白木裕子の「実践! 仕事力の磨き方」 VOL.21
どうやって導く?「金の卵」新人ケアマネ(後編)
日本ケアマネジメント学会副理事長の白木裕子先生が、介護保険制度や社会情勢に対応するためのポイントや心構えを、わかりやすく伝授する「実践! 仕事力の磨き方」。第21回は、いまや「金の卵」といえるほど、貴重な人材となった新人ケアマネジャーとの向き合い方です。
新人が心を折ってしまう時は…
新人のケアマネジャーをフォローする上で、特に気を付けてほしいのが、利用者さんから苦情などがあったときです。
介護福祉士や看護師は、利用者や患者から何かをお願いされることはあっても、指摘される経験は少ないと思います。それだけにケアマネジャーになりたてのころは、苦情をいただいたり、指摘されたりすると相当にこたえるものです。
そして新人の時は、ベテランケアマネジャーからの引継ぎ事例などを担当することが多いため、利用者や事業所から指摘を受ける機会も、どうしても増えてしまいます。特に管理者は、こうしたタイミングで新人の心が折れやすいことを把握しておき、その言動や表情には注意しましょう。
もう一つ、ケアプラン点検や地域ケア会議で行政からの細かな指摘や指導を受けるのも、最初のうちはかなりしんどいものです。このようなタイミングでは管理者や先輩ケアマネジャーがしっかり事前確認したり、同席したりするなどのフォローが大切になります。
ケアワーカーの仕事とケアマネの仕事は、視点が異なります。たとえ介護や看護の現場でバリバリ働いてきた人であっても、ケアマネとしては1年目であれば、一から仕事を学んでいかなければならない新人さんなのです。
その点を管理者はしっかりと意識し、新人をフォローしましょう。
「オン」と「オフ」の切り替えを常に心がけて!
最後に、新人のケアマネジャーに限らず、ケアマネジャーが仕事への意欲を失わずに働き続ける上で大切なことをお伝えします。それは、「オン」と「オフ」の切り替えを心がけること。
特に管理者は、その切り替えがうまくできず、疲労困憊しているメンバーがいないか、常に細心の注意を払わなければなりません。
また、「オン」と「オフ」の切り替えをうまく進める上でも、事業所内ではケアマネジャー同士が思いっきり愚痴を言い合い、感情を吐き出せるような雰囲気づくりに努めましょう。感情を吐き出し、自分自身をリセットできる場があるだけでも、「オン」と「オフ」の切り替えはしやすくなりますし、心の負担もぐっと軽減されますから。
- 白木 裕子 氏のご紹介
- 株式会社フジケア社長。介護保険開始当初からケアマネジャーとして活躍。2006年、株式会社フジケアに副社長兼事業部長として入社し、実質的な責任者として居宅サービスから有料老人ホームの運営まで様々な高齢者介護事業を手がけてきた。また、北九州市近隣のケアマネジャーの連絡会「ケアマネット21」会長や一般社団法人日本ケアマネジメント学会副理事長として、後進のケアマネジャー育成にも注力している。著書に『ケアマネジャー実践マニュアル(ケアマネジャー@ワーク)』など。
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