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ケアマネジメントスキルアップ講座 VOL.24
制度の枠を超え 看取りまで寄り添う“第二のわが家”(前編)

制度の枠を超え 看取りまで寄り添う“第二のわが家”

病気や障がいなどで自宅での生活を続けることが困難になった方々が、家族のような介護スタッフの支えを受けながら、5~6人の少人数で一軒の家で共に暮らすホームホスピス®。“第二のわが家”ともいえるこの空間は、医療や介護、障害福祉といった制度の枠を超え、人生の最終段階まで住み慣れた地域で過ごすという地域包括ケアシステムの理念を体現しています。

2004年6月、宮崎市の一軒の民家から始まったホームホスピスは2023年1月31日現在、全国67カ所(22都府県)にまで広がっています。ホームホスピスが誕生した背景などについて、認証や運営のサポートを行う一般社団法人「全国ホームホスピス協会」の市原美穂理事長にお話を伺いました。

後編はこちら「専業主婦から夫の診療所の“広報ライター”に」

「宮崎にホスピスを」 始まりは署名運動

制度の枠を超え 看取りまで寄り添う“第二のわが家”かあさんの家 月見ヶ丘

―ホームホスピスが誕生した経緯を教えてください。

もう20年以上も前の話になりますが、1990年代当時、まだ宮崎県内にホスピス(緩和ケア病棟)がありませんでした。それで「宮崎にホスピスを」という署名運動が起こったんです。

私は当時、「在宅ホスピスネットワーク宮崎」という勉強会を立ち上げて活動をしていました。その後、1998年秋に、宮崎市議会と宮崎市郡医師会に対して「緩和ケア病棟及び在宅ホスピス支援センター設置の要望書」を提出しました。

そこで要望書の提出に先立って、「ホームホスピス宮崎(HHM)」という組織を新たに発足しました。その後、2000年5月に県内初の緩和ケア病棟が設置されましたが、病棟が1つできたからといって、県民全員が救われるわけではありません。

また、国の政策で入院期間が短くなってきて、特に認知症やがんを抱える一人暮らしの方から、「退院後にお家に帰りたいけれども、帰れない」という相談が増えてきました。認知症で高齢の方の場合、緩和ケア病棟に入院しても、痛みの症状がなければ優先順位としては低くなりますし、当時のグループホームでは、がんの方を受け入れていませんでした。

それで、「宮崎にホスピスを」から「宮崎をホスピスに」という発想に変わっていったんです。空いている民家を借りて、私達の仲間の在宅医や訪問看護師、薬剤師、ヘルパーが、そこにチームを組んで入り、在宅医療を使いながらやればできるんじゃないかと考えて、2004年6月、HHMは「かあさんの家 曽師」(宮崎市曽師町)を開設しました。これが、現在の「全国ホームホスピス協会」の基礎になっています。

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「決して断らない」 みんなで考えるケア

制度の枠を超え 看取りまで寄り添う“第二のわが家”

―医療や介護、障害福祉と制度が分かれる中で、ホームホスピスを始めるのは大変だったと思います。

制度とか利害とかの関係がないところで、できることからやり始めました。私達が最初に決めたのは、どんな人でも決して断らないということです。みんなでどうすればいいか考えてケアをしているので、大概の人は受け入れています。

それでも一定の収入がないと困りますので、「かあさんの家」では訪問介護事業所を併設しました。当然、ケアマネさんがケアプランを立てるわけですが、1人のヘルパーさんが、5~6人の入居者に訪問介護サービスを提供するので、時間がかぶらないように、ケアマネさん同士で調整してもらっています。

ただ、ここは家なので、ケアプラン通りにいかないことだってあります。例えば、今日は起きるのが遅かったから、先にお昼ご飯にしようとか、プラン通りの時間に必ず訪問介護をするのではなくて、生活全体の中で時間をつくるイメージです。夜間は、基本的に介護保険は使っていません。

その他の生活支援については、インフォーマルサービスで対応しています。「かあさんの家」では、1日2千円を生活支援費として頂いています。

―ホームホスピスには、どんな方が入居されているのでしょうか。

以前は、がんの患者さんが多かったんですが、最近は、気管カニューレやバルーンカテーテル、経管栄養など、医療依存度の高い方や、遷延性意識障害などで重度の介護が必要な方が多いです。がんの治療法が進んできて、お家で暮らせるようになった影響もあると思います。

以前は40代のがんや神経難病の方もいましたが、最近は80代後半や90代の方が多く、平均年齢は85歳ぐらいになっています。

これは「かあさんの家」の話で、他の地域には、ALSなどで人工呼吸器が必要な方をお預かりしているケースもあります。

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ちょうどいい距離感で“擬似家族”の関係に

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入居者の数を5~6人に制限しているのはなぜですか。

6人を超えると、なんていうか、ざわつくんです。以前、「短期間だけ預かってほしい」と言われて、急きょ居間にベッドを増やして、7~8人受け入れたことがあったんですが、どこか落ち着かないんですよ。

「にぎやかになる」とは違います。日本って、お座布団も5枚組でしょう。それから、来客用の湯飲みも5客セットじゃないですか。外国の場合、半ダースで6つになりますよね。だから、私は5~6人が生活する上での最小単位だと思っているんです。科学的な根拠はありませんよ(笑)。

―5~6人の男女比の決まりはあるんですか。

特に決めていませんが、男性はなぜか1軒に1人になりますね。男の人って、2人以上になると競うんです。例えば、「元校長先生だったらしい」というのがわかると、急に言葉づかいが変わります(笑)。男性の方はこれまで、序列社会で生きてきた方たちですから、相手への態度に表れるんですね。

5~6人だと、ご家族同士の交流もしやすいみたいで、遠方から帰省してきているご家族に、別のご家族が「おかえりなさい!」とあいさつしたり、お見舞いの帰り際に「お茶飲みに行こうか」となって、ご家族同士でお出かけしていたりしている姿を見かけます。ちょうどいい距離感だからこそ、“疑似家族”のような関係につながるんだと思います。

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ケアマネ、福祉用具相談員とも密に連携

制度の枠を超え 看取りまで寄り添う“第二のわが家”

―ケアマネジャーとは、どのように関わっているのですか。

「かあさんの家」では、病院の地域連携室からの問い合わせが大半ですが、その次に多いのが居宅介護支援事業所のケアマネさんです。

病院から退院される場合、担当のケアマネさんがいないケースが多いので、その場合は「まずケアマネさんを見つけてください」とお願いします。入院中に体力がぐっと落ちて、もう家に帰れないという方の場合は、ご家族に説明した上で、私達がお世話になっているケアマネさんを紹介することもあります。

―在宅生活を継続する上で、福祉用具は欠かせませんが、福祉用具専門相談員との関わりについてはいかがでしょう。

そうですね。例えば、最初はリクライニングの車椅子が必要でも、だんだん座位が保てるようになってくると、リクライニングは要らなくなりますよね。その時は、すぐに替えてもらいます。

また、座位を保つための高さが足りない場合は、その人の体に合った車椅子に取り替えてもらうこともあります。ベッドもそうです。その方に合わせた福祉用具を使用できるのが、在宅医療の強みでもあるので、福祉用具専門相談員の方とは常々やり取りしています。

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