【ケアマネジメント スキルアップ講座】Vol.28 認知症の人への対応のポイント

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日本ケアマネジメント学会副理事の白木裕子先生が、介護保険制度や社会情勢に対応するためのポイントや心構えを、わかりやすく伝授する「実践! 仕事力の磨き方」。今回は認知症の人への対応について、前編・後編でお送りします。

BPSDなどが激しければ専門医と連携を
タイプごとに特徴を把握!
医師には、文書で利用者の情報を共有
独居利用者は、ヘルパーらと連携し情報収集を

BPSDなどが激しければ専門医と連携を

白木 裕子  氏

認知症の人と向き合う際、まず心掛けなければならないのは、医療との連携です。

認知症の人でも日常生活に支障がないようなら、かかりつけの医師と連携するだけで対応できるでしょう。しかし、BPSD(行動・心理症状)などで生活に支障が出る場合には、認知症の専門医による診断と治療が必要です。

利用者の多くは、認知症のための専門医がいることを知りません。精神科などに認知症の専門医がいることをきちんと説明するなどして、利用者が受診をためらわない環境づくりに努めましょう。

専門医の知恵があれば、薬の副作用による症状の悪化や無駄な薬の服用を避けることができます。

どの専門医にお願いするかについては、かかりつけの医師に相談しましょう。

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タイプごとに特徴を把握!

認知症にはいくつかタイプがあります。以下に主なタイプの特徴を簡単にまとめました。

アルツハイマー型:短期記憶が失われやすいタイプです。その結果、「通販番組を見て注文したのに、商品が届くころには注文したことを忘れてしまった」などのトラブルを起こしてしまうことがあります。

レビー小体型:幻視が出やすいタイプです。誰もいないのに「子供がいてトイレが使えない」「知らない人が部屋にいる」という人は、このタイプであることが多いです。幻視が生み出した“世界”に合わせた対応が必要になります。

脳血管性:代表的な症状は「物忘れはあるけど理解力は問題ない」「同じことができる時とできない時がある」など。麻痺の程度によっては身体機能に影響が出やすいタイプでもあります。

さらに、複数のタイプの認知症が同時に発症する複合型も、かなり見受けらます。

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医師には、文書で利用者の情報を共有

白木 裕子  氏

※80歳後半男性で要介護1の方のプラン。アルツハイマー型認知症と診断されています。半年前に免許の返上をしてから、少し元気がない様子でしたが、奥様と散歩に行っておいしいコーヒーを飲んで帰ることを提案したところ、「楽しみができた」と喜んでいます。かかりつけ医のすすめで、デイサービスを使っています。

医師は利用者の日常の姿を把握することは困難です。また、家族は医師の前できちんと説明できる人ばかりではありません。特に「トイレの場所がわからなくて失禁した」や「定期預金を解約して使ってしまったのに、使ったことすら忘れてしまった」といった情報は、本人を前にして伝えにくいもの。

そうした情報はケアマネが文書にして事前に医師に渡しておくとよいでしょう。文書では、本人の状況に関する事実と、それによる影響、家族の対応などを簡潔に記載します。文章が苦手な場合は箇条書きにすると伝わりやすいと思います。特にケアマネの判断や意見は、別に記載するなど工夫をしましょう。事実とケアマネの判断や意見などが混在すると、読む側に伝わりにくいからです。

最後に医師に、何を求めているのかを明示しましょう。例えば「在宅での困りごとの相談」「家族が疲弊している事実の報告」「家族が専門医の紹介を求めているなどのお願い」など、援助者側の意図が伝わることで医師も対応しやすくなります。

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独居利用者は、ヘルパーらと連携し情報収集を

白木 裕子  氏

独居の人など、家族からの情報を得にくい場合は、ヘルパーさんやデイサービスからも積極的に情報を集め、医師と共有しましょう。

集めるべき情報は、日常生活のちょっとした出来事です。

例えば、「訪問販売で、要らないものを買っていた」や「ゴミ出しの日を忘れて、ごみ屋敷になりかかっている」とか。あるいは「冷蔵庫に食べるものがあるのに食べていない」や「冷凍食品を解凍せずに食べている」「デイサービスを使っているのに、頻繁に送迎の日時を忘れる」といったことも、その人の認知機能を知る上で大切な情報です。

もちろん、あなた自身が見聞きした出来事を医師らと共有することも忘れずに。

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白木 裕子 氏のご紹介

白木 裕子 氏

株式会社フジケア社長。介護保険開始当初からケアマネジャーとして活躍。2006年、株式会社フジケアに副社長兼事業部長として入社し、実質的な責任者として居宅サービスから有料老人ホームの運営まで様々な高齢者介護事業を手がけてきた。また、北九州市近隣のケアマネジャーの連絡会「ケアマネット21」会長や一般社団法人日本ケアマネジメント学会副理事長として、後進のケアマネジャー育成にも注力している。著書に『ケアマネジャー実践マニュアル(ケアマネジャー@ワーク)』など。

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