAS介護事業経営研究会・最高顧問、CS-SR一般社団法人医療介護経営研究会専務理事なども兼ねる。

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