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ケアマネを支える先進自治体 VOL.27
【豊田市】「身寄りがない市民」の意思決定を三位一体でサポート(前編)

愛知県豊田市に関して注目すべきなのは自動車産業だけではありません。2022年度から、厚生労働省「持続可能な権利擁護支援モデル事業」の一環として、「豊田市地域生活意思決定支援事業」が試行運用されているからです。ケアマネジャーの立場からも参考になる同事業の狙いや成果について、豊田市役所の安藤亨さん、社会福祉法人旭会の三井克哉さんに伺いました。

後編はこちら「専門職とは違った視点から見えてくるもの」

【豊田市】「身寄りがない市民」の意思決定を三位一体でサポート 写真左から:三井克哉(みつい・かつや)さん(社会福祉法人旭会 特別養護老人ホーム アメニティ豊田駅前 施設長/社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員)
安藤 亨(あんどう・とおる)さん(豊田市役所 福祉部 福祉総合相談課 権利擁護支援担当長)

「誰かに決めてもらう」ではなく本人主体の意思決定を導く

【豊田市】「身寄りがない市民」の意思決定を三位一体でサポート

―「豊田市地域生活意思決定支援事業」では、誰が誰に対してどういうサポートを提供するのか、おおまかなスキームを教えてください。

安藤:本事業の対象となるのは、成年後見までの必要はないものの、身寄りがなく支援を必要とされている市民です。本市では約6000人が対象になりうると推計しています。支援のスキームとしては、「とよた意思決定フォロワー」「生活基盤サービス事業者」「豊田市権利擁護支援委員会」の三者が連携して対象者に手を差し伸べるイメージです。

三者それぞれの役割としては、社会福祉法人旭会さんのような「生活基盤サービス事業者」が日常的な金銭管理支援、「とよた意思決定フォロワー」が本人の意思決定の後押し、「豊田市権利擁護支援委員会」が全体の調整や監督を担うことで、地域生活での意思決定を支援しています。

豊田市の特性として、昔から「自動車の街」といわれてきたように、かなり遠方からも仕事を求めて働き手が流入してきます。そうした中で次第に地縁・血縁が薄れていった結果、「身寄りのない方」も一定数いらっしゃるわけです。特に高齢になるにしたがって身近に頼れる人がいなくなるという状況があり、そうした方々を支える仕組みとして本事業には期待が寄せられていると感じます。

―「日常的な金銭管理支援」は、対象者のお金の使い方を第三者として管理するということでしょうか。

安藤:いえ、そうではなく、本人の意思決定を尊重して、本人が主体的に決めることをサポートするかたちです。この点で、日常生活自立支援事業における日常的な金銭管理とはイメージが異なるのかもしれません。お金というものは、使い方を間違えば生活基盤が崩れるおそれもありますが、うまく使えば人生を自分らしく彩ることができます。そして、使い方を決めること自体が楽しかったりもするわけです。

第三者が介入して金銭管理しないということは、本人が選択を失敗する可能性もありうるわけですが、それすらも自分らしく生きるための糧と考えて窮屈な縛りを課さないという点が、行政の施策として珍しいといえるでしょう。金銭管理の課題を解決するという側面と、自分らしい人生を送ってもらうという側面のバランスが重要となる、いわばブレーキとアクセルの機能に優れた自動車のような事業だといえるかもしれません。

もちろん、あくまで日常的な金銭管理なので大きな財産の処分のようにリスクが高いわけではないこと、支援する側が本人のエンパワメントに尽力していることは前提としてご理解いただければと思います。

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お金を使いたい理由は「団子」だった!

【豊田市】「身寄りがない市民」の意思決定を三位一体でサポート

―本事業において、「生活基盤サービス事業者」の皆さんが対象者にどういう関わりをしているのか、具体的に教えてください。

三井:社会福祉法人旭会は愛知県を中心に介護・福祉サービスを提供しており、グループ内の特別養護老人ホーム「アメニティ豊田駅前」の利用者さんが同事業の対象者の一人です。70代の女性で、ご家族とは疎遠。要介護4で認知機能低下がややみられるものの、成年後見制度の対象になるほどではありません。

この方は月に数千円程度の自身のお金を自由に使いたいと希望されていたのですが、施設側としては無駄遣いにならないよう働きかけてきました。しかし、それは本人主体の対応ではなく、その方らしい生き方を阻害することになるではないかと悩み、本事業に参加することにしたのです。

それ以降は「とよた意思決定フォロワー」の方がその方を月2回訪問し、本人の思うところを丁寧に探り、それを自ら施設側へ伝えられるようサポート。その結果、好物の団子を食べたくてお金を使いたかったということが分かりました。

残念ながら、施設のスタッフは大勢の利用者さんを相手にすることもあり、一人ひとりの話をじっくり伺うのは難しい面もあります。そこへフォロワーさんのサポートが入ることで、本人は自身の念願がかなってうれしいし、施設側も利用者さんに自分らしい生活を送ってもらえてうれしい。こうした好事例がすでに生まれています。

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